【Review】UVI「Falcon 3」レビュー(セミモジュラーシンセサイザー/ハイブリッドバーチャルインストルメント・機能と使い方・評価)


メーカーによる一次情報

無限のサウンド
Falcon は、オープンエンドのセミモジュラー環境で最先端のツールの広範なコレクションを提供し、夢のサウンドを作成するために必要なすべてを提供します。

熟練のプロから初心者まで、あらゆるニーズに応えられるパワフルな楽器、Falcon。様々なニーズに合わせて簡単にカスタマイズできます。新曲のためのインスピレーションあふれるサウンドを探している時でも、クリエイティブなサウンドデザインに深く取り組んでいる時でも、Falconはタスクの要求に応じて、機敏に、あるいは計算高く操作できます。

基本的なサンプルのスライスやシンセデザインから、モジュレーションされたマルチティンバーハイブリッドまで、サウンドを精密かつ繊細に探求し、驚異的なレイヤードシンセ、表現力豊かな MPE 楽器、パワフルなドラム、複雑に切り刻まれたブレイク、マルチチャンネルのサラウンドサウンド、想像力豊かなサウンドデザイン、生成シーケンス、ワイルドなエフェクトなどを作成します。

無制限の音源

Falconには、バーチャルアナログ、ウェーブテーブル、位相歪み、FM、加算、ドラム、ノイズ、フォルマント、プラック、ハーモニックレゾネーター、擦弦楽器、サンプル、ストレッチ、グラニュラーなど、幅広いシンセシスとサンプルベースのサウンド生成を提供する20種類のオシレーターが搭載されています。レイヤー、マッピング、モジュレーションなど、自在に操り、自分だけのサウンドを作り上げてください。



強力で感動的な効果

100種類以上の高品質エフェクトを内蔵し、ディレイ、リバーブ、モジュレーション、フィルター、EQ、アンプ、ディストーション、ダイナミクス、アナライザーなど、多彩なエフェクトを自在に操ることができます。エフェクトはパッチ全体にインスタンス化でき、並列使用や深みのあるモジュレーションも可能です。UVI独自のDSPにより、豊かなモジュレーションリバーブから、驚くほど精確な物理モデリングによるコンプレッサーまで、高品位なサウンドを実現します。

変調

エンベロープ、MSEG、LFO、ドランクジェネレーター、ランダムジェネレーターなどを使って、サウンドのあらゆる部分に動きとダイナミクスを加えることができます。オシレーター、エフェクト、さらにはモジュレーターまでもモジュレーション可能です。マッパーを使ってリマップやクオンタイズしたり、MIDI CC、OSC、ホストオートメーションソースの幅広いサポートを使ってフィジカルに操作することも可能です。

イベントとスクリプト

入力されたMIDI信号を操作したり、付属の豊富なスクリプトを使ってアルゴリズム的に生成したりすることで、演奏に深みを与えたり、拡張したり、モジュレーションを加えたりできます。そして、そのデータをスタジオの他の部分に送ることが可能です。プログラミングの知識は必要ありません。Luaに精通している方には、Falconの機能を拡張し、独自のプロセッサーやインストゥルメントを作成するための強力な手段を提供します。

ワークフロー

Falconのインターフェースは、全く新しいブラウザーでプリセットを探したり、サウンドの編集、インストゥルメントの作成、マルチチャンネル演奏のミキシングなど、ニーズに合わせて柔軟にカスタマイズできます。UIスナップショット、プログラムテンプレート、豊富なプリセットの実装、ツリービューなどの機能により、インスピレーションをより素早く実現できます。

望むサウンドを手に入れよう

Falcon には、世界で最も尊敬されているサウンド デザイナーによって作成された 1500 のプリセットと 500 以上のウェーブテーブルを含む膨大なファクトリー ライブラリが付属しています。これらをタップしてすぐに満足感を得たり、独自のサウンド デザインにインスピレーションを得たりできます。

Falconを購入すると、50ドル/50ユーロのバウチャーがもらえます

さらに、FalconはUVIおよびUVI Powered Instrumentsと完全に互換性があります。Falconをご購入いただくと、uvi.netでサウンドウェアまたはFalcon Expansionをご購入の際にご利用いただける50ドル/50ユーロのバウチャーが付属します。オーケストラ楽器からビンテージシンセまで、豊富な選択肢の中から、あなたのスタイルに合わせてFalconをすぐに拡張できます。

