【Review】MODARTT「Pianoteq 8」レビュー(フィジカルモデリングピアノ音源、使い方、エディションの比較とおすすめのエディション・音源、評価、インストール方法までのわかりにくいポイントを補足、セール情報)


【Review】MODARTT「Pianoteq 8」レビュー(フィジカルモデリングピアノ音源、使い方、エディションの比較、評価、セール情報)


製品情報




Pianoteq 8は、エンジンと物理モデルにさらに多くの改良を施し、アコースティックピアノ、電子ピアノのほかにも数々の歴史的な名器、クロマチックパーカッションなど、あらゆる楽器のリアリズムと音響的な存在感を向上させています。Pianoteqでの演奏に、これまで以上の楽しさをもたらします。

Pianoteqが他のバーチャルインストゥルメントに比べて優れている点は、インストゥルメントが物理的にモデル化されているため、実際のアコースティック楽器の演奏性や複雑な挙動をシミュレートすることができる点です。サンプルを使用しないため、ファイルサイズは他のバーチャルインストゥルメントに比べてごくわずかで、最新のラップトップでの使用にも最適です。

Pianoteqでの演奏に、これまで以上の楽しさをもたらします。
バージョン8のPianoteqでは、エンジンとフィジカルモデルに多くの改良が加えられ、モーフィングとレイヤリングの機能が新たに追加されました。

その他詳しい製品内容は製品ページを確認してみてください。


MODARTT「Pianoteq 8」とは

ピアノ音源として非常に知名度のあるPianoteq。2023年にはバージョン8がリリースされました。Pianoteqはフィジカルモデリング音源というカテゴリーのピアノ音源です。これはサンプリングではなく、ピアノの鳴りを物理現象としてとらえシミュレートすることによってサウンドを合成して鳴らすというシステムを採用しています。そのため、容量は1GBにも満たない大変軽量なボリュームになっているので、非常に使いやすいといえます。一般的にはリアルなサウンドと容量の軽さという2つの利点から人気が高くなっているようです。確かに筆者はSynchron Pianoシリーズを大変評価していますが、容量は200GBを超える大容量。ロードにも少なからず時間がかかり手軽に音源を複数ロードというわけにもいきません。その点気軽に鳴らせるというPianoteqは非常に便利だというのも納得です。

ここではPianoteqについてあまり知らない人が知っておきたい基本的なポイントをまとめながら製品について考察していきます。というのもPianoteqは通常のピアノ音源とは異なるポイントが複数あり、製品の概要についてつかみにくいところがあるからです。(普段は基本的な前提知識ありきで書いていることが多いのですが、製品概要の情報だけでは客観的に考えても概要がややつかみにくいと判断したため記載しました。)



Pianoteqを導入する予定の人が製品について抑えておきたいポイント(わかりにくいポイントについて補足)

まず勘違いしやすいのはPianoteq 8はソフトウェアと音源であるインストゥルメントパック(拡張パック)が独立している点。Pianoteq 8はエンジンですので音源が必要です。そしてもちろん拡張パックだけでは起動しません。そして、Pianoteq 8自体に自由に選べる拡張パックが付属しているため、ソフトウェアを買うと次に付いてきた拡張パックをどの製品にするか選ぶわけですね。
Pianoteqというとグランドピアノを使用している人をよく見るかもしれませんが、それはあくまで音源の一つに過ぎません。そのため、純粋なグランドピアノ音源という訳ではなく、インストゥルメントパックにはエレクトリックピアノからハープ、アコースティックギター、チェンバロまで楽器は存在しています。あえてこれについて記述したのはインストールまでの過程に関わってきます。

まず、Pianoteqを新規購入する際にはインストゥルメントパックがStageは2つ、Standardは3つ、Proは4つ選べるようになっているのですが(PianoteqにはStage Standard Proの3つのエディションが用意されています)、
Pianoteqライセンスを購入して、ライセンスコードを入手した後はライセンスを公式サイトに登録した後に(アカウントがない場合は新規作成をするとコード入力指示が表示されます。)インストールする前にアカウント画面でパックを選ぶ必要が出てくるからですね。ポップアップで選択した後登録します。(確認画面が出てきますが、一度登録した後は変更できないので注意。)エディションの簡単な違いについては以下のようになっています。

エディションについて

PianoteqにはStage Standard Proの3つのエディションが用意されています。インストゥルメントパック(つまり楽器)の数が違うというのもそうなのですが、そこは小さな違いともいえ、やはり機能の違いがあるというところが重要です。ちなみにインストゥルメントパックの追加購入(音源の買い足し)や、上位グレードへのアップグレード価格も用意されているのは安心ですね。

Pianoteq 8 Stage

Pianoteq 8 Stageは、 Pianoteqのエントリーエディションであり、サウンドを細かく調整する必要のない肩に最適な製品であり、パラメータを厳選して、よりシンプルに扱えるものになっています。Pianoteq Stageは、Pianoteq StandardやPROと同じ楽器、サウンド、演奏性を備えています。スタンダード版やPRO版へのアップグレードはいつでも可能。Pianoteq Stageには、ご自身で選んでいただける拡張音源が2つ付属します。

