メーカーによる一次情報
単一回転および反射行列を使用した複雑なステレオ音像操作を簡単に実現した強力な新しい空間ディレイプラグインをリリース。 Dual Delay Xは、リバーブ操作に似た空間処理のみならず、高度なフィードバック操作も可能で、専用のEQ/フィルター、拡散と分散コントロール、ビットとサンプルリダクションとアナログテープサチュレーションによる質感調節が可能で、クリアな効果から個性的なエフェクトまで、想像を超えた豊かなサウンド効果を可能にします。
Dual Delay Xは、リバーブで使用されるフィードバックディレイネットワークと同様のアーキテクチャを使用し、フィードバックパスの前後に拡がりと回転コントロールを備えた強力なフェイズモジュレーションエフェクトを生み出します。明解なシングルパネルのユーザーインターフェイスにより、サウンドを素早くかつ簡単に操作し、ステレオグラフとフェーズグラフによる効果の視覚化がより一層の扱いやすさを実現します。このディレイプラグインのもう一つの魅力は、フィードバックパスに様々なモジュールを装備し、高度なカスタマイズ可能なところにあります。サウンドの形成をするピークフEQ、ローカットフィルターとハイカットフィルター、フィードバックラインの拡散と分散の完全調整、個性的な質感をもたらすビットとサンプルレートリダクション、適度の歪みを与えるテープサチュレーションを装備し、DAWによるオートメーション対応で時間の経過とともに変化させることが可能です。
新しい頼れるディレイ
Dual Delay Xは、リバーブに見られるフィードバック・ディレイ・ネットワークに類似したユニタリー回転・反射マトリックスを用いた、空間ディレイへの独自のアプローチです。より長い離散エコー向けにチューニングされています。このアプローチにより、他の設計では実現できない複雑なステレオ音場操作が可能になり、驚くほど豊かなサウンドを生み出します。Dual Delay Xは、クリーンなディレイから個性豊かなエフェクトまで、ダイナミックで深くコントロール可能なフィードバックパスによって、温かみのあるアナログトーンから、クランチーなローファイ・デジタルサウンドまで、あらゆるサウンドを作り出すことができます。
ユニークなスピン
高度なパラメータ設定と複雑さを特徴とするマルチタップ設計とは対照的に、Dual Delay Xは、最小限の手間でユニークで多彩なディレイエフェクトを実現します。ユニタリー回転マトリックスに基づく設計を採用することで、Dual Delay Xは、時間経過とともにラディカルでありながら安定した音場操作を実現し、パワフルで新しいディレイエフェクトを探求できます。
強力なサウンドシェーピングツール
Dual Delay X は、位相変調に加えて、ピーク、ハイカット、ローカット、拡散、分散、デジタルグリット (ダウンサンプリングとビット深度の削減)、暖かさとドライブを備えたテープ飽和などのフィルターを含む、多数の便利なサウンドシェーピングモジュールをフィードバックパスに統合し、ディレイのトーンと特性を正確に設計できます。
素晴らしいサウンド、使いやすさ
Dual Delay Xに必要な機能はすべて、分かりやすいラベルと直感的な構造を持つ単一のパネルにまとめられています。既存のプリセットを微調整したり、独自のパッチを作成したりと、迷うことなくスムーズに操作できます。上部のステレオグラフと位相グラフは、時間経過による効果を視覚的に確認でき、下部のパラメーターはプライマリーディレイ(左)とフィードバックパス(右)に分かれています。
優れたファクトリープリセット
Dual Delay Xは、社内サウンドデザインチームが厳選したファクトリーパッチの豊富なライブラリを搭載し、箱から出してすぐに数十種類の卓越したディレイエフェクトをお楽しみいただけます。ステレオ、モノ、ショート(リバービッシュ)、モジュレーション、スペシャルエフェクトなどのカテゴリーを素早くブラウズできます。内蔵のA/Bコントロールでエフェクトの微調整やイテレーションを行い、プリセットブラウジング中にMix、Time、Feedbackといった高レベルコントロールのパラメーターロックを利用すれば、時間を節約できます。
遅延設計の新たな段階
定番エフェクトに新たな息吹を吹き込んだDual Delay Xは、驚くほど幅広い高品位かつ革新的なサウンドを、明快で直感的なインターフェースで提供します。クリーンでクラシックなピンポンサウンドから、デジタルローファイ、豊かでアナログな温かみなど、Dual Delay Xはパワフルでありながら、操作性も抜群です。
特徴
豊かな空間効果を備えた独自のステレオディレイエンジン
クリーンから個性豊かなサウンドまで、深いコントロールが可能
内蔵シェーピングツール: フィルター、拡散、テープ、グリット
リアルタイムグラフを備えたわかりやすいシングルパネルインターフェース
数十種類の高品質なファクトリープリセットを収録
