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Wavelet Audio「Ashen Scoring Cello」レビュー(機能、使い勝手、他音源との比較等)

2020年10月15日木曜日

DTM製品レビュー

 

Wavelet Audio「Ashen Scoring Cello」レビュー(機能、使い勝手、他音源との比較等)


 つい最近リリースされたばかりのチェロ音源、Wavelet Audio「Ashen Scoring Cello」、トレーラ見た時点で音色のポテンシャルを感じたので導入してみました。Wavelet Audioというと8弦ギター音源「Cabal 8」を出しているメーカーでこちらもなかなか良かったのでより一層気になりました。機能、使い勝手、他音源との比較等しながらレビューしていきたいと思います。

まずはメーカーの謳っている基本情報を載せておきます。

基本情報

Ashen Scoring Celloは、不眠症と最小限のポストクラシック作曲、トレーラー音楽、そして悲惨な雰囲気のポストホラーサウンドトラックのアイデアから生まれた、親密なトーンのソロチェロライブラリです。それは非常に表現力豊かで感情的な演奏スタイルに集中しています。
ライブラリの2番目に重要な部分は、高度なパフォーマンスデザイナーです。このツールは、さまざまな状況でさまざまな目的に使用できます。たとえば、ハーモニーを作成してから、その上にある演奏可能な楽器を使用してメロディーを演奏することができます。または、作曲の基本的なリズムを完全に補完する興味深いリズミカルなパターンを生成することもできます。すべてのパフォーマンスは完全に連携しており、メロディー、ハーモニー、リズム、パーカッションなどの5つのカテゴリーに分類されます。また、ウェーブレットオーディオは一連のプリセット/スナップショットを準備し、スマートランダム化機能をプログラムしました。パフォーマンスデザイナーは、そもそもチェロ奏者全体を完全に置き換えるとは考えられていません。しかし、アレンジメントを補完するための追加として。アーティストを完全に置き換えるサウンドトイとして作成されたものではありません。

特徴
  • 12の再生可能なアーティキュレーション
  • パフォーマンスデザイナー
  • ボーナスサウンドデザイン
  • リアルなビブラートアルゴリズム
  • 真のレガート(Rebow)
  • 最大8つのラウンドロビン
  • 4つの動的レイヤー
  • 24ビット/ 48kHzロスレスNCWフォーマット
  • 数十のスナップショット


Wavelet Audio「Ashen Scoring Cello」は2つのNkiパッチが用意されております。通常のチェロヴァーチャルインストルメントとしてのチェロ音源パッチと、パフォーマンスデザイナーというフレーズを自動生成するためのパッチです。

機能


まずは通常のチェロ音源パッチから見ていきましょう。
まず特徴的なのは奏法のフラウタンド、スルポンティチェロ等の他、開放弦、トレモロ、オクターブ、さらにはクレジットカードで弾いたというマニアックなものからパーカッシブな特殊奏法までかなり充実しています。

これだけそろっていれば、困ることは稀でしょう。パーカッシブな奏法は映画音楽のエンディングでおなじみのものまで、結構充実。



また、各種奏法は紫色のキースイッチでそれぞれ変更可能。レガートON,OFFのスイッチやレガートのスピードをキースイッチで変更できます。それぞれの奏法の画面左のパラメータセットは微妙に異なるのですが、SustainのPerformance機能はかなり便利。

これは自動でヴィブラートを調整してくれる機能で、リアルに演奏することができます。もちろんもっとこだわりたいのであれば、自分でオートメーションを描くことも可能。
また、Stac Overlay機能はSustainに対し、スタッカート的なアタック感を追加する機能です。こうした簡単に微調整できる機能は助かります。総じてパラメータの利便性にも配慮しているバランスの良い音源です。


音源の特徴


サウンドの特性としては線の太い芯の通ったくっきりとした音色です。また、ポップス系や現代音楽にも合いそうな音源といえ、特殊奏法が複数用意されているのでパーカッシブな表現にも最適。激しい音楽にも最適です。

奏法がそろっているのでクラシックでも違和感なく使えますが、やはり前衛にも使えるところから映画音楽等の古典以外のジャンルで使ってあげたいところ。

クラシック系のオーケストラ音源は私もIk Multimedia「Miroslav2」等、いくつか持っていますが、「Ashen Scoring Cello」は音の幅が締まっており、非常に弦の触感が録音に出ている音源で、第一印象を言うならば、テンションの強い音楽に最適かもしれません。私的には「Vieena」より好きです。

ゆったりした音楽でも張り詰めた音楽的緊張を保つことができます。また、ベタ打ちでも自動ヴィブラート機能や反復サンプリングのおかげで、音楽的に聴こえ結構良い感じに収まるのはとってもうれしいところ。トップクラスの音源とも遜色ないポテンシャルを持っていると思います。

パフォーマンスデザイナー機能


さて、この音源にはパフォーマンスデザイナーという2つ目の機能が備わってます。これは、用意されているフレーズパターンを6トラックまでロードして演奏することができる機能です。また、6トラックのフレーズは6つのキースイッチで再生でき、同時に演奏するキースイッチも用意されています。トラック全体のプリセットも用意されています。




ループフレーズは大抵4小節なので、通常の音楽にフィットします。フレーズはメロディ、パーカッション、ハーモニー、トレモロなどカテゴリーごとにそれぞれ約数十も用意されています。結構凝ったものもあり、ベンドが多用されて複雑な演奏がリアルに収録されているのもあります。フレーズはキースイッチでトランスポーズ可能。映画音楽ならば、これを構築するだけで、とても雰囲気ある音楽ができてしまいます。




ループするという特性から、ダウンテンポのダンスミュージックにも使えます。

また、単一トラックで使うことで、ポップスのちょい足ししたいときのワンポイントフレーズ挿入や伴奏としても便利です。トラックごとのパンニングや、エフェクト追加もできます。また、トラックごとのロードするフレーズをランダマイズすることも可能です。ランダマイズの範囲(調等)を決めることもできます。



この音源に合ったらよかった機能を挙げておきます。

パフォーマンスデザイナー機能でトラックごとの異なるトランスポーズ機能があればなあと思いました。フレーズは固定キーがあるので、異なる調のフレーズをロードした際、1つの調にそろえることができないということです。復調、復旋になってしまうのでフレーズによっては合わなくなってしまいます。

もし、そろえたいなら、複数音源を立ち上げれば、問題なくトランスポーズで調を一致させることはできるのですが。映画音楽としての使用を考えて、設計されているからなのかもしれませんが、1音源内で調をそろえられたらなお良しでした。

まとめ

総じて、本格的なチェロ音源と、チェロによるテクスチュア生成という2つの機能がついているのでコスパも最高です。片方だけでも元取れそうなクオリティ。時間の限られたユーザー目線で設計されているので、非常に合理的な機能がそろっています。オーケストラ音源というと時間が有り余っている人向けの職人肌のこだわりのような音源が多い中でこの音源は現代の制作フローにフィットします。
また、現代音楽や芯の通った密度のあるチェロを求めている人には最適だと思います。Wavelet Audioの他の楽器の新作出たら欲しいです()。

イントロセールもまだやっているようなので気になる人はチェックしてみてはいかがでしょうか。



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