Pianoteq 8 standard

Pianoteq 8 Standardには、ユニゾンの幅やハンマーの硬さ、弦の長さを変更するなど、サウンドを強化したり変更するためのパワフルなツールを搭載。最大5つのバーチャルマイクを楽器の周りに配置したり、外部のリバーブインパルスファイルをロードすることができます。インストゥルメントをモーフィングしたり、重ねることも可能。Pianoteq Standardには、ご自身で選んでいただける拡張音源が3つ付属します。

Pianoteq 8 PRO

Pianoteq 8 PROは、クリエイティブな作曲家や要求の厳しいスタジオエンジニアのために開発された最も先進的なバージョンです。Standardの機能に加えて、真のプロフェッショナル環境での作業に必要なすべてのツールを提供し、鍵盤上の各音ごとに30のパラメーターを調整したり、最大192 Khzのオーディオを使用したりすることができます。Pianoteq PROには、ご自身で選んでいただける拡張音源が4つ付属します。


公式サイトより

Pianoteq 8の3つのエディションの比較



詳しいエディションについてはこちらも確認してみてください。

おすすめのエディションについて

Pianoteqの最大の特徴はフィジカルモデリングということ。つまり、ピアノの機構とメカニズムを再現するわけで、ハンマーなどの硬さなど、通常のピアノでは変えられない(完成してしまっているので)素材を変えることができるというところ。そのため、そうしたEQ等の数学的なアプローチではなく、物理現象に関するパラメータでいじりたいという人はStandard以上が適しているかもしれません。またStageであっても通常のピアノ音源にはおなじみのEQ、ベロシティカーブ、リバーブユニットが用意されています。(Standardからは弦の長さ等、楽器の組み立てに関するパラメータエディットができます。)逆に言えば、そういった細かい楽器のカスタマイズが必要ない人にとってはStageで十分だと思います。Proの重要な特権としては鍵盤のそれぞれの音にたいして30種類ものパラメータコントロールが出来るということ。(Standardにも鍵盤ごとのパラメータコントロールできますが: ボリューム、デチューン、アタック エンベロープと限定されています。)これは楽器の内部で調整しないと後からエフェクトで処理するのは厳密に行うのであれば困難ですので大きなポイントです。また、192Khzにまで対応しているという点も外せません。(Standardは48Khz。)

Proのみの機能は大きくみるとこの2点。
ノートエディタ
ノート エディタは効率的に作業できるように設計されており、時間を節約し、創造性を高めます。さらに、スペクトル プロファイル エディターを使用すると、各ノートの各倍音を調整できるため、何千ものサウンドの組み合わせが得られ、独自の楽器を見つけるのに役立ちます。

強力なノート編集
Pianoteq PROは、30以上のパラメーターを音符ごとに調整できます。

  • 音量
  • デチューン
  • ダイナミクス
  • ユニゾン幅
  • ユニゾンバランス
  • 直接音の持続時間
  • ハンマーハードネスピアノ
  • ハンマー硬度メゾ
  • ハンマー硬度フォルテ
  • スペクトルプロファイル
  • ハンマーノイズ
  • ストライクポイント
  • ピックアップのシンメトリー
  • ピックアップ距離
  • インピーダンス
  • 切り落とす
  • Qファクター
  • 弦の長さ
  • 交感神経の共鳴
  • ピンチハーモニックポイント
  • デュプレックススケールレゾナンス
  • ダンパーの位置
  • ダンピング持続時間
  • ミュート
  • ダンパーノイズ
  • キーリリースノイズ
  • 開花するエネルギー
  • ブルーミングイナーシャ
  • アフタータッチ感度
  • ハンマータインノイズ



しかし、192Khzに必要性を感じない人や鍵盤ごとにカスタマイズする必要性のない人にとってはオーバースペックかもしれません。事実、Standardであっても倍音のコントロール等、弦やハンマーの物理パラメータ等、通常のピアノ音源ではそうみられないパラメータが複数ありますので、十分ボリューミーです。通常のピアノのサウンドを作る場合あまり頻繁には操作しないであろうパラメータもいくつかは見受けられるほどです。(しかしながら、マニアックになってくるとProが欲しくなります。)積極的に楽器を改造して面白くなってくるのはStandardからでしょうか。使いこなせるか心配でもアップグレードがあるとある程度安心材料になりますね。

機能紹介・使い方

エディションごとにパラメータコントロールできるものには違いがありますが、StageとStandardで最も機能に差がありますので、Standardをもとに記載していきたいと思います。ベロシティやMIDIキャリブレーション、ペダルや鍵盤のノイズ量の調整ははおなじみとして、その他ダンパーの位置等物理的な構造に手を加えるパラメータが豊富に用意されているのがPianoteqの重要な機能。ビブラート等もカスタマイズすることが出来ます。ダンピングデュレーションなどもパラメータもあるのでリリースカットピアノも簡単に。




