Embody「Immerse Virtual Studio」レビュー(スタジオモニタリングシュミレーションプラグイン、他製品との比較等)

Embody「Immerse Virtual Studio」レビュー(スタジオモニタリングシュミレーションプラグイン、他製品との比較等)

メーカー情報

Immerse Virtual Studioは、洗練されたAIアルゴリズムを使用して、世界で最も象徴的なサウンドスタジオのスイートスポットにあなたを導きます。独自の耳の形をモデル化し、それを正確な部屋の測定値と組み合わせることで、Immerseは、他では見られない真のスタジオミキシング環境をヘッドフォンに提供します。

特徴 

  • Echo Bar Studios -Echo Barは、Erik Reichers&BobHornが所有および運営するノースハリウッドにあります。ErikReichersとBobHornは、Usher、BTS、Timbaland、Swae Lee、Michael Jackson、Marshmello、JJ Lin、Snoop Dogg、Dr Dreなど、音楽業界で最も著名なアーティストやプロのためにプロデュース、ミキシング、エンジニアリングを行ってきました。
  • ダイヤモンドコントロールルーム- カリフォルニア州エメリービルのSAEエクスプレッションカレッジにあるスタジオの目玉は、クラシックなSSL 9000J64チャンネルコンソールです。制御室はダイヤモンドスイートの一部です。MeyerとDynaudioの両方のモニタースピーカーを備えています。
  • スピットファイアスタジオ-カリフォルニア州ロサンゼルスにあるスピットファイアスタジオは、エアロスミス、リックスプリングフィールド、エースフレーリー、スラッシュ、ダニエルパウター、トレバーホール、ブラックベイルブライズなど、さまざまなミキシングセッションを繰り返し開催しています。
  • ミュージックフレンズスタジオ-ミュージックフレンズレコーディングスタジオはロサンゼルスのイーグルロック地区にあり、ポップアイコンのケイシャ、アラニスモリセット、ジギーマーリーから、バッドレリジョン、オールアメリカンなどのオルタナティブロックの巨人まで、さまざまなレコーディングとミキシングセッションを主催しています。リジェクト、M83、CherryGlazerrなど。
引用元:Embody

使い方・機能紹介など


AIアルゴリズムを使用して、右耳の1つの画像からパーソナライズされたHRTFプロファイルを作成することで、Immerseは世界クラスのスタジオのサウンド環境を正確に再現し、自信を持ってミックスを試聴できます。

プラグインを立ち上げる前にスマートフォンで自分の耳を撮影するように指示があります。その耳の形を元に最適化されたプロファイルを作成するとのこと。この技術がどれくらいモニタリングの処理に貢献しているのか判断することはもちろん難しいですが、少なくとも他のスタジオモニタリングシュミレーションプラグインにはみられない唯一の機能となります。 

また、Spitfire Studioなどをはじめとした著名なスタジオのシュミレーションがこのプラグイン内で比較しながら切り替えられるのも実にうれしいところ。アンビエンス等が調整できるのは他社のプラグインと同様です。他のプラグインの多くは基本的に一つのスタジオをシュミレートしているものが多いです。


モニタリングの精度を上げるため使っているヘッドフォンのプリセットから選ぶことができます。各スタジオにつき、スピーカを2種類から選択することができます。audio-technicaのみのプリセットが収録されたライトエディションも用意されており、このメーカーのみ使っている人はそれで事足りそうですね。

評価

他社のスタジオモニタリングシュミレーションと比較すると、耳で違いが分かるくらいには音の広がりがスムーズな印象を受け、よりリアルな音の広がりを感じられます。
例えば、Wavesの製品と比較すると音響空間の表現がより球体的に上方向にまでまんべんなく広がりを持って聴こえてきます。(Wavesでは焦点から左右に拡散するように聞こえてくる印象があります)
音の広がりといった観点からみれば、かなり完成度の高いモニタリングシュミレーション環境を用意できるかと思います。(筆者の評価だと次点でAbbey Road Studio 3ではないかと思いますね。)また、Wavesにあるヘッドトラッキング機能はありません。
Wavesのスタジオモニタリングシュミレーションプラグインはこちらでレビューしています。こちらの内容も参考になるかと思います。

Realphonesのようにスタンドアロンはないので基本的にDAWに挿すことになります。
改善してもらいたい点としてはヘッドフォンのプリセットが少ないのが悔やまれます(例えばAKGは2種類、Sonyは7506のみ)が、リクエストもできるとのことなので今後のプリセット拡大に期待していきたいところです。