新着情報?
Falcon の最初のリリース以来、UVI はその創造性をさらに磨き上げ、拡張することに尽力してきました。研究開発に注力する一方で、ユーザーからのフィードバックにも耳を傾け、UVI は定期的に新機能、コンテンツ、最適化を追加しています。これらはすべて既存ユーザーには無料で提供されます。

再設計されたブラウザ

Falconの再設計されたブラウザで、サウンドをより速く探索しましょう。新しいインターフェースは、検索機能、お気に入り、タグ付け機能、そして洗練されたレイアウトを改善し、高速で直感的な体験を提供します。Falconでのブラウジングはかつてないほど簡単になりました。

オーディオプレビュー

Falconの新しいオーディオプレビュー機能を使えば、プリセットをロードする前に試聴できます。UVIカタログ全体のプリセットにオーディオプレビュー機能が追加され、ワー​​クフローを中断することなく、最適なサウンドを素早く見つけることができます。

プリセットタグ

UVIカタログ全体にタグを導入し、検索を効率化しました。50,000以上のプリセットに細心の注意を払ってタグ付けされたため、必要なサウンドをこれまで以上に簡単に見つけることができます。

バージョン3で追加

バージョン 3 では、VOSIM (フォルマント)、Bowed String、Harmonic Resonator を含む 3 つの新しいオシレーター、Opal、Ladder Filter、Dispersor、Harmonic Resonator FX を含む 4 つの新しいエフェクト、MIDI Out サポート、新しいスクリプト、UI スナップショット、起動画面などを含む多数のワークフローの改善、および更新およびリフレッシュされたファクトリー ライブラリが追加されています。



新しい発振器

Falcon 3には、3つの全く新しいオシレーターが搭載されています。VOSIM(ビンテージボーカルシンセへのトリビュート)は、フォルマントサウンドを作成するための2つのユニークなモードを提供します。Bowed Stringは、複数のアーティキュレーションモードを備えた仮想の弓と弦を提供します。Harmonic Resonatorは、カップリング付きの6つの調整可能なレゾネーターに信号を送るマルチレイヤーエキサイターを提供します。



新しいエフェクト

Falconに4つの新しいエフェクトが加わり、パワフルなクリエイティブな可能性が広がります。高度な物理モデリングによるオプティカルコンプレッサー「Opal」、クラシックなイーストコーストフィルターを現代風にアレンジした「Ladder Filter」、シグナルベースのレゾネーターバンクエフェクト「Harmonic Resonator」、そしてスプレッド、周波数、次数、ステージを自由に調整できる独自のトランジェントシェイパー「Dispersor」をぜひお試しください。



新しいシーケンサーとスクリプト

Falconのイベントプロセッサーは、クリエイティブなインスピレーションを掻き立てる大きなリソースです。バージョン3では、MIDI CC Smoother、Node Arp、Motion Grid、Snowflakes、改良されたMPEなど、多数の新規および改良されたスクリプトが追加されています。さらに、MIDI出力を使って外部ソフトウェアおよびハードウェア機器をコントロールできるようになりました。



新しいワークフロー機能

ワークスペースなどの新機能を使用すると、UI の状態を保存して呼び出し、カスタマイズされたビュー間をすばやく移動できるため、作業がよりスマートかつ迅速になります。また、21 個の新しいプログラム テンプレートを備えた新しいスタート画面により、ユーザーはクリエイティブ プロセスをすぐに開始できます。新しい「マッパー」エディターとタブにより、これらの強力なツールがより使いやすくなりました。さらに、読みやすさと使いやすさを微調整できるように、多数の UI の改善が行われました。

新しいプリセット

完全にリフレッシュされた Falcon Factory は、改善されたマクロ コントロールとまったく新しい UI を備えた 1,500 以上のプリセットを提供し、ライブラリ全体を強化して数十の新しいサウンドを追加します。

特徴
  • 20種類のオシレーター、100以上のエフェクト、モジュレーター、MIDIプロセッサー、およびイベント処理スクリプトをセミモジュラー環境として利用可能
  • タイムストレッチ、ピットシフト、スライス、グラニュラーを装備した先進的なサンプルエンジン
  • 減算、PM、FM、ウェーブテーブル、加算、物理モデリング、フォルマントなど、多彩かつ奥深いシンセ能力
その他詳しい内容は製品ページも併せて確認してみてください。