Standard以上に搭載されている楽器の機構をいじるパラメータが非常に面白い。これは単に楽器のコンディションをコントロールするだけでなく、大胆にパラメータをいじることでシネマティックなサウンドにしたりすることもできます。例えば、強度に対してそれぞれハンマーの硬さを変えることで、サウンドを煌びやかにしたり、鈍くしたりすることもできます。倍音のdbをコントロールすることも可能。また、打点やソフトペダルのコントロールによって音色を柔らかくすることもできます。


またレゾナンスの設定をいじることによってサウンドの共鳴部分を強調したり、硬質な音にしたりすることが出来ます。

マイキングコントロールも充実しており、Standardでは5マイクの処理が可能になっています。複数のマイクの種類だけでなく、マイクのポジション、向き、(マイクをつかんで移動させたり、向きを変えます。)マイクごとのミックスバランスはしたのマトリックス上でコントロールします。またバイノーラルモードだとリスニングポイントの位置までを仮想空間のアイコンを動かすことによってコントロールすることが可能になっています。また、蓋の開け閉めの具合によってサウンドをどれくらい響かせるかもできます。正直なところこの機能だけでも充実感があります。




Pianoteq 8の新機能 モーフィングとレイヤリングの機能

筆者としては今回のアップデートで大きな可能性を感じたアップデート。これはStandard以上の機能でその名の通り、複数の音色を同時に鳴らすレイヤリング(Kontaktの複数音源ロードに近いでしょうか)や2つのモデルのパラメータモーフィングをするモーフィングモード。地味ですが、この音源の仕組みを考えればうれしいアップデートと感じる方は多いかと思います。

レイヤーの場合複数のサウンドをどんどんレイヤリングでき、ブレンドすることが出来ます。楽器が異なるものでもレイヤリングできることから可能性しかないですね。


モーフィングも同様ですが、上下のスライダ―を使用することによってサウンドをブレンドすることができます。この機能似たような楽器の音色を混ぜて微妙なニュアンスを微調整するのにも使えますが、チェンバロとピアノ、エレクトリックピアノとスチールパンといった拡張音源の音色の幅が広いこともあり、実験的な融合もできます。



評価

Pianoteq 8になってエンジンとフィジカルモデル自体にも改良が加えられたとのことで表現力がアップしたとのこと。7の時から音色に関しては良い印象を持っていたので劇的な印象の変化があったとは言いませんが、良い印象です。グランドピアノの音色の場合プリセットも充実しているので、そのまま使っても一定のリアリティを感じられる音色も多数ありよいですね。しかし、フィジカルモデリングという性質上、MIDIの打ち込みがクオリティ(ベロシティなどが設定によっては望まないニュアンスを生むことがあります)に現れることがあるので、しっかり作り込むうえではもちろん打ち込みの技術が重要です。(ざっくりMIDIをつくっても問題ない音源もありますがこの音源の場合、打ち込みの精度が低い場合それがそのまま演奏に出ることがあります。)また、プリセットによって筆者の場合低音が足りないもっと共鳴が欲しいといった注文をつけたくなることが多いので、それが内部の機構とマイキングでの録りという2つのアプローチからコントロールできるのは有能だと思いますね。Proエディションで鍵盤ごとにセッティングして職人のような楽器作りが出来る人にとってはサンプルにはできない理想のリアルな楽器が用意出来ると思います。そのような玄人的な作業をしなくともプリセットを出発点としながら少しパラメータを調整することでピアノ音源の中でも上位サウンドが得られるとは思います。(一方アプローチが異なるので単純な比較はできませんが大容量サンプル音源にはやはりデフォルトにサウンドの空気感をより感じることがあります。好みかもしれませんが。)
フィジカルモデリングというと空間表現が甘い(あるいはその機能はサードパーティーのエフェクトに回す)音源も多いのですが、Pianoteq 8はそのあたりの機能は一通りそろっているだけでなく、マイキングなポジショニングの柔軟性があるので小回りが利くのも事実。セットアップ次第ではかなり満足のいく音像やサウンドが作れる点も評価したいところだと思います。また、フィジカルモデリングのため後掛けリバーブが割としやすいかもしれませんね。コントロールリバーブは他のメーカーのものを使用するという手もありますが、マイキング設定を追い込むことによって割と完成形に近いサウンドに仕上げられるかと思います。

セール情報

セール頻度は少ないといえます。(年に1、2回あるかどうかというところ。)割引率は30%OFFを前後することが多いです。また、アップグレードや拡張音源のセールはさらに頻度が少ないかもしれませんので定期的にチェックしてみてください。

