メーカーによる製品の一次情報
デヴィッド・ゲッタとニッキー・ロメロと共同開発したFASTER MASTERなら、わずか数クリックでプロ品質のマスタリングが瞬時に完成します。トラックを分析し、最適なスマートプリセットを生成。EQ、トランジェント、コンプレッション、ステレオ幅、リミッターを微調整できます。さらに、正確なラウドネスマッチングも搭載。あらゆる設定を正確かつ確実に行えます。
急速な変革
FASTER MASTERは楽曲を分析し、10種類のカスタムプリセットを瞬時に生成します。これでマスタリングの95%が完成します。最適なバイブを見つけ出し、微調整で完璧な仕上がりを実現します。
より良い意思決定
すべての調整は自動的にレベル調整されるため、音量の違いに惑わされることなく変更の実際の影響を聞くことができ、より自信を持ってプロレベルの決定を下すことができます。
クイックスタート
マスタリング チェーンの最後のプラグインとして FASTER MASTER をロードします。
トラックの最も大きな部分を再生し、「分析」をクリックします。
スマートプリセット
分析後、スマートプリセットはトラックの雰囲気に合わせてカスタマイズされた 10 個のプリセットを提供します。
プリセット矢印を使用してプリセットを切り替え、すぐにインスピレーションを得ることができます。
プリセット パネルを開いて、ジャンル固有のオプションを調べたり、カスタム プロファイルの参照トラックをインポートしたりします。
参照トラックの一致
お気に入りのトラックをインポートし、そのサウンド プロファイルを一致させます。
リファレンスベースのプリセットを使用する場合、マスタリング済みのトラックとリファレンストラックを比較できます。プリセット画面の「再生」ボタンをクリックすると、マスタリング済みの曲に合わせて自動ループされ、レベルが調整されたリファレンストラックをプレビューできます。
イコライザー
位相歪みとトランジェントの不鮮明さを最小限に抑える純粋なフィルターにより、マスタリング プロセス中にトラックの明瞭さとインパクトが維持されます。
すべての EQ 調整はリアルタイムでレベルが合わせられるため、バイパスすると、前後を比較することができます。
簡単なドラッグで混合率を調整できます。
トランジェント
トランジェントを微調整することが、プロ級のサウンドを実現する鍵となります。トランジェントモジュールは、直感的なインターフェースの背後で複雑な処理をバックグラウンドで実行します。
上にドラッグするとパンチが強まり、下にドラッグするとパンチが弱まります。
調整した内容はリアルタイムでレベルマッチングされるため、音量の変化の影響を受けずにトランジェント処理の効果のみが聞こえます。
圧縮
使いやすく優れたサウンドのコンプレッションでミックスのバランスを整え、まとまりをもたらします。
好みに応じて量を調整するだけで、しきい値やその他のパラメータは、オフ、ライト、ダイナミック、タイトのいずれかで選択した設定に基づいて自動的に調整されます。
ローカット サイドチェーンを使用して検出信号からサブベースを除去し、大きなキックやベースによって不要なポンピングが発生するのを防ぎます。
すべての調整は瞬時に音量に合わせて行われるため、音量の変化に惑わされることなく、圧縮の真の効果を聞くことができます。
ステレオ
オーディオの整合性を維持し、位相の問題を回避しながら、4 つの周波数範囲 (ローエンド、ローミッド、ハイミッド、ハイエンド) にわたってトラックの幅を調整します。
各範囲を狭めるにはノードを内側にドラッグし、広くするにはノードを外側にドラッグします。すべての調整で音量が調整されるため、公平で正確な比較が可能になります。
制限
リミッターの設定は、音楽の成否を左右します。不適切なリミッター設定は、トラックを一瞬で台無しにしてしまう可能性があります。
FASTER MASTERは、あなたの曲に合わせて最適なリミッター設定を提供します。必要なのは、お好みの最大音量を設定するだけです。
ドライブを追加して音量を高くし、上限を設定し、必要に応じてトゥルーピーク制限を有効にします。
ロック
モジュールをロックすると、プリセットを切り替えても設定は変更されません。
完璧なステレオ設定を見つけたが、さまざまな EQ 設定を試してみたい場合に最適です。
特徴
- インスタント スマート プリセット- トラックを分析し、マスターの 95% を完成させる 10 個のカスタマイズされたマスタリング プリセットを提供します。
- レベルマッチした調整– すべての変更 (EQ、圧縮、ステレオ幅など) は自動的に音量マッチされ、正確で信頼性の高い比較が可能になります。
- リファレンス トラック マッチング- お気に入りのトラックをインポートして、音響プロファイルと一致させます。自動ループとレベル マッチング再生により、直接 A/B 比較できます。
- EQ モジュール– リアルタイムのレベル マッチングとミックス パーセンテージ制御を備えた、透明で位相が正確な EQ。
- トランジェント モジュール– シンプルなドラッグ アップ/ドラッグ ダウン インターフェイスで、ラウドネスを合わせた結果で、トランジェントにパンチを加えたり、トランジェントを柔らかくしたりすることができます。
- 圧縮モジュール– 適応しきい値、サイドチェーン フィルタリング、および 4 つのモード (オフ、ライト、ダイナミック、タイト) を備えた、簡単で音楽的な圧縮。
- ステレオ モジュール– オーディオの整合性を維持しながら、4 つの周波数帯域 (低域、低中域、高中域、高域) の幅を調整します。
- リミッター モジュール– 歪みのないプロフェッショナルな音量を実現する、ドライブ、シーリング、トゥルー ピーク リミッターを備えた曲固有のリミッター設定。
