【Review】EVABEAT「Melody Sauce 3」レビュー(MIDIジェネレータープラグイン、機能と使い方・他社製品との比較・評価)

【Review】EVABEAT「Melody Sauce 2」レビュー(MIDIジェネレータープラグイン、機能と使い方・他社製品との比較・評価)

メーカーによる一次情報






コード進行を生成してみましょう!

メロディーだけでなく、コード進行も生成できるようになりました。9つのジャンルで約1,000種類のコード進行が可能です。コード進行は、専用の内蔵サウンドとリズムを備えた新しいコードレイヤーとベースレイヤーで再生されます。

コード進行は完全に編集可能で、コードタイプも拡張されています(Maj9、sus2、Dim7など)。140種類以上のコードとベースリズムから選択できます。

 

アップグレードされたメロディーアルゴリズム

より自然で流れるようなメロディラインを実現する、アップグレードされた生成アルゴリズム。生成されるメロディーの長さは従来の2倍(8小節)になりました。AI搭載のメロディー生成アルゴリズムが、毎回あなただけの新しいメロディーを作成し、メロディー作りの可能性を広げます。


 

真新しいUI

Melody Sauce 3 は新しいデザインとレイアウトを特徴とし、メロディーを調整できる新しいピアノロール セクションが追加されました。

 

検出機能付きMIDIコードインポート

独自の MIDI コード ファイルを Melody Sauce 3 にインポートします。MIDI コード ファイルをドラッグすると、MS3 がコードとキーを検出するので、それに合ったメロディーを作成できます。

 

新しい「ムーブメント」と「コードフィット」コントロール

メロディーがスムーズに流れるか、フレーズ間を飛び越えるかを選択します。メロディーが基となるコードにどの程度忠実に従うかを設定します。

 


新しいサウンド

メロディー、コード、ベースなど300種類以上のサウンドを収録。エフェクトもアップグレードされ、新たに「ウォブル」エフェクトも追加されました。

 

 

スタイルプリセット

Melody Sauce 3には、300種類の全く新しいスタイルのプリセットが搭載されており、すぐに新しいユニークなアイデアを生み出すことができます。新しいスタイルのランダマイザーで、インスピレーションを素早く生み出せます。

 

ツールチップ

Melody Sauce では、各コントロールを理解するのに役立つツールヒントが提供されるようになりました (英語のみ、日本語は近日中に提供されます)。

その他内容については製品ページも併せて確認してみてください。


Melody Sauce 3の概要と新機能について

Melody Sauce 3は所謂MIDIのフレーズをアルゴリズムにより生成して任意のバーチャルインストゥルメントにルーティングできるMIDIジェネレータープラグインです。内蔵音源もあるのでルーティングする前にこのプラグイン内で音を確認することもできます。
MIDIジェネレーターと一口に言っても、数理的な自動作曲プラグインからAI系のMIDIジェネレーターまで様々であり、AIといってもまた生成アルゴリズムはメーカーによって異なり、それに伴い生成されるフレーズも結構異なる印象があります。
Melody Sauce 3の特徴的な点としてはEDMやハウス、あるいは楽器ごとなどMIDIフレーズのスタイルごとに最適化された生成アルゴリズムが用意されている点。メーカーのディスクリプションによるとメロディは自動生成されるので既存のフレーズライブラリから検索しているのではないということです。
また、明るいムードと暗いムード、複雑かシンプルかといったおおざっぱな曲の雰囲気を指定し、キーや速度等フレーズの楽音的な特徴を元にMIDIメロディを生成できるMIDIジェネレータです。使い方としてはまず、Creation MODEのアルゴリズムの中から自分の必要とするプリセットを選択します。HipHop、R&Bなどジャンルごとにプルダウン形式で表示されて、さらに下の階層でベル、ストリングスなど音色スタイルごとのプリセットが用意されています。プリセットは300近くあるということでこれは他のMIDIジェネレータと比較すると頭一つ出ている印象があります。


