【Review】Unfiltered Audio「Needlepoint」レビュー(アナログレコードエミュレーションプラグイン・機能と使い方・評価・セール情報)

【Review】Unfiltered Audio「Needlepoint」レビュー(アナログレコードエミュレーションプラグイン・機能と使い方・評価・セール情報)

メーカーによる一次情報

物理モデリングと驚異的なバイブレーションを備えた次世代ビニールエミュレーション
レコードの真のサウンド、そしてそれ以上

Unfiltered Audioは、レコードシミュレーションの革命とも言えるNeedlepointで、そのハードルを引き上げ(そしてトーンアームを低くしました)、レコードの再現に革命を起こします。高度な物理モデリング技術をフルプラッターに搭載し、ターンテーブル特有の温かくファジーなサウンドを深く再現します。繊細な操作で、最もリアルなレコードエミュレーションを実現することも、針を限界まで押し上げてリアルさをはるかに超えた歪みサウンドを得ることもできます。

リアリズムを高める物理モデリング

多くのレコードプラグインはレコードノイズのループサンプルを使用するのが通例ですが、Needlepointは物理モデリングを用いて驚異的なサウンドを実現しています。レコードに付着したあらゆる種類と大きさのゴミや損傷、髪の毛、ダニの付着物、傷、反りなどを合成します。これらはランダムにモデリングされるのではなく、仮想的に回転するアルゴリズムプラッター上に正確に分散配置されます。 

クラシックなビニールエフェクトとクリエイティブな次世代コントロール

エミュレーションのスピードを変えることで、Needlepointのトーンを変化させることができます。33 1/3、45、78といった従来の回転数だけでなく、ターンテーブルをDAWにテンポ同期させることも可能です。SPINDOWNボタンを使えば、レコード特有のストップ(&スタート)サウンドも作れます。WOWとFLUTTERを調整し、BROKENモードでは予測不能なループ効果やカットアップ、グリッチなフレーズを生成できます。また、グラニュラーピッチシフターを使えば、トラックのスピードを変えずにチョップアップしたバイブ効果も得られます。

パワフルで直感的、そして楽しいトーンシェーピング

Needlepointには、ノイズ、アンビエンス、レコードエフェクトに加え、バイブレーションを完璧に表現するためのプロセッサーも搭載されています。中でも注目すべきは、レコードベースのビートメイキングでよく使われる有名ハードウェアサンプラーのアルゴリズムを再現したシングルノブコンプレッサーです。レコードのプレス工程で生じるアナログ歪みまでも再現可能です。 

制御しやすい複雑な処理

見た目が美しく、驚くほど使いやすいインターフェースと、手作りのプリセットの豊富なセットを備えた Needlepoint は、繊細なタッチから大げさなタッチまで、あなたの制作に懐かしさを添え、トラックに本物のアナログ グルーヴを加えるのに役立ちます。

特徴
物理モデルによるビニールエミュレーションで、説得力のあるノスタルジックな方法でオーディオを劣化させます
クラシックとカスタムのターンテーブル速度から選択できます
WOW、FLUTTER、PITCHを連続的にコントロールしてサウンドをワープさせ、手動で簡単に自動化できます。
アナログスタイルのループ、スタッター、グリッチ効果を得るにはBROKENモードを使用します
本物のビニールの停止と開始効果を実現するスピンダウンボタン
6つの風味豊かなモードを備えたオンボードのシングルノブコンプレッサー
美しいカラースキームを選択できるカスタマイズ可能なインターフェース
繊細なトーンベンディングから激しいトーンベンディングまで、手作りのプリセットを豊富に取り揃えています。 

その他詳しい内容は製品ページも確認してみてください。

機能と使い方

Unfiltered Audio「Needlepoint」はLo-Fiエフェクトやテープエミュレーション系のプラグイン似たカテゴリーに属するアナログレコードエミュレーションプラグイン。機能がたくさんありますが、全体的な大まかな機能としてはシンプルです。画面を見るといくつかのセクションに分かれていてそれぞれバイパススイッチが用意されています。具体的にはオーディオ録音自体にLo-FiエフェクトをかけるRecordings、オーディオの歪みを操作するCompression、バチバチといったクラックルノイズを加えるDust、ホワイトノイズ系のバックグラウンドノイズを加えるノイズ、そしてレコード自体のリアルタイム操作を行うPlayback。単にエフェクトをかけるだけでなくレコードのON/OFFまでできてしまうというなかなか充実したエフェクトです。
さてそれぞれを見てみましょう。まずRecordingsではオーディオ録音の年代をAgeで操作します。仕組みとしてはフィルターです。曇った音にすることができるという。フラッターとWOWの設定をすることでオーディオに揺らぎを加えます。コンプレッションはかけると歪みを再現することができます。Dustがおもしろい。これはばちばちといったノイズを加えられるわけなのですが、大中小の大きさのノイズをそれぞれ密度(密集)とボリュームのXY平面に配置することで自在にノイズの乗り方をカスタマイズできます。これによってノイズを細かく小さくしたり、ばちばちと大きいノイズを目立たせたりできるわけですね。なかなかリアル。これが目玉の一つです。オフセットで全体的なノイズのボリュームを調整したり、配置したノイズを移動することもできます。フィルターもあり。ノイズでは様々なパターンと周波数の調整をすることで良い具合のバックグラウンドノイズを加えます。そして、プレイバックでは全体のミックス量だけでなく、テープストップでおなじみのレコードの再生停止が再現できます。ボタンをリアルタイムで押して作動ができ、ピッチの動きやスピードも調整して再現可能。Brokenでは壊れてリピートする状態を再現できます。全体のピッチシフトも再現可能。


評価

筆者はこのプラグインを大昔に購入してそのままにしていましたが、数年前に掘り出して使ってみたところ比較的安価な割には思った以上に使えるものだったので驚いた覚えがあります。なんといってもレコードノイズを細かくカスタマイズできる点が優れていて、サンプル系のノイズでは対応しきれない微妙な調整がプラグインをインサートするだけで手軽にできるのが気に入ってます。Lo-Fiにしたいもののしっくりこない時にワウやバチバチとしたノイズやバックグラウンドノイズを選択的にカスタマイズできる柔軟性が非常によいところ。また、リアルタイムプレイも可能なのでDJのようなエフェクトを加えたいときにも使うことができます。一つ指摘するとすれば、DustとNoiseはジェネレーターなのでDAWの再生を止めている間もノイズを恒常的に出しているので、必要な場合にはMix量なり、オートメーションでONにするタイミングを制御する必要があります。総じて価格以上の機能が詰まった優等生的なプラグインといえるでしょう。


セール情報

Plugin Allianceでライセンスが管理されるようになってからはセール頻度はそこそこある印象。20ドルを切ることもあるので結構安価なのも良い所です。

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