- ロック機能- プリセットを切り替えるときに個々のモジュール設定を固定し、お気に入りの調整をそのまま維持します。
- クイックスタート ワークフロー- 最終プラグインとしてロードし、トラックの最も大きなセクションを分析して、数秒で完璧なプリセットを選択します。
その他製品概要は製品ページも併せて確認してみてください。
機能と使い方
Mastering The Mix「FASTER MASTER」はAIによるオーディオ分析と最適な設定提案機能を備えたAIマスタリングプラグインです。AIによるオーディオ分析をするプラグインはiZotope Ozoneをはじめとしてここ数年トレンドともいえるほど次々と新製品がリリースされていますが、このプラグインもその流れの中の一つと言えるかもしれません。
Mastering The MixはMIXROOMなどオーディオ分析による設定提案をするプラグインを数多くリリースしていますが、設定の提案は最適解ではなくあくまでワークフローの合理化であるというスタンスが製品リリースノートなどから読み取ることが出来ます。この製品でも「トラックを分析し、マスターの 95% を完成させる」 とあるようにAIは補助的なものであり、その後の微調整を前提としています。
まず、機能についてみていきましょう。オーディオ分析時間は20秒。他社プラグインと同様最もトラックやラウドネスの大きい箇所を分析させます。Ozoneと比較すると半分近くの分析時間の短さ。このプラグインのユニークなところはプリセットベースで、ハウス、K-Pop、ロックなどのジャンルごと、あるいは明るく、暗く、楽器などマスターのおおまかな雰囲気やキャラクターをプリセットで指定してより方向性を絞り込んで提案してくれる点。マスターとありますが、ピアノソロやオーケストラのプリセットもあります。(ピアノソロのマスターということ。)
後からプリセットを変更することもできます。これは非常に合理的な流れで設定をすることができ、Ozoneと比較してもプリセットごとの比較等、マスターのバリエーションの比較が簡単にできます。分析が終わるとEQカーブ、トランジェント、コンプレッション、ステレオイメージ、リミッターの設定が提案されます。ここからそれぞれのパラメータ設定の調整ができるようになっています。細かい内部設定などブラックボックスに入っている部分はありますが、より重要なパラメータが軒並み後から設定できるというのはちょうどよく(物足りない場合は他のプラグインの出番)小回りが利いて好印象。EQのdB幅を見てもわかるようにそれぞれのモジュールはマスタリングなどの最終調整に最適化されています。
EQカーブはEQポイントによってカーブが形成されていて、カーブを調整できるようになっている他、左上のパーセンテージを操作することでカーブのおおまかな輪郭はそのままに勾配を緩やかにできます。全体的な方向性はそのままでマイルドにしたりできるわけですね。sonible smart:EQ 4の操作性と近い印象。
コンプレッションの量を調整できます。タイト、ダイナミック、ライトという3段階の表示が設定の値ごとに表示されるのもわかりやすい。タイトにしてもがっつりコンプレッサーで潰してしまうという印象はなく非常に滑らか。表現が適切かどうかはわかりませんが、あまりコンプレッサーを理解していなくても聴覚でなんとなく設定でき、事故が起きにくい設計です。
耳で聴いてみてもアタックがつぶれてしまうというな印象がありません。
Limitは究極的にミニマルなUI。Loudなど段階別になっておりそれを選ぶだけ。Driveで歪みを調整します。注意点としてはリミッターをかけすぎると歪むので(当たり前ですが)耳できちんと聴きましょう。(最初の提案で歪みの出る設定になっていることもあるので後から設定を変えます。)
ステレオイメージャー。これは周波数帯域ごとに広がりを設定できるという簡易的なステレオイメージャーと比較するとシンプルながらも微調整がしやすくなっています。(周波数帯域のバンドが操作できないようになっている点も慣れていない方にとっては逆に余計な操作せずに済むという利点にも見えます。)高域を広げたいなあというざっくりした感覚で広げられるのでわかりやすい。
また、手持ちのWAV(MP3)などの音源を参照してEQバランスとステレオイメージを一致させることが出来ます。(いくつか試した限りにはなりますがその他のパラメータは設定されないように思われます。)お気に入りのサウンドに近づけるのにも使えます。
評価
非常にミニマルに設計されたプラグインで細かい機能を色々搭載することはせずに直感的にマスターの作成ができるように作られています。評価点としてはシンプルでありながらもそれぞれのモジュールの質が高いので簡単にラウドネスを向上させたり、こじんまりとした平坦なミックスをトランジェント操作やステレオフィールドの操作によって所謂迫力を出すことができる点にあります。特にステレオフィールドの周波数ごとの操作もAIの分析により提案してくれる点は難しい操作(うかつに操作するとオーディオの品質に関わる)のスタートポイントが与えられるので慣れない方にとってもうれしい所だと思います。プリセットの傾向から商業音楽向けに設計されていて、ロック、ヒップホップ、EDMなどラウドな雰囲気が欲しいホットなジャンルにはピッタリだと思います。細かく調整できることもあり、歪み前提で強引にラウドネスを強化することを推奨しているプラグインではありませんが、ラウドにする上では都合の良いモジュールが揃っています。逆に細かい質感の調整は他のプラグインに任せるのが良いと思います。総じて全体的にみると真新しい機能を求める人よりも安定して良い感じのトラック(このプラグインで作りこむというよりもむしろ全体的な仕上がりを一気に固めていく印象で細部は他のプラグインと連携)に手早く近づける上で優秀なプラグインだと思います。