バージョン2との違いについて比較してみていきましょう。

新機能について


  • メロディ生成 4小節→ 8小節
  • コード進行生成  約1,000の進行
  • ベースラインと伴奏
  • ピアノロールエディター
  • MIDIインポートとコード検出
  • 動きとコードフィットのコントロール
  • スタイルプリセット 300 →350
  • 内部音 約100種類→300種類以上
  • 内蔵FX 3(リバーブ、ディレイ、コーラス)→4(+ ウォブル)




まず大きな変更点としてはピアノロールの実装。ノートの移動等の生成したフレーズの操作ができるようになりました。また、マルチトラック(メロディ、コード、ベース)仕様になった点も重要な変更点。これによりメロディだけでなく、ハーモニーとリズムを同時に生成することができるようになりました。また、メロディの生成が4小節から8小節に拡大。これまではアイデア出しといった具合でしたが、より具体的な楽曲の骨格が定まった状態まで生成できるようになったと言えます。MIDIインポートはお手持ちのデータをインポートできます。
コードを自動解析するので(上手く検出されなくても後で修正もできます。)それに対してコードの伴奏をつけたり、メロディをつけたりできるわけですね。これは地味に便利な機能です。

以下Melody Saurce 3についてさらに詳しく見ていきましょう。UIが再設計されましたが、基本的な操作は共通しています。まずジャンルを選択してプリセットがある場合はプリセット(リードなど旋律の詳細)を選択した後、Light Dark Complex Simpleといった4つの曲の特徴の度合いを表したマトリックス内でどの具合の雰囲気にするのかマスを選び押すと生成したものが右側のスロットに表示されます。これがなかなか良い設計で多くのMIDIジェネレーターにありがちな一度生成したら次に生成する時に上書きされてしまうことなく、生成したものをキープしておけるわけです。生成時にキーやメロディとコードリズムの関係(タイトなリズムなど)をオプションとして指定することで思った通りのパターンの生成に近づけることが出来ます。
コード、メロディ、ベースは一画面のピアノロールに表示されますが、それぞれトラックが独立していて右下のそれぞれの項目のスイッチをOFFにするとすぐに非表示にできるので非常に使いやすい。コード進行は画面中央のコードネームを変更することで変更可能。
コードとベースはリズムを選択することですぐに伴奏フレーズやベースリズムを変更可能。トランスポーズボタンもあります。雰囲気をすぐに変えて試せるので使えます。
また、ピアノロールのメロディノートを選択してフレーズエディターを使用するとLight Dark Rhythmのように選択したフレーズを自動的にマイナーチェンジでアレンジすることが出来ます。