A/B比較とパラメータロックによる高速ワークフロー
そして、様々な用途に応じて用意されたファクトリープリセットによって、その可能性を探るだけでなく、即座に希望の効果にアクセスできます。ステレオ、モノラル、ショート(リバーブ風)、モジュレーション、特別効果など、カテゴリー分けされた大規模なコレクションから選んで、自身のプロジェクトに合わせて調節をするだけです。そして内蔵のA/Bスイッチングで、設定を追い込んだり、パラメーターロックで主要パラメーターを固定して、プリセットサーフィンすることも可能です。
機能と使い方
Dual Delay Xは、リバーブに見られるフィードバック・ディレイ・ネットワークに類似した単一回転および反射行列に基づいて設計された空間ディレイプラグイン。これだけ聞くと難しく感じるかもしれません。ピンとこないかもしれませんが、感覚としては一般的なディレイと比較して、このプラグインの操作感はリバーブに非常に近くアナログディレイの複雑で濁りのある混沌とした響きよりも空間の反響や音源の位置やステレオフィールドの空間表現に重点がおかれた独自のディレイです。
所謂一般的なディレイとは異なりステレオフィールドの空間表現の操作ができる自然な空間のエコーを得意とするディレイといったところでしょうか。
筆者も気難しい非常にややこしそうなプラグインに感じていましたが、いざ操作すると耳を頼りに動かしていくことで意外にも障壁が大きいわけではないようにも感じます。(空間的なパラメータが多いので選択肢が多い分音作りの可能性が広くマスターしやすいシンプルな操作とは言えませんが感覚的にも覚えられる。)ディレイセクションはディレイタイム(msと拍子の選択が可能)とフィードバックとシンプルですが、どちらもL/Rのノブが付属されており、それぞれのL、Rの割合を調整することでそれぞれのチャンネルの信号を調整することができます。例えば、ディレイタイムのL/Rを0.66にすると付点になります。モジュレーションはディレイタイムをモジュレ―とすることにより時間領域のゆらぎを加えます。回転運動のローテーションとリフレクションはそれぞれフィードバックディレイのステレオフィールドの方向を指定するパラメータ。反射音がステレオでどこで鳴るかなどの位置と方向が調整できるようになっています。音の動きが面白いですが、いうまでもなく位相の干渉がありますのでパラメータ量はしっかり聴きながら調整するべきでしょう。
これは難しいことを考えずに耳で聴いて配置する方がわかりやすいかと思います。フィードバック信号のフィルターは見てそのままですので特にいうこともなし。音が四方八方に散らばる具合を調整するDiffusion(拡散)や低周波数が高周波数よりも遅延するプレートリバーブの拡散特性でおなじみの周波数を分割して拡散させるしくみを再現するDispersion(分散)パラメータもいわゆるリバーブでおなじみのパラメータ。テープサチュレーションやビットクラッシュ系のディグレードも搭載されています。また、ディレイパラメータの操作に連動して時間軸とステレオチャンネルをグラフにしたビジュアルディスプレイも反映されます。
評価
先進的な設計ということで基本的には実験的なディレイプラグインかと思っていましたが、一概にそうとも言えないかもしれません。全く聴いたことのない奇想天外でエキセントリックなサウンドというよりは空間の中でエコーに包まれる感覚が印象的で訴えかけるものがあり新鮮に聞こえるといったところ。
前述の通り、リバーブのパラメータが多くあり、空間操作や音像に干渉するパラメータが多いことから通常のディレイよりもイマーシブ(的)な要素が強いリバーブ。もちろん実験的な使用にも最適でディレイタイムやフィードバックの値を大きくすることで複雑なカオスを作ることができますが、ディレイの音像の方向や位置といった空間表現がデザインできる点は他の通常のディレイとは異なる点の一つといえるかもしれません。筆者としてはむしろディレイを控えめな値にし、反射やローテーションの方向や位置、そして拡散などの値を操作することで空間表現にこだわりつつ繊細にエコーを形作っていくことができる点により面白さを感じます。前衛的で音の主張の強いアグレッシブな使い方だけでなく細かな音を聴かせる使い方ができるところにも注目したいところ。通常だとエコーが幾重にも重なって濁りになりがちなところをステレオの操作によって上手く空間に収まるといった所もあるかもしれません。いずれにせよ混沌とした複雑なディレイの重なりであっても暴走気味に鳴らすのではなく、細かく制御できるところはやはり一定の需要があるところだと感じます。
ゆったりとしたピアノやシネマティックなギターなど美しい音の余韻を丁寧に作り上げるときにぴったりなプラグインだと思いますね。透明感のあるディレイといいますか。総じて空間表現の柔軟な設定やエコーの細かいところまでデザインできる魅力的なディレイだと思います。
セール情報
最安値は19ドルです。セール頻度は年2~3回ほどの印象。