【Review】Klevgrand「Richter」レビュー(コンプレッサープラグイン・機能と使い方・コンプレッションアルゴリズムについての分析と考察・評価・セール情報と最安値)




製品情報


常識を超えたコンプレッサー


Richter は地殻構造のコンプレッサーであり、アーティファクトを最小限に抑えて強力な圧縮を実現するように設計されています。これは、クレブグランド研究所での長年にわたる実験の結果です。通常、高度に圧縮されたオーディオ信号は歪みが生じ、内部エンベロープフォロワーの設計方法が原因で、不快な「ジッパーノイズ」アーチファクトが発生することがよくあります。実験の結果、全く新しいアプローチが生まれ、トラックから完璧なサウンドを余すところなく絞り出すことができるコンプレッサーが誕生しました。肉厚なミックス、パンチの効いたドラム、スムーズで透明感のあるボーカル トラックに使用します。

 



アルゴリズムの設計により、リヒターを飼いならすための型破りなコントロールがいくつかあります。まず第一に、適用される圧縮の程度を 1 つのパラメーターで制御します。もう 1 つの (重要な) パラメーターは、内部エンベロープフォロワーがトランジェントと連続/持続サウンドにどのように反応するかを制御します。これら 2 つのパラメーターにより、Richter は非常に直感的なコンプレッサーとなり、ユーザーは必要なサウンドを素早くダイヤルインできるようになります。その上にブーストスイッチがあり、文字通り量のスパンを11までにします。そして、名前が示すように、地震レベルが発生する可能性があります。


特徴
  • 不要なアーティファクトを最小限に抑えた超強力な圧縮
  • 直感的なトランジェントと量ダイヤル
  • リアルタイムのグラフ視覚化
  • トーンコントロール
  • 3段階ブーストスイッチ
  • 入力トリムコントロール
  • メイクアップゲイン、ドライ/ウェットミックス、出力コントロール
システム要求
macOS 10.10以降(M1プロセッサ用に最適化)
Windows 7 (SP1) 以降
AU、VST、または AAX 互換の 64 ビット ホスト

その他詳しい製品内容は製品ページも併せて確認してみてください。


 Klevgrand「Richter」の機能と使い方

Klevgrand「Richter」はアーティファクトを最小限に抑えて強力な圧縮を可能にするコンプレッサープラグイン。通常のコンプレッサーとは異なるパラメータが目に入るかと思います。なんとメインパラメータは2つです。Trimは通常のインプットゲインコントロール。Amountで圧縮量をコントロールする形になっています。Transientは入力信号のサステインの特性に応じてどれくらいの感度でトランジェントを検出するかを設定します。ブーストモードはゲインのコントロールだけでなく、歪の特性も変化するようです。メイクアップゲインはおなじみ。



 Bass Trebleはそれぞれ低域と高域をもちあげるEQフィルター機能です。


入力信号とゲインリダクションは右下の波形表示にみられるようにリアルタイムでアナライザーに表示されるのでわかりやすいですね。

Klevgrand「Richter」のコンプレッションアルゴリズムに関する分析と考察

非常にパラメータが少ないですが、複合的に処理しているためパラメータがまとめられているといったところです。コンプレッションのスタイルとしてはRatioやKneeなどを調整するのではなくこのようなかたちで自動的に形状が設定されています。(ニーの傾きはおおよそ固定なのではないでしょうか。)Amount 100, Transient0が緑、Transientを100にするとピンク色の曲線になります。



また、通しただけでも周波数特性によりハイがなだらかに持ち上がるようになっているのも実は結構重要な仕組みだったりします。

評価

直感的に耳で判断して圧縮するように設計されているので、どちらかというとエンジニア向けというよりはアーティスト指向のプラグインかと思います。このプラグインの非常に面白いところは極端に圧縮しても音が破綻することない点で、キャラクターは変わるものの(大きく変わりますので誤解のないように。)ノイズになることはほとんどないのが不思議です。(さすがにAmount 100ですべての設定を多くの圧縮をするように設定すると音が不適切なものになりますが(解析してみるとこれはおそらくオーバーコンプレッションによる潰れた歪みではなく位相の歪みによる音質の変化だと考えます)、所謂一般的な歪んだ音にはなかなかなりません)おそらく平滑化などの処理なのだと思いますが、尖った音がコンプレッションによって局所的に潰された音やオーバーコンプレッションによる鈍い音ではなく、全体的なバランスの取れた滑らかな音に代わります。(この処理の特性はTechivation製品のサプレッサー系の処理と少しだけ毛色が近いように感じます。)そのため、オーバーコンプレッションをする用途で使用する場合、どちらかというとダイナミクスコントロールやレベリングのために使用するというよりはミックスのサウンドキャラクターを作っていく際に役立つコンプレッサーだと考えられ、サウンドを極端に潰して、サウンド自体の質感を変えるのに非常に役立つコンプレッサーといった印象です。所謂一般的なコンプレッサーには難しい独自の処理をしていることは明白でなかなか代替えの利かないコンプレッサーだと思いますね。

セール情報

セール頻度はさほど多くありません。最安値は57%OFF。