UVI Falcon 3とは


ここが知りたい方も多いのではないでしょうか。おそらく上記の内容を読んでもこのバーチャルインストルメントがどういったものなのかピンとこない方の方が多いかと思います。要するにシンセサイザーなのか、それともいわゆる音源なのか掴みにくいかと思います。実際のところ音響合成機能は備わっておりますが、いわゆる一般的なシンセサイザーとは設計も操作性もまるでかけ離れていると感じる人もいると思います。むしろ操作性は音源に近いかもしれません。確かにそれぞれの音源(≒プリセット)に独自のUIが用意されていて、いわゆるバーチャルインストルメントと同様にノブがついていて操作できるようになっています。そして、それぞれの音源はオシレータ、サンプラーやエフェクトなど複数のモジュールで構成されていてユーザーはそれらをいじることも追加することもできます。サンプルベースのものと合成によるものとハイブリッド音源とどれもカバーしています。ピアノ系からシンセベース、ドラム系など一通り用意されています。セミモジュラー方式とあるようにそれぞれの音源を構築する内部のモジュールを触れるわけですね。
プリセットのブラウズ画面を見てみましょう。

バージョン3でプリセットのタグ付けとデータベース構造で管理されるようになり、アクセスしやすくなりました。(画面には別売の拡張パックも一部表示されています。)
ジャンルやカテゴリーごとに絞り込みをしたり、タイトルで検索をかけることも可能。また、パックごとに検索することももちろんできます。

それぞれのプリセットごとにUIが用意されているので使い勝手としてはプリセットというよりも音源がたくさんあるという印象があります。とりあえず、プリセットを開けばUIをいじって基本的な音作りと調整ができるようになっているので音源として使いたい人にとっても親切設計になっています。プリセットの音色の傾向としては、Falcon 3のFactory Presetの他拡張パックを一通りざっくり確認した限りでは、ハードなダンスミュージックで聴かれるようなバリバリとした(?)音や太い音はしっかりありますが、Serum 1のような複雑でアグレッシブなモジュレーション系の音色は少ない印象で、むしろ商業音楽から少し離れたサウンドデザイナーによる創造的な音色や20世紀の伝統的な電子サウンド、ポップミュージックに適したオーソドックス音色や映画や劇伴を思わせるシネマティックな音色にも力が入っている印象を受けます。フィジカルモデリングシンセサウンドによる有機的な音色も網羅。ダブステップなどに使いたい勢い重視の複雑でクールな音色はそこまで多くはなく、丁寧に作られた音色が多いように感じます。ちなみにKontaktと同様に画面左に音源を複数追加できるのでマルチティンバーのように鳴らすこともできます。


さてここまでは割とわかりやすい所ですが、Editタブがあるようにこれらのプリセットは共通して、オシレーター、エフェクト、モジュレーション、アルペジエーター等のモジュールから構成されていて、それぞれ操作や新規モジュールの追加、削除することが可能。カテゴリーセクションごとにプラスマークが用意されていてモジュールを追加することが可能。


オシレータは基本的なものからハーモニクス系の最新のものまで様々な種類の中から選択することができます。また、サンプラーも用意されています。




グラニュラーエンジンも用意されています。



エフェクトはエフェクトラック方式になっていてUVI製品のThorusやDual Delayなどを含むエフェクトモジュールを自由に追加することができます。UVIのエフェクトは割と先進的なアプローチな製品があったりするので音作りの柔軟性と自由度が高く、尖ったサウンドデザインをすることも可能。また、エフェクトモジュールのプリセットが用意されているものがあるのもうれしい所。





モジュールを自由に連結させることができるので、組み合わせの可能性は無限に近いとも言えます。画面のようにそれぞれのプリセットは複雑なモジュールの組み合わせにより構成されています。
アルペジエーターもあります。


評価

非常に奥が深い製品で、完成された即戦力の音色をベースに微調整して使うといったユーザーにとっても使いやすく設計されています。また、モジュールを自在に追加したり変更することで新しい音色をデザインすることも可能。一方でモジュールの選択肢が多いということもあり、Editをマスターするには一定の慣れが必要になってくるバーチャルインストゥルメントでもあると思います。この製品の目玉機能が自由なモジュラー構築機能だと思われるのでモジュールの操作だと思われるので、Falconを最大限活用し、全ての機能をしっかり使いこなしたい人にとってはなかなかボリュームのある内容になっていると思いますね。そのため、本来初心者向けという製品とは少し違うと思いますが、それでも、すぐに完成された音にアプローチできるような設計になっているのはなかなか良く考えられていると思います。また、プリセット拡張パックでプリセットを増やして音源として使うという選択肢も視野に入るくらいには音色が良くできているものが多いと感じます。今後のアップデートも含めて期待できる製品だと思いますね。

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