そして画面左端のロック機能が大変優秀。これは再生成した時でもメロディを残したままにしたり、コード進行を変えずに生成することが出来ます。

他社製品との比較・評価


前述のようにMIDIジェネレーターは非常に人気のあるプラグインジャンルで他社からも多くのプラグインがリリースされています。筆者は単なる作曲支援ではなくより大きく自動作曲という切り口からみて非常にこのジャンルに関心がありますので、多くの比較対象を用意することができましたので簡単に雑感を記します。まず、ざっくりとこの製品を他社製品と比較したうえで中立的に評価するならば、最もシンプルで使いやすくユーザビリティに配慮の行き届いた製品で、良くも悪くも安定したフレーズを供給するプラグインの一つだと思います。MIDIジェネレータというと非常に複雑に設定ができるものがあり、フレーズの細かい設定や内臓ピアノロールでフレーズを調整できる物がありますが、このプラグインは大胆にそういったものをカットしています。これは消極的なそぎ落としではなく意図的です。もちろん簡単なコード進行を設定できたりできますが、複雑なコード進行やスケールの設定などもできません。代わりに、曲の雰囲気をアルゴリズム依存で変えたりできるなど微調整がワンボタンで設定でき、非常に効果的にマイナーチェンジしてくれます。また、複雑な設定ができない分プリセットは他のジェネレータと比べて大量であり、またジャンルや楽器ごとに限定したプリセットなので必要なフレーズだけを狙って生成することができます。これがないMIDIジェネレータは結構多いです。製品の単純な良し悪しではありません。何を軸に生成するかというコンセプトの話になります。例えば、MIDIジェネレータを複数リリースしている(他の製品もありますが、割とコンセプトや設計は共通している部分が多かったりします。)W. A. ProductionのInstacomposer 2を例に挙げると6トラックの楽器ごとのアルゴリズム設定で(このプラグインにはドラムアルゴリズムもあります)生成でき、スケールや曲の雰囲気など細かな設定の選択肢が大量にある分、ルーティングに時間がかかったり、柔軟な分設定によってはあまりいけてない(?)外れのフレーズが出てきたり、ジャンルごとに最適なフレーズが出るわけではないので特化したフレーズが出てきにくいこともあります。マルチトラックでプラグイン内で全ての楽器をMIDIフレーズで構築可能というところは他の製品にはない尖った点でもあるのですが。また、プラグイン内でMIDIをいじることが可能。

LoopEngine 3はInstaComposer 2と比較するとシンプルですが、それでも設定できる機能が豊富です。また、ループするフレーズという根本的な設計上ややアルペジエーター風の循環するフレーズに強い印象があります。


ルーティングにプラグインをもう一つ使うのでルーティングが面倒かもしれません。

MIDI Madness 3は昔からあるプラグインでどちらかというとアルゴリズムでとことん条件を絞っていくといったパラメータに基づき自分の必要なフレーズを導いていくタイプのプラグインだと思われ、鳴らす音や長さなどを細かく絞り込んできます。複数のパラメータでマクロを組んだりも。




また例えば、Marionieto World「Harmony Bloom MIDI Generator」は黎明期のコンピューターミュージックの自動作曲を思わせる数学的なアプローチでMIDIを生成するので毛色が全く異なります。オリジナルスケールを含む任意のスケールに沿って数的に音の順列を並び替えて、音の間隔などを設定していきます。リアルタイムでノートの配列を変えられるという点が最高にクレイジーで音楽的なプラグイン。
ここで取り上げた中では最も創造的な設計だと感じますが、オーソドックスなキャッチーなフレーズづくりにはMelody Sauce 3の方が簡単にアプローチできるでしょう。




Melody Sauce 3は割とメロディックなラインを生成することができる印象でなんでもかんでもアルベルティバスでおなじみのアルペジオのような規則的な周期性のあるパターンを生成しがちなMIDIジェネレータ―というよりは割と音楽的(風)なものが出せるプラグインだと思います。(逆に伴奏に徹したありきたりなアルペジオが欲しい時もあると思いますが、そのあたりの生成されるフレーズの性格が楽器ごとのアルゴリズムのプリセットによってある程度分けられているのが良い設計です。他のプラグインと同様、ごく単純なものが出てくることもありますが、全体としては創作のアイデアとして許容できるものが生成されることが多いように感じます。)微調整は後からいくらでもDAWでMIDIをいじれるわけで、あえてコードのバリエーションやコードワークの機能をミニマルに割り切って設計されているのが楽曲のざっくりとした基礎的な構造を固めていく上で使いやすさを感じます。



また、上記製品と比較するとMelody Sauce 3は割とジャンルに最適化されて絞っているからなのか割と聞きなじみのあるフレーズを比較的安定して生成してくれる印象を受けました。メーカーによるとリアルタイムで全く新しいフレーズを生成しているそうですが、それぞれのアルゴリズムの縛りが厳しいからなのか、あたかも既存のMIDIフレーズのモデルがあるかのような(実際には違うようですが。)割と似たようなフレーズが安定して出てくる印象。キャッチーなものとか。悪く言えば流行りをなぞったような平凡なフレーズがやや多めともいえるかもしれませんが、即戦力ということもできるかもしれません。そのため、割と気軽に使えてそこそこのMIDIフレーズを安定供給してくれる無難なMIDIジェネレーターという評価ができると思います。実用性第一で適度に作曲家のざっくりとしたニーズにこたえてくれるといううまいバランス設計で良く落とし込んだ一定の完成度を評価したいプラグインだと思いますね。