おすすめのPianoteq 8拡張音源について

こればかりは手持ちの音源をどれくらい所有しているか、どのジャンルをメインとしているかによって人それぞれですので一概に言えませんが、いくつか選定する上でじゅうようなポイントと個人的な好みを記載しておきます。筆者もそうですが、購入時にどの音源を選ぶか結構悩みます。特にある程度価値判断が出来る人は一長一短に悩むと思います。
まず、楽器の種類。グランドピアノ、アップライトピアノ、フォルテピアノ等のピリオド楽器エレクトリックピアノ、ハープ、チェンバロ、アコースティックギターまで多用ですので、どの楽器を使用するかという点。これは個人的な考えですが、アコースティック系は電子楽器系と比べて競合製品が少ないので既に他社の楽器音源をもっていたとしても優先度が高いかもしれません。(電子楽器のモデリングと比較して生楽器の物理モデリングは絶対数が少ないです。)また、パラメータコントロールをした時に電子楽器にはない独特な音響の変化が楽しめるというところもあります。次に、ピアノが色々なモデルがありますが、どのジャンルに使用するかというだけでなく、楽器自体のポピュラー度合いという点もとりわけ商業音楽では重要な観点かもしれません。
その中ではSteinway Model Dあたりはもはや王道ですので、(楽器も2モデル収録されているのでややお得?)オーソドックスです。また、後述しますが、無料音源が用意されているのでそのラインナップと被らないというのも守備範囲を広げる上では良いかもしれません。特にピリオド楽器は重要モデルが複数入っているため名前を聴いただけでテンションが上がるクリエイターさんもいるでしょうが、ジャンルによっては必要ない人にとっては必要ないかもしれません。また、音源の中にいくつか公認ライセンス製品があります。ライセンス契約(ピアノ会社からライセンスを得ている)という公認かどうかもあくまで参考程度にはなりますが一応の目安にはなりますので目を通しても損はありません。その上で筆者が独断で注目したものを挙げるとSteinway Model DとModel Bは王道として無難かもしれません。(よく聞く音色と思われるかもしれませんが。)
そして、Blüthner Model 1 、C. Bechstein Digital Grandあたりはクラシックスタイルが好みな人はチェックしても良いかもしれません。また、最近リリースされたアコースティックギターはフレットノイズをシミュレートしたり、演奏者のスタイルを選択できてカジュアルからプロのスライダーを動かすことでフレットノイズの頻度をコントロールできる等非常に便利な機能がついているので注目できます。(特にギターを弾かない人にとっては使いやすいかもしれませんね。)



また、ハープも音色ももちろん良い印象ですが、フィジカルモデリング音源としてはめずらしいので面白いことができそうな気もします。D4アップライトピアノは特段新しいという訳でもありませんが、使い勝手が良さそうなタイプの音源のような気がします。(Addictive Keysのようにリミッティングの際にノイズが持ち上がってしまうということもありません。)Ant. Petrof 275 grand pianoは筆者の好みです。

Pianoteq 8拡張音源の一覧

C. Bechstein Digital Grand for Pianoteq



C. Bechstein デジタルグランドピアノのAdd-onは、ベルリンのTeldexレコーディングスタジオにてC. Bechstein D 282コンサートグランドピアノを使用して物理モデリングされました。Bechsteinの認証を受けたPianoteqモデルは、C. Bechstein D 282の鮮やかで力強いサウンドを、さまざまな音楽ジャンルに適した豊かな色彩豊かな音色で再現します。
クロード・ドビュッシー曰く、「ピアノ音楽は、Bechsteinのためだけに書かれるべきです」
Franz Liszt、Edvard Grieg、Alexander Scriabin、Maurice Ravel、そしてBéla BartókもBechsteinピアノで作曲しました。
Bechsteinピアノは、ビートルズ、クイーン、ボブ・ディラン、エルトン・ジョンなど、数々の名盤のレコーディングでも使用されています。


Ant. Petrof 275 grand piano add-on



Ant. Petrof 275 コンサートグランドピアノは、Petrof社のフラッグシップモデルであり、世界中の数多くのコンサートホールで高く評価されています。
最高品質の素材によってもたらされる、色彩豊かでロマンティックなふくよかな音色はPetrofならではの魅力にあふれています。




Grotrian Concert Royal grand piano add-on



Grotrianのコンサートロイヤルグランドピアノは、世界でも最高のグランドピアノの1つとみなされています。その音色、演奏の仕組みと構造は、質の高さ、洗練の度合い、完璧さにおいて、最高水準を満たしています。大ホールやコンサートハウスの最後列においてもはっきりと感じられる強さを持っています。




Steingraeber E-272 grand piano add-on



Steingraeber E-272コンサートグランドピアノは、今日の市場で最も独特で傑出した楽器の一つであると多くのピアニストから高い評価を受けています。 Pianoteq 6の物理モデリングでは幅広いプリセットが用意されており、特徴的なSteingraeberサウンドを、様々な種類の音楽に合わせて鳴らしていただけます。




