【Review】Thenatan「X-EIGHT 2」レビュー(808ベース音源・使い方・他製品との比較・評価)


【Review】Thenatan「X-EIGHT 2」レビュー(808ベース音源・使い方・他製品との比較・評価)

製品情報


 

優れた 808 サンプルを見つけるのは、どのプロデューサーにとっても難しい作業です。何百もの 808 を閲覧しても、何もうまくいきません。適切なローエンドを得るために複数のベースをブレンドしたりレイヤー化したりする時代はもう終わりました。 X-EIGHT 2多くのプロデューサーやビートメーカーに愛用されてきたX-Eight 808 VSTの進化および拡張版。多くの高度な機能、手術制御、サウンドと UI デザインの改善が追加されました。V2 での私たちの目標は、ローエンドのニーズをすべて満たす包括的な 808 VST を作成することでした。 X-Eight 2 とその次のレベルの機能を使用すると、タイトで強烈なパンチの効いた 808 ベースを、わずかな労力でミックスを切り抜ける無限の方法で実現できます。 






「1342 サンプル / 最も汚く、最もザラザラした 808 とサブベース」

 

X-Eight 2は、繊細で深いものから、中程度に飽和した長く重いディストーションベースまで、さまざまな長さと形式の 1342を超える808 & Kick サンプルを提供します。細部まで徹底的にこだわって作られており、808 のニーズをスピーカーから響かせることができます。はい、キック サンプル、ベース サンプル、またはまったく別のものをドロップインすることは可能です。ヘヴィでありながらスムーズなヒップホップ、フューチャーベース、そしてもちろんトラップを作るために必要なものがすべて揃っています。

X-Eight 2は純粋な808天国です🔥。

「ボタンをクリックするだけで新しいパッチを作成... BRAIN」

 

 

微妙なビブラートから激しく変調するフィルターやピッチまで、X-Eight 2 は、インスピレーションを与えるサウンドを彫刻する 808 の宝庫を生成するためのコントロール センターです。 
フィルター エンベロープ、ピッチ LFO、およびフィルター LFO は、808 を完全にアニメーション化し、新しい生き生きとしたものに成形するのに役立ちます。

 

ランダム化ボタンを使用すると、希望するサウンドを得ることができます。
これまで聞いたこととは違う 8️⃣0️⃣8️⃣ 

「808 VST のようなエフェクト / ローエンド PHAT を手に入れましょう!」
 

X-Eight 2 には、サブベースパート向けの強力なエフェクトがいくつか含まれています。
ベースと 808 のミックスや編集に必要なすべての重要なエフェクトを備えています。これらの機能を使用すると、将来チャートのトップを飾るようなベースラインを作成
できるようになります。

 
内蔵の Saturation、BitCrusher、Filters、Modulation モジュールを使用すると、サウンドにさらに粗さを加えることがさらに簡単になります。 

「1200 プリセット / ALL FIRE🔥」

 
X-Eight 2 には、808 VST から来たとは思えないような、クレイジーで奇妙な 808、ベース、ドラムのプリセットが含まれていました。パッチを適用すると、すぐに曲が聞こえるようになります。1200

の巧みに作成されたプリセットの 1 つから始めることも、ゼロから簡単にサウンドを作成することもできる X-Eight 2 はまさに魔法で、思いつく限りのすべての 808 サウンドをさまざまなトーンとピッチで提供し、自分に合った 808 を簡単に見つけることができます。ワークフローを中断することなく生産を行えます。



これらすべてを備えたX-Eight 2 は、あなたのクリエイティブなアウトプットを確実に刺激します。

モンスター プラグインには、何度も何度も使い続けられる素晴らしい機能がたくさんあると確信しています。

 


X-Eight 2の仕様:

 

  • 2 つのサンプラー、それぞれフィルター、リバース、パン、ゲイン、ドライブ、チューニングを備えています。
  • Kick サンプルを Kick Player にインポートします :)
  • 808 にノイズまたはサインのレイヤーを追加します。
  • Brain Ranodmizer デザイナー、LFO とエンベロープを使って創造力を発揮しましょう。
  • X-Eight 2 には 1342 個の Sub、Kick、Extra サンプルが含まれています。
  • 10種類のエフェクトを内蔵(ダメージ - ビットクラッシャー - フリーク - DjFilter - MonoBass - 3Band イコライザー - ビットクラッシャー - サチュレーション - Lp/Hp フィルター - ステレオワイドナー)。
  • モジュレーションシステム(ピッチLFO / フィルターLFO / フィルターエンベロープ)を内蔵。
  • グライド、ベロシティコントロール、±24トランスポーズコントロール。
  • ダッキング効果を使用して、808 とキックのクリーンなコンビネーションを実現します。
  • 高度に圧縮されたサンプル ライブラリ (X-Eight 2 はディスク上でわずか 270 MB) で、外付けハードドライブのどこにでもサンプルをインストールできます。
  • 完全にサイズ変更可能なベクター / HD インターフェイス (最大 200%、シャープかつスムーズ)
  • アニメーションでインスピレーションを得ましょう。
  • プリセットブラウザシステム。(1200のファクトリープリセットと共有可能なパッチ)
  • Mac と PC のすべてのアップデートに対応。
その他製品内容は製品ページも確認してみてください。

機能紹介



Thenatan「X-EIGHT 2」はサンプルベースの2レイヤーからなる808スタイルのベース音源。X-EIGHTのアップグレードということですが、もはやパラメータも異なり、機能拡張やUIの一新もあり、全く別物と考えても良さそうです。X-EIGHTも現在販売されています。