アップデートと新機能についての評価

今回のアップデートはMelody Sauce 2のジャンル特化の良い面がピアノロールの実装やマルチトラック生成によりさらに強化されたと言えます。ピアノロールが追加実装されるとよくあるプラグインの傾向として煩雑になり操作性が悪くなる(あるいはDAWで操作する方が良い)ということが良くありますが、スイッチでメロデイ、ベース、コードの表示/再生を管理できるので非常に使いやすい。また、この手のプラグインは内蔵音源がお粗末なものが多いですが、このプラグインの場合音質と実用性の有無はともかくとして生成時にそれぞれの楽器に音色が割り振られるので少なくともスタイルの音色の特徴はしっかりと出ていてなんとなく完成した音楽のトラックが聞ける。これは生成されるフレーズの精度にも起因していると思います。他社のプラグインと比較するとフレーズの複雑さや音価などで数的に絞るのではなく、ジャンルというものに絞られているので所謂変なものが出てきにくい設計になっているからだと思います。
音楽の雰囲気をより具体的に捉えられるようになっています。インポートができるので自分で作ったコードに合わせてメロディを生成したりできるのも良いですね。ユーザーに不必要に生成パラメータの細かい調整や自由度を与えないというのが割り切っていて結果として競合プラグインの中でも
余計な機能は追加せずに、実用性が重視されているプラグインだと思います。

セール情報


リリース時のキャンペーンとして、通常販売のセールの他前のバージョン(1, 2)からのアップグレードも格安になっているのでチェックしてみてください。

Melody Saurce 2時のレビュー内容




まず、生成の際にキーなどの基本的な条件を設定します。メロディ生成の条件を設定するとパッドが点灯するのでパッドを押すとメロディバンクにパターンとして登録されます。生成したフレーズがリストのように追加されていくので次のフレーズを生成した後でも消えてしまうことがありません。後で使いたいときにすぐそれにさかのぼって使えるようになっているわけですね。様々な生成系のMIDIプラグインでありがちな上書き型(Redo Undoがあったとしても)よりも安心感があって非常に好印象な設計です。リストを消すこともできますが、慎重に。
その際にスピード、調性、ループの長さ、オクターブ、グルーブが3連符やスイング、シンコペーション、レガートなどフレーズの性格をそれぞれのスイッチを押すことでマイナーチェンジできます。メロディの雰囲気が明るい、暗い、シンプル、複雑かなども設定できます。また、画面下のコード設定画面では4つのコード進行を指定し、それぞれのメロディの性格やピッチ、フレーズの反転などを設定することによって微調整できます。コード進行は7thとディミニッシュまでと大変シンプル。ドラッグすることでコードブロックを並び替えることも可能です。

パッドを再び押すと別のフレーズが再生成されますが、前のフレーズはバンクにしっかり残っています。
作ったフレーズはバンクにリストで表示されるのでそれぞれ再生ボタンで確認することができるのですが、簡単な内蔵音源が用意されているのでこのプラグインだけで様々な音色の音を確認することができます。雰囲気確認のためのエフェクトもついています。バンクはお気に入り登録をすることでいつでもお気に入りのフレーズを探すこともできます。ざっと機能はこれだけです。大変シンプルで単純明快です。


作ったフレーズはバンクのリストからドラッグアンドドロップでMIDIファイルとしてDAWに貼り付けられます。また、DAWの音源トラックにMIDIルーティングして、リアルタイムでMIDIフレーズを送信することも可能です。

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