Harpsichords Hans Ruckers II add-on



Ruckers家によって製作されたハープシコードは、一家の楽器の音色に関する深い造詣が反映され、その優れた音質で称讃を集めました。これはバイオリンにおけるストラディバリウスに匹敵するといっても過言ではありません。Pianoteq Ruckers IIは、Matthias Griewischによって再現された実際のHans Ruckers II le Jeune (1624)ハープシコードをベースに再現されたPianoteq拡張音源です。元になった楽器の製作者はJoannes Ruckersとして知られ、Hans Ruckersの二人の息子のうち、一家の楽器制作の技術を受け継いだ一人でもあります。この音源ではオリジナルの楽器の音域をオクターブ半から6オクターブ半へ広げています。そして現実世界ではほとんど不可能ともいえる鍵盤構成、下段8’、上段8’そして4’の3段に拡張。さらにサステインペダル、バフ・ストップ・ペダルに加え、ストリングに触れる度合いを調整してミュート音やノイズの響きを作りだすバスーン・ペダルを搭載しています。



Model B grand piano



世界的な巨匠 マリア・マルタ・アルゲリッチが2014年7月9日にSteinway ハンブルグ工場にて選出し、サインを施した特別な25台のModel B-211 グランド・ピアノを再現。「パーフェクトなピアノ」と評され、Steinway の中で最も人気のBモデルを忠実に再現しています。レコーディング・スタジオや中規模会場に最適なサウンド。ピアニッシモから激しいクレッセンドまで幅広い表現が可能です。



D4 Grand Piano add-on



モデリングの完成度を高めるため、ハンブルクからSteinway Dグランドピアノを取り寄せ、リファレンスのピアノとして使われました。このピアノがフィジカル・モデリングのベースとなるキャラクターとしてシミュレートされ、新しいグランドピアノ音源D4が生まれました。Pianoteq 5のモデリング・エンジンでは、響板のモデルが改良され、そこからの音の放射には、積分方程式を使った構造分析モデルが使われています。この改良により、大幅にサウンドにリアリティーが高まりました。さらに、ノート一つ一つに対して、あたかも実際のピアノ工場で行なわれるような調律が施されています。


Kremsegg Collection 1 & 2 add-on


オーストリアのKremsegg Schloss博物館の協力により、18世紀から19世紀後半の美しい歴史的価値のあるピアノ・モデルが加わりました。クラシックの時代の音楽を表現するには、他に変わるものがない貴重なモデルです。これらの楽器はより最近の曲にも使えるでしょう。特に、19世紀後半のピアノは、現代のピアノと同じデザイン・アプローチが取られているので、ジャズなどの現代音楽を華麗に彩ります。

Kremsegg Collection 1に含まれるモデル
J. Dohnal(1795)、I. Besendorfer(1829)、S. Erard(1849)、J.B. Streicher(1852)
Kremsegg Collection 2に含まれるモデル
J. Broadwood(1796)、I. Pleyel(1835)、J. Frenzel(1841)、C. Bechstein(1899)

K2 Grand Piano add-on



Pianoteq 5のために開発された新しいGrand Piano K2は、複数のピアノから最高の要素を組み合わせた複合モデルです。このモデルに採用された211cmのキャビネットから生まれるサウンドは、暖かみと鮮やかさを絶妙なバランスで兼ね備え、K2の壮大なピアノ・サウンドの重要な要素となっています。


U4 Add-on: U4 Upright piano add-on



U4はピアノの様々なスタイルを表現可能な21のプリセットを搭載し、Pianoteqにアップライト・ピアノのキャラクターを加えます。良質なアコースティック・ピアノの美しい音色に加え、高域の調和が不完全なプリセット、Blues, Vintage, Honky Tonk, Detuned, Ruined, Bierkeller, Tacky, Wavy, Weathered, Clubなどを搭載。独特の調和が魅力的な個性豊かなモデルも収録しています。コンパクトなサイズのため小規模音楽ホール、パブ、一般家庭などに幅広く浸透しているアップライト・ピアノ。スコット・ジョップリン、ジョージ・ガーシュイン、デューク・エリントン、セロニアス・モンク、ジェリー・リー・ルイス、リトル・リチャードなど伝説的な作曲家もピアニストも、その始まりは皆、アップライト・ピアノだったのです。U4 Upright piano add-onを使用するには、Pianoteq 4以降のライセンスが必要です。



Blüthner Model 1 add-on



世界初 Blüthner(ドイツ)公認! ラフマニノフ、ブラームスに愛用されBeatles Let It Beのピアノでもある、最高峰のピアノのひとつ、Blüthner製グランド・ピアノがPianoteqのフィジカル・モデリングにより再現。Blüthner は1853年ライプチヒにて創業の名門ピアノ・メーカーで今も創業家、Blüthner家によって経営されています。Blüthner はまた、ピアノの歴史の中でアリコート方式の発明を発明したことで良く知られています。アリコート方式は共鳴のために第四の弦を使用し、音色を心地よく豊かにします。 Blüthner Model 1 add-on ではそのアリコート方式もモデリング。アリコートのセッティングをも自在に操り、理想の音色を実現します。Pianoteqのフィジカル・モデリングによりBlüthner Model 1の温かく、丸みのある音色を忠実に再現。煌く高音と力強い低音が奏でられます。優しいピアニッシモから、ダイナミックなプレイまで多彩な表現が可能です。Blüthner Model 1 add-onを使用するには、Pianoteq 4のライセンスが必要です。