このように2つのレイヤーエンジンにそれぞれサンプルをロードすることが可能になっています。サンプルは計1342となっており、非常に充実しているといえますが(容量が大きそうに見えますが、非破壊圧縮形式で用意されているので240MBと非常に軽量)、このプラグインの場合それすらも素材に過ぎません。というのはそれをもとに通常のベース音源と比較しても非常に数の多いパラメータをコントロールすることによって、素材を大きく変形することが出来、通常のベースプラグインであれば骨の折れるような加工(外部エフェクトを複数必要なこともあるでしょう)をプラグイン内でデザインできるようになっています。サンプラーのようにADSRをコントロールすることが可能。リバースボタンがあるのも面白い。そしてランダムにサンプルをロードできるサンプルのランダマイズボタンというのもユニークです。


レイヤー2の鍵盤ボタンは結構重要なボタンで、入力されるピッチに従って元のサンプルをトランスポーズして鳴らすかどうか(ピッチ固定で鳴らすことが出来る選択肢があるわけです。)を選択します。これはブレンドノブで2レイヤーのバランスをコントロールする際にピッチ感をどの様に処理するのか絶妙にコントロールする上で役立ちます。Freakノブはサウンドを小刻みに振動させるような特殊なエフェクト。DJフィルターはDJスタイルのやや特殊な形状をしたハイパスローパスフィルターのようです。



モジュレーション機能もなかなか充実しており、LFOモジュレーションもフィルターやピッチにかけることも可能。


また、エフェクトコントロールも充実しており、(少しわかりにくいですが、Blend左のちいさなミキサーアイコンをクリックします。)Sub、Body、Topというパラメータによってゲイン量をそれぞれ調整できベースの鳴りをデザインすることが可能になっています。また、ベースのステレオコントロールも高周波の身に作用するHaasとコーラスを組み合わせた空間系エフェクトや、周波数以下をモノにするおなじみのモノベース処理のエフェクトなど複数のオプションが用意されています。

また、X-Eight 1由来のサンプルも用意されています。(個人的な印象だと原始的でシンプルなものが多い印象がありますが、(オーソドックスなハードウェア由来のサウンドのようなものも多い印象がありますね)前述のとおりエンジンのパラメータコントロールが豊富なこともあるので素材としては用意されているに越したことはないと思います。)




評価


808ベースプラグインは他のメーカーも無数のプラグインをリリースしていますが、機能の充実したもののひとつとして、SubLab XL(これは比較的新しい808をベースにしたベース音源です)が挙げられますので、こちらと比較しながら述べていきましょう。


まず、そもそも、サンプルベースのX-EIGHT 2とサンプルをベースとしながらも合成に重点をおいたSubLab XLというところで異なりますが、後者にはレイヤーとしてハーモニクスやサブベースといったレイヤリング機能が備わっています。これがなかなか優秀で、サウンドの微妙な質感の調整に役立ちます。(太さや輪郭、質量感等。)ありそうでない機能ともいえるので目玉の一つといえそうです。また、エフェクトも充実していますが、どちらかというとエフェクトはシンプルなものが多い印象です。(カセットエフェクト、ディストーション等、内部のエフェクトチェーン処理がわかりやすいものが多い。)便利ですが、オーソドックスともいえるかもしれません。マクロもあるのでリアルタイム操作にも相性が良いシンセサイザーといえます。一方で、Thenatan「X-EIGHT 2」はメイン画面のディストーション系のエフェクトが充実しており、Damageノブにもモードが複数備わっている等、サウンドのアグレッシブな加工に特に重点をおいているように設計コンセプトとして強く感じます。また、Sinウェーブやノイズ、ステレオコントロールも複数用意されている等、サンプルの強化を徹底的に行っていくスタイル。サンプル自体も膨大なだけでなく、非常にパワフルな素材も多いため、アンダーグラウンドなビートにも合いそうな「強いベース」が欲しい時に良さそうです。(SubLabXLは誤解を恐れずに言うならばよく耳にする優等生的な太いベースを作るのに便利。ダブステップのようなモジュレーションで破綻寸前(?)のような破天荒なベース作りはX-EIGHT 2の方がしっくりきます。明らかにこちらの方がそういった音色は作りやすいように感じます。
総じて予想以上に良い出来のベース音源だとおもいます。(ニーズは人それぞれ違うと思うので全ての人におすすめできるかどうかは置いといてここ数年の他社の競合製品と比較してみても完成度の高さがあります。)サンプルベースのベース音源というとインスタントな設計になっていることも多いですが、このプラグインはそのままつかってもよさそうな太さとボリューム感を備えた即戦力のベースサンプルがそろっている(他のベース音源のプリセットやサンプルと比較しても非常に厳選された完成度の高いベースだと思います。)だけでも便利な上にそれを出発点としてさらに狂ったベースが作れる余地が十分にあるという点において、ベースデザイナーとして非常に柔軟性があります。(なおプリセットに関しては汎用性よりもアーティストプリセットといいますか若干金属質で立体感、存在感のあるソリッドなサウンドに偏っている気もします。)開発に2年以上かけたということですが、通常のサンプルベース音源の範疇を超えた充実感は感じますね。モダンスタイルの強烈なベース作りをする際には強力なツールになるかもしれません。サンプルベースの音源としては久々の収穫でした。


セール情報

X-EIGHTからのアップグレードもできるようになっています。

X-EIGHT 2

アップグレードはこちらのストアの方式でもわかりやすいかもしれません。