【Review】Universal Audio「Moog Minimoog」レビュー(Moog Minimoog Model Dのエミュレーションプラグイン・使い方・セール情報)


【Review】Universal Audio「Moog Minimoog」レビュー(Moog Minimoog Model Dのエミュレーションプラグイン)


製品情報

間違いなくこれまでに作られた最も象徴的なシンセサイザーである Moog Minimoog Model D は、現代音楽の様相を変えました。クラフトワークからパーラメント・ファンカデリック、イエスからドクター・ドレーまで、Minimoog の太くて音楽的に表現力豊かなアナログ シンセ サウンドは、他のすべてのシンセを評価する基準となります。Moog Music と提携して Universal Audio 専用に開発された Moog Minimoog は、回路モデリング、合成、信号処理における Universal Audio の業界をリードする専門知識を使用して、オリジナルのハードウェアのあらゆるニュアンス、異常、癖を徹底的に捉えています。
人々のためのアナログシンセ

Moog Minimoog Model D は 1970 年に発表されました。当時、「シンセサイザー」という言葉は、威圧的なノブ、ケーブル、パッチ ベイで構成される巨大な壁を意味していました。ボブ・モーグと彼のチームは、すべてのミュージシャンのためのたゆまぬ表現力を備えた演奏楽器として Minimoog を設計しました。すぐに、ポータブル Minimoog は、エマーソン、レイク & パーマー、スティービー ワンダー、サン ラー、ボブ マーリーなどのアルバムに登場するようになりました。やがて、Minimoog とその未来的なサウンドによって、ジャンル全体が変革され、さらには創造されるようになりました。



比類のない職人技

Moog Music と協力して、Universal Audio の DSP エンジニア チームは、3 台のヴィンテージ Minimoogs の細心の注意を払った回路モデリングと厳格なリスニング テストを実施し、1 台の「ゴールデン ユニット」が選ばれました。カスタム ロボティクスを使用して超高精度のノブ測定を行うことで、各 Minimoog モジュールは完全に調整されました。エミュレートされ、モジュール間のカップリングとインピーダンスを忠実にキャプチャし、その結果、Bob Moog の最も有名なシンセサイザーの個性をすべて備えた、ほぼゼロのレイテンシーを備えた畏敬の念を抱かせる UAD インストゥルメントが完成しました。



創造性を刺激する信じられないほどのリアリズム

DAW で Minimoog を開くだけで、Moog の象徴的なラダー フィルターとオシレーターの紛れもないうなり声、太さ、豊かなディストーション、そして Minimoog のピッチ トラッキングの異常の詳細なモデリングからインスピレーションを受ける準備が整います。Minimoog の出力を入力にループしてさまざまな程度の歪みを与える「フィードバック」効果も忠実に再現されています。また、ミッドレンジのパンチ、ハイエンドの存在感、贅沢なローエンドを捉えることにより、Minimoog UAD インストゥルメントはオリジナルと同様に、どんなミックスにも難なく溶け込みます。



カスタム ムーグ Mod

Moog Minimoog UAD インストゥルメントには、パワー ユーザーがハードウェア ユニットで利用するカスタム MOD が多数組み込まれており、Minimoog のパレットを大幅に拡張します。切り替え可能なノートの優先順位やレガートから、サンプル アンド ホールド、追加の LFO などの機能により、Minimoog UAD インストゥルメントは、バーチャル インストゥルメントの水準を引き上げる、驚くほど詳細なエミュレーションになります。

特徴
  • クラシックな Minimoog テクスチャをほぼゼロの遅延でリアルタイムに記録します
  • モジュール間での厳密なインタラクションにより、非常にリアルで応答性の高い Minimoog サウンドを実現します
  • Moog の特徴である自己発振と極端な共鳴で別世界のサウンドを作成
  • 切り替え可能なノートの優先順位、レガート、追加の LFO などを含むカスタム Mod を活用します。

引用元:Moog Minimoog


機能紹介


Minimoog Model Dは1970年に、初のポータブルなシンセサイザーとして発売されました。オールアナログ仕様の設計は、パッチ・ケーブル不要の配線済みモジュールによる使いやすさ から大きな人気を博しました。ハービー・ハンコックなどのアーティストが使用したことでも知られています。信号や制御経路におけるノンリニア性、不完全なチューニングシステムは客観的にいうならば設計上の技術的欠点でしたが、逆説的にこれが人気を高めた要因ともなりました。



Universal Audio「Moog Minimoog」はMoog社との共同開発による公認のエミュレーションプラグイン。。モノフォニックシンセサイザーなので基本的に鳴らすのは単音です。非常に画面が整理されており、セクションごとに部屋が用意されており、それぞれのセクションのモジュレーションをかけるためのオレンジ色のスイッチが用意されているのが特徴。オレンジ スイッチは モジュレーションソースをディスティネーション(対象)につなぐためのスイッチで、ブルースイッチは オーディオソースのオン/オフを切り替えるといったように非常にシステマティックにボタンが用意されています。実機同様に3つのオシレータが用意されており、それぞれピッチと波形を選ぶことができるようになっています。ミキサー画面ではドライブ系のノブやノイズボリューム等が用意されているのですが、縦に並ぶ青色のスイッチにより、それぞれの信号のON OFFを設定することが可能。ノイズはピンクとホワイトを選択可能です。


そしてモジュレーション画面ではまずモジュレーションをかけるかどうか赤色のモジュレーションスイッチで選択します。

また、画面下には拡張機能として、ヴェロシティコントロール等様々な機能が追加されています。



評価・まとめ

まず特筆すべきは圧倒的な存在感と複雑な音色の音の良さです。重機を思わせるような轟音のサウンドでぶりぶり、びりびりと鳴るだけでなく、音のアタックからリリースまで均質的でないニュアンスがあり、生楽器を演奏しているかのような印象さえ受けます。実機特有のエミュレーションとも思われる金属質な音の変化や楽器特有のノイズもしっかりととらえられています。まさに技術的には「不完全」であった特徴を全て表現しようとしているようです。そのため、非常に重戦車的で荒っぽいサウンドです。
それぞれのモジュレーションをはじめとした処理やノイズ付与によって、複合的なサウンドが出来上がります。フィルターもまた、独特の音の変化が再現されています。アナログシンセの予測不能でアグレッシブな側面が存分に発揮されたシンセエミュレーションとも言え、実機によるところも大きいのですが、非常にシンプルな画面とわかりやすい機能が搭載されて設計されているので、シンセにさほど精通している人でなかったとしても、非常に扱いやすいシンセというところも高評価。存在感のあるベース等を作りたい人にとってはニーズをしっかり満たしてくれそうな気がします。一方、DAWによっては差があるのかは確認できていないのですが、MIDI Learnが恐らくついていないのが少し惜しいところです。もちろん設定すれば、MIDIコントロールできるわけですが、手軽さが欲しいところです。総じて、他に代替えが見つからないくらいには完成度の高さを感じます。共同開発というのは名前だけでなくクオリティにも相当の本気度が感じられます。アナログ系のモノフォニックシンセエミュレーションの中でもとりわけ優先度が高く、手元に置いておきたいエミュレーションプラグインの一つだと思います。


セール情報

セール頻度は少しずつ増えてきた印象があるので定期的にチェックするとセール中になっていたりするので確認してみてください。