Electric Pianos add-on



ローズ/ウーリッツァー・サウンドを再現するPianoteq 追加モデル。伝説的な2つのエレクトロ・アコースティック・ピアノをPianoteq で再現。「Rhody」「Wurly」と2つのモデルを用意。ハンマー、ピックアップ、共鳴板といったエレクトリック・ピアノ各部のふるまいまで再現。p/m/fそれぞれのハンマーの硬さ、ピックアップの位置なども調整可能。エレピ・サウンドには欠かせないトレモロ、リミッターといったエフェクトも内蔵しています。


Xylo add-on: Xylophone and Bass Marimba



クラシックだけでなくミニマルなフレーズを繰り返す現代音楽、映画音楽からダンス・ミュージックまで、今日の音楽でも多用されているマリンバとシロフォン。マレットによって叩かれた木製の音板の振動、金属管による共鳴用ので増幅させることで生まれる歯切れの良さと豊かな響きを両立したサウンドは、各要素の振動、共鳴現象をモデリングしたこのアドオンでも健在です。シロフォン、バス・マリンバと、2種類の木琴モデルを収録。3オクターブ半のフランス製シロフォン・モデルや5オクターブのフランス製バス・マリンバ・モデル。マレットのストライク・ポイントがランダムに変化するヒューマナイズ機能のほか、マレットの硬さ、マレット・ノイズの大きさ、ストライク・ポイントも調整が可能です。


Celeste add-on: Celesta & Glockenspiel



金属板をフェルト巻きのハンマーで叩いて音をだすチェレスタ。鉄琴のように並んだ音板を真鍮など硬いマレットで叩くグロッケンシュピール。チャイコフスキー『くるみ割り人形』、モーツァルト『魔笛』から、ヴェルヴェット・アンダーグラウンド「日曜の朝」や現代のポスト・ロック系アーティスト達まで、多くの音楽で使われている楽器をモデリング。5オクターブのドイツ製チェレスタ・モデルや4オクターブに拡張されたフランス製グロッケンシュピール・モデルを収録。マレットのストライク・ポイントがランダムに変化するヒューマナイズ機能のほか、マレットの硬さ、マレット・ノイズの大きさ、ストライク・ポイントも調整が可能です。


Hohner Collection



Electra-piano、Clavinet D6、Pianet N、Pianet Tを収録。スティーヴィー・ワンダー、コモドアーズ、ELP、レッド・ツェッペリンなど1970年代のファンク、ソウル、ロック、ディスコ、レゲエにかかせない楽器だったクラビネット。ゴム・チップのついたハンマーが弦を金床に叩きつけることで生まれる歯切れのよいサウンドはリズムを刻む大切な要素となっていました。 PianoteqにHohner Collectionを追加して、ファンキーなリフを生み出してください。ハンマーの硬さ、倍音/共鳴の量、ミュート・バー、ピックアップ・ミックスなども調整可能。実機のF0-E5を超えてC0-C6で演奏が可能です。実機では不可能なサスティン・ペダル表現も実現。ファンキーなプレイに欠かせないワウ、トレモロも搭載しています。


Rock Piano YC5 add-on



ステージ、スタジオ定番の日本製ピアノを再現するPianoteq追加モデル。ポップス、ロック・バンドのライブ、レコーディングで定番となっている日本製グランド・ピアノのモデルを追加します。YC5 Stage:ロック・バンドの中でプレイされても他の楽器に埋もれない、明るく抜けの良いモデル。YC5 Chamber: 艶がありフレーズがよく歌う音色で、ソロ演奏に映えるモデル。YC5 Studio:スタジオ・レコーディングのように強く存在感のあるモデル。


Vibes add-on



2種類のヴィブラフォンを再現する、Pianoteq 追加モデル。ムッサー、そしてベルジュローのヴィブラフォン・モデルをPianoteq に追加します。「V-M」や「V-B」など2つのモデルを用意。マレット、音板、共鳴管といったヴィブラフォン各部のふるまいをまで再現し、p/m/fそれぞれのマレットの硬さ、ピックアップの位置なども調整可能。音域は3オクターブから5オクターブの間で調整が可能です。ヴァイブと相性の良いトレモロ、リバーブといったエフェクトも内蔵。


Steelpans add-on



トリニダード・トバゴ発祥の楽器、スチールパン、スティール・ドラム、スペース・ドラム、ハンドパン、タンク・ドラムの音色を再現するPianoteqの追加モデル。Pianoteqのフィジカル・モデリングは、4オクターブの音域をカバーし、スティール・パンの個性的な音色を豊かに再現することができます。薄いスティール・パンの素材から生まれる明るく響く倍音もリアルに再現。各楽器そのものを忠実にモデリングしたプリセットと複数のバリエーションを収録しています。スペース・ドラムとハンドパンは、マレットと手で叩いたサウンドをモデリング。厚い鉄板から作られたタンク・ドラムは、3と1/2オクターブをカバーしています。


