【Review】Melda Production「MDrummer」レビュー(ドラム音源、機能紹介・他製品との比較など・セール情報)

【Review】Melda Production「MDrummer」レビュー(ドラム音源、機能紹介・他製品との比較など)

メーカー情報



MDrummerは、究極のドラムマシンであり、仮想ドラマーです。ドラムトラックやリアルタイムパフォーマンスをすばやく簡単にアレンジでき、可能性は無限大です...MDrummerのサウンドエンジンは、ドラムからスクラッチまで、幅広い打楽器をカバーできます。任意の数のドラムセット、各ドラムセットのドラム、各ドラムのレイヤーとエフェクト、サンプリング、合成、およびいくつかの完全にユニークなジェネレーター。アコースティックドラム、エレクトリックドラム、パーカッションやエフェクト、またはあらゆる種類の組み合わせに興味があるかどうかにかかわらず、MDrummerはそれを行うことができます。

引用元: Mdrummer


機能紹介

まず驚くのがライブラリの総容量。総容量は約88GBと他のほとんどのドラム音源を圧倒しています。また、電子音系のビートやパーカッションがデフォルトで大量に用意されているのは他のドラムライブラリにない利点。ジャズやブラシ系も網羅しています。

ライフタイムアップデートなため、今後もライブラリが拡張されていく可能性も十分にあるのです。因みにロードするとき若干(ほんの数秒ですが)時間がかかります。

キットも生ドラム系だけでなくDnBやダンスミュージックに最適化されたものがあるところもポイント。

MDrummerは、リズムが人間のやり方であるかを本当に理解しており、あなたは彼が知っているすべてのものにアクセスできます。あらゆるスタイルとあらゆる打楽器をカバーできます。MDrummerは、ポップ、ドラムンベース、ロック、リズムアンドブルース、サルサ、ジャングル、ジャズ、コンガのルンバ、11/4シグネチャーのプログレスメタルなど、想像できるあらゆるものを演奏できます。MDrummerは、新しいリズムを生成したり、複数のリズムをマージしたり、シェーカーやその他のバックグラウンドパーカッションを追加したりできます。人間化、シャッフル、ハーフ/ダブルテンポ&フィール、およびより高度な機能により、マウスを数回クリックするだけでアイデアを現実に変えることができます。

 

また、ソングエディタが大変充実しています。Intro、Break、Verse等セクションごとにリズムを組み立てていくことができます。また複数のリズムパターンを作ることができる点にも注目。ソングエディタは他のドラム音源にもついていることも多いですが、かなり使いやすい。こうしたアプローチは他のドラム音源にはない特徴といえるでしょう。

ただしBFD等のソングビルド機能と比べるとパターンを再生方法に若干癖があるので、初めて使用するときとっつきにくいかもしれません。


また、元となるサンプルに対してできることが多いのも一つの特徴。スクラッチャーやシンセサイズまでできるので、特にドラムマシンのサンプルに対してかなり音色を作りこむことが可能になっています。
 
ミキサー画面。

別々にルーティングして出力することはもちろんできます。また、MeldaProductionのエフェクトをチャンネルごとにインサートすることができます。
ループエディターはクオンタイズ(グリッド)を細かく設定できるので(網目が細かくなります)、トラップのハイハットのような細かな装飾的なビートも作れてしまうのです。


なんと奇数の連符に関しては3連8分、16分と細かく設定でき最大19連符128分音符まで。まず作れないビートはありません。

BFDは拍点にあるビートをスタッターで切り刻む仕様なので、実はMdrummerが複雑なビートを作れるのです。その他、ヴェロシティ設定はもちろん鳴らす確率の調整等もできるのでかなり優れていますね。キースイッチからドラムパターンを呼び出すことができるのも〇。


また、リズムパターンを作曲する上での便利機能も搭載されています。
Rhythm Generator機能ではジャンルごとに用意されたハイハットのMIDIパターンと音色が決定されたプリセットを選んで、Essential Beat Editor画面で作成した、ドラムスネアパターンと組み合わせることでリズムパターンを作ることができます。要はハットのリズムを聴きながらベースリズムを作ることができる(あるいはその逆)機能ですね。ベースリズムもジャンルとセクション別に分類されたプリセットからロードすることができます。
これは既存のフレーズからオリジナルのビートを作る上でとても使いやすくて面白いですね。

評価

ドラムエディタも他のDAWに準拠したようなものなので大変使いやすいですね。とにかく機能が多くページも多岐にわたっており、BFDのようにリアルさを追求するためのお手軽機能(Humanize機能)も備わっています。ただし、機能が多いので、発展的な使い方に慣れるためには少し時間がかかるかもしれません。(どの画面にどの機能があるのか把握するのに時間がかかります。)十分なサンプルもあり自由度が高いのでリアルさを追求することもできますが、どちらかというと生演奏の再現とは別のところに価値を見出して設計されているようです。いわば、ビートマシンに生ドラムとできる限りの機能を詰め込んだ感じでしょうか。生ドラムと電子ドラムを網羅した多機能ドラム音源としてのバランスの良さが魅力だと思います。複雑なリズムパターンを作ることができるのもこの音源ならではの利点といえるでしょう。

また、この手の大容量ドラム音源としては電子系のサウンドにも守備範囲を広げている点もポイント。セール中では価格が他の音源と比べて安くなる傾向があるのも良いところですね。(100ドル周辺を推移します。BFDは150-200ドル、Superior Drummerは400ドル以上)他の競合音源と肩を並べながらも役割がかぶることもなく価格も控えめ。十分すぎるスペックだと思いますね。大規模なドラム音源の中ではシンセサイズやサンプル処理、エフェクト機能に優れているのでビートのサウンドメイクをする人にももってこいです。Mdrummerのダンスミュージックやトラックメイクのアプローチに慣れている人には使いやすいドラム音源だと思いますね。



セール情報

普段のセールが50%OFFになることが多いのでそれよりも安くなっているとそこそこ珍しいセールだと思います。