Concert Harp add-on



Salviコンサート・グランド・ハープを物理モデリング。コンサート・ハープは47弦を両手を使って演奏。各弦の減衰が長いため特別な響きを持った楽器です。弦のピッチを可変するフット・コントロールを搭載。フラジオレット、グリッサンドも演奏可能。本製品Concert Harp add-onではダイアトニック・モードも搭載し、ハープの複雑な響きを忠実に再現します。



Classical Guitar add-on





艶やかな低音と温かみのある高音が特徴のナイロンクラシックギターをモデル化。練習用ギターからルシアーギターまでを参考に、エッセンスを取り入れて精密にモデリング。さらにキーボードでギターを演奏する際の使い勝手も徹底的に追求しています。




無料音源について

MODARTT「Pianoteq 8」には購入時にデフォルトで無料音源も含まれていて、ピリオド楽器からチェンバロまで結構貴重なサウンドも用意されています。これは少し使いたいという人にとってもありがたいオプションですね。普通に販売されたとしても良いレベルの良音源も複数あります。チューブラーベルやベルも音が良く、パラメータがいじれるということもあって音の良さ以上の可能性を感じます。

Grand piano: Pleyel



1926年製のPleyelグランドピアノをフィジカルモデリングしたモデルです。Pleyelのピアノはショパンが愛用したことで有名ですが、製造者であるカミーユ・プレイエル自身も著名なピアノ奏者でした。またドビュッシー、ラヴェル、ストラヴィンスキーや、ショパンの研究で有名なアルフレッド・コルトーも、Pleyelピアノを好んで用いました。丸みや暖かみ、それに官能的な響きといった特徴を持つ音質は、ショパンが「心身の状態が良く、自分の音楽を追求したいときにはPleyelのピアノが必要だ。」と評したことでも知られています。


Grand piano: Erard


2mのハーフグランド・サイズのピアノ、Sébastien Erard(1922年製造, シリアルナンバー: 109 933)を、フィジカルモデリングによってバーチャルに再現したものです。非常に暖かく色彩豊かなサウンドが魅力的ですが、機能としては繊細なuna corda pedal(ソフトペダル)を装備しています。低音域の弦における特徴など、可能な限りオリジナルの楽器に近づけました。この楽器を愛したLisztの曲を演奏するのに適しているでしょう。

Grand piano: Bechstein


2.1mのハーフグランド・サイズのピアノ、Carl Bechstein(1896年製造, シリアルナンバー: 79 676)を、フィジカルモデリングによってバーチャルに再現したものです。強く透明感のあるサウンドは、クラシック音楽の傑作やポップミュージックの演奏の両方に向いています。オリジナルの楽器の持つキャラクターは、Bechsteinの歴史を支えてきた特別な調整方法などによって生み出されていますが、それらを忠実に再現しています。

Electro-acoustic

Electro-acoustic piano: CP-80


Yamaha CP-80(シリアルナンバー 1982)をフィジカルモデリングしたモデルです。CP-80は、ユニークなサウンドと本物のグランドピアノと同じハンマーアクションなどから、1976年から1985年くらいまでの間に非常に人気を博した機種です。Yamahaはツアーなどに持ち運びしやすく、グランドピアノの音を電気的に増幅させた機種として、CP-80を開発しました。本機は高品質と信頼性で有名となり、電気ピアノの中で「ロールスロイス」的な位置付けの機種として評価されています。

Harpsichord
Harpsichord: Grimaldi


1697年製のハープシコード・Carlo Grimaldiを、BexleyのAndrew Woodersonが2007年に復刻したものをフィジカルモデリングしたモデルです。イタリア製の小型の楽器の典型的であり、粒立ちの良いアタックと透明感のある音色は、コンティニュオ奏法(バロック音楽において、低音部の旋律に即興で和音を付加すること)に用いるのに理想的ですが、17〜18世紀のイタリア、ドイツの作曲家による独奏曲にも良く合います。2つに分かれたレジスターは個別に演奏することも、同時に演奏することもできます。

Harpsichord: Blanchet


François-Etienne Blanchetが1733年に製作したハープシコード・Château de Thoiryを、英国Frampton CotterellのAnthony Galeが復刻したものをフィジカルモデリングしたモデルです。スカルラッティ、バッハ、ヘンデルなどバロック音楽の偉大な作曲家たちの想像をかき立てた、とても繊細なサウンドを持っています。

Pianoforte
Pianoforte: Walter


Anton Walter(1752-1826)によるピアノフォルテを、フィジカルモデリングによって再現したものです。Anton Walterは著名かつ重要なウィーンの楽器職人であり、友人であるモーツァルトはAntonが作ったピアノフォルテをコンサートによく用いていました。揺るぎない品質により、ベートーベンなど多くの音楽家からの賞賛を得ました。Walter氏は、ウィーンのピアノフォルテのアクションを改善し、それによって競合製作者のピアノフォルテに比べ、よりパワフルなサウンドを得ることに成功しました。Walterのピアノフォルテは、今日では復刻モデルを製造するためにしばしば用いられています。

Pianoforte: Schŏffstoss


Anton Walter(1752-1826)によるピアノフォルテを、フィジカルモデリングによって再現したものです。Anton Walterは著名かつ重要なウィーンの楽器職人であり、友人であるモーツァルトはAntonが作ったピアノフォルテをコンサートによく用いていました。揺るぎない品質により、ベートーベンなど多くの音楽家からの賞賛を得ました。Walter氏は、ウィーンのピアノフォルテのアクションを改善し、それによって競合製作者のピアノフォルテに比べ、よりパワフルなサウンドを得ることに成功しました。Walterのピアノフォルテは、今日では復刻モデルを製造するためにしばしば用いられています。

Pianoforte: Schmidt


1790年頃にザルツブルクで製造されたピアノフォルテ、Johann Evangelist Schmidt(ドイツのHalle市、D-06018にあるHandelhaus博物館所蔵)をフィジカルモデリングによってバーチャルに再現したモデルです。このハンマーフリューゲルの改良製品は、美しく均一なサウンド、気品ある外装と低価格によって高く評価されました。

Pianoforte: Schantz


1790年頃にウィーンで製造されたピアノフォルテ、Johann Schantz(オーストリアのKremsmünster市、A-4550にあるSchloss Kremsegg博物館所蔵)をフィジカルモデリングによってバーチャルに再現したモデルです。近代のピアノに用いられているものに比べてかなり小さなハンマーと細い弦を用いており、同時代に製造された多くのフォルテピアノと同様、非常に軽量です。ベートーベンはSchantzのピアノフォルテを素晴らしく、また耐久性に優れたものとして評価し、彼の友人達に勧めたと言われています。

Pianoforte: Graf


1826年にウィーンで製造されたピアノフォルテ、Conrad Graf(オーストリアのKremsmünster市、A-4550にあるSchloss Kremsegg博物館所蔵)をフィジカルモデリングによってバーチャルに再現したモデルです。Grafのピアノフォルテは当時非常に高い評価を得ており、最も卓越した機種として、ウィーンそして帝国全域においての名声を得ました。ベートーベンが特に好んだピアノフォルテです。

Cimbalom
Cimbalom: Kovács


Cimbalomは、聖書にも記述がある、Zitherに似た古代の弦楽器プサルテリウムを祖先とする楽器です。ジプシー・オーケストラでの使用が有名ですが、19世紀には足、ペダル、ダンパーが追加され、フランツ・リストなどの貢献によりコンサート楽器としても使われるようになりました。鍵盤を押した時にダンパーが上がるピアノとは異なり、ペダルを踏まない限りダンパーが上がらない仕様なので、鍵盤を弾いだだけではすぐにダンピングされます。このPianoteq Add Onでは、1970年製のCimbalom、Balázs Kovácsを、忠実にモデリングしました。


Bells and carillons


ヨーロピアン・ベル協会所蔵のベルとカリヨンをバーチャルに再現したモデルです。キリスト教の教会においてベルが使用され始めたのは6世紀のことでした。カンパーニアのNola地方の司教、St. Paulinは教会に熱心な信者を呼ぶために青銅製の楽器を用いたという汚名を着せられています。当初、この楽器を暗示するために付けられた名称が"nola"や"campana"であったのは、以上のような理由からとされています。

Tubular bells


ベルジェロ18音チューブラーベル(コンサート・チャイム)をモデリングしたAdd-on です。チューブラーベルは長さを調整してクロマチック・スケールにチューニングされた金管にて構成された楽器です。19世紀の終わりにイングランドに初登場して以来、主要な交響楽の一角を占めています。このAdd-onでは音域が通常の1½オクターブから5オクターブに拡張された3タイプが収録されています。

Clavichord


14世紀初頭に誕生したクラヴィコードはピアノの前身であり、近代楽器クラヴィネットはクラヴィコードを電気化したものです。ルネサンスからバロック期の音楽を演奏する楽器として一般的であると同時に現代音楽の様々なスタイルでも演奏されており、オスカー・ピーターソン、キース・ジャレット、トリ・アモス、ビートルズのアルバムでもその音を聞くことができます。クラヴィコードのアクションは他の鍵盤楽器とは異なる独特なものです。ブラス、もしくは鉄製の弦をタンジェントという小型金属片によって叩き、発音します。クラヴィコードはプレイヤーがアタック、デュレーション、ヴォリューム、更には鍵盤を押す強さを変えることで生み出すヴィブラート「ベーブング」などのエフェクトまでコントロール可能で、最もミュージシャンに密接な関係といえる豊かな表現力を持つ楽器です。
このAdd-onではキーボードのアフタータッチ機能を使用してオリジナル・クラヴィコードのベーブングをシミュレート可能です。物理モデリング方式のため、このAdd-onではダブル・コーラス・バージョンも収録、更には88鍵に拡張されています。また、このクラヴィコード・モデルはBjörkのアルバムでクラヴィコードを演奏しているプロデューサーGuy Sigsworthによるテストを経て完成しました。