【Review】iZotope「Neutron 4」レビュー(AI搭載ミックスプラグイン・使い方・評価・最安値とセール情報)

話題になっているのでこの度導入してみました。

メーカー情報




特徴
  • 8つのプラグインのスイート: Neutron 4には、マザーシップと7つのコンポーネントを含む合計8つのプラグインが付属しています。コンポーネントプラグインを個別に使用するか、マザーシッププラグインチェーンで組み合わせてサウンドをスカルプトします
  • 新しい!瞬間をミックス: 機械学習を利用したアシスタントビューは、オーディオを再生するとすぐにリスニングを開始し、結果をパーソナライズできる参照開始点とインテリジェントコントロールセンターを作成します。これはトラックアシスタントですが、より高速で柔軟性があります。
  • 新しい!リアルタイムでリファレンスを一致させる:トーンマッチングテクノロジーを備えた新しいターゲットライブラリを使用して、トラックのトーンをサンプルまたはステムに動的に一致させます。
  • 新しい!スペースを作る:  Neutron 4の新しいマスク解除モジュールは、マスキングの問題を検出して修正し、新しいレベルの明快さを実現できるようにします。
  • 新しい!責任を持って歪ませます。またはそうでない場合: iZotopeファンのお気に入りのゴミ箱のスライスがNeutron 4に追加されました。エキサイターモジュールのゴミ箱モードでサウンドを歪ませて破壊し、新しい極限を発見できるようにします。
  • 新しい!パンチアップ:コンプレッサーの新しいパンチモードを使用してインパクトを与え、サウンドがどれだけ強く当たるかを制御および視覚化します。
  • 新しい!トーンと飼いならし:新しいトーンスライダーを使用して、Neutronのエキサイターでキャラクターのトーンを変更し、低周波数または高周波数のコンテンツに重点を調整します。新しいTameボタンを使用して、歪みやダイヤルアップ効果で破壊するときにダイナミックな表現を維持します。
  • 新しい!Compressor Moduleのサイドチェーンメータリング: サウンドを確認し、サイドチェーンのスコープを設定します。Neutronのコンプレッサーの新しいオシロスコープビューでダイナミクスを視覚化します。
  • Mix Assistant: フェーダーに触れる前に、Neutronにレベルを自動的に設定させます。個々のトラックのリレーおよびマスターのビジュアルミキサーと組み合わせて、最初からレベルを設定します。
  • Visual Mixer&iZotopeリレー:VisualMixerから直接MixAssistantを起動し、仮想空間でトラックを移動し、iZotope対応のプラグイン間通信を利用します。
  • Sculptorモジュールを使用してオーディオを強化します 。iZotopeスペクトルシェーピングを使用して、楽器のトラックを自分自身のように、または完全に他の何かのように聞こえるようにします。
  • トーンバランスコントロール:何万ものプロのミックスに基づいてバランスの取れたレベルを形成するためにミックスしながら計測します。
  • 7.1 オーディオポストまたはサラウンドミュージックミックスのプロフェッショナルで軽量な処理のための、7つのモジュールすべてでのサラウンドサウンドのサポートとゼロレイテンシーモード。
  • 美しくスムーズな視覚化とサイズ変更可能なインターフェースにより、一歩踏み込んで制御することができます。
  • パフォーマンスの向上:  Neutronは、Appleシリコンネイティブ(M1、M1 Pro、M1 Max)チップと互換性があり、処理が高速化されています。
引用元:Neutron 4

エディションについて

まず、エディションに変更があります。これまで、Elements/Standard/Advancedの3エディションであったものがNeutron 4 Element/Neutron 4の2エディションになったことです。中間的なエディションが廃止されたということでしょうか。

新機能

様々な新機能が追加されましたが、その中でも特に突出した機能についてみていきましょう。

UnmaskModule

Neutron 4は、マスキングの問題を検出して修正し、新しいレベルの明快さを実現できるようにします。新しいUnmaskModuleは、2つの競合するトラックの間にスペースを作り、ベースとキックのバランスをとったり、ミックス全体にボーカルを輝かせたりします。DAWのトラックまたはバスからマスクを解除し、最適なバランスになるようにレベルを調整します。泥だらけのミックスを数秒でセットアップして修正するのは簡単です。
これまでNeutronをインサートしているトラック同士のマスキングを表示する機能はありましたが、Neutronを挿す必要がありました。今回のアップデートにより、オーディオ信号をサイドチェーンにより受け取ることができるようになりました。また、マスキングを表示するだけでなく、自動的にマスキングを除去してくれます。基本的に自動検出ですので、その後適応する量を指定する形となります。操作としてはsonible「smart: EQ」等に近いかと思います。入力量や感度、アタックリリースを調整できます。もちろんマスキング検出機能は健在です。
シンプルでとても使い勝手が良いかと思いますね。ただしSensitivityの加減でミックスが破綻してしまうので耳が必要です。後ミックスに慣れている人の中では通常のマスキングメータのみで十分という人がいるかもしれません。いずれにしても選択肢の一つとして大変便利な機能であることは間違いありません。



また、Tone Match機能はなかなか便利。これは楽器ごとのプロファイルが用意されており、それに合わせた音にEQを合わせてくれる自動機能。これはsonible「smart: EQ」にも搭載されている機能ですね。しかし、それに加えて自前のサンプルをロードしてそののプロファイルに合わせて音を似せてくれる機能が備わっています。これはかなり便利。しかも、ありがたいことに画面のように複数ロードして比較することもできます。

確認したところ、合わせてくれるのは周波数帯域に関するデータのようで、Punch Distort、Widthのパラメータに関しては検出するわけではなさそうです。これも似せてくれたら面白いかなと思うので今後に期待。
Punchモードではその名の通りサウンドのパンチを調整してくれる機能。ステレオイメージを調整できるWidthがシンプルながらミックスの際に大変重要なところかと思うので、プラグイン内で完結できるのは大変便利ですね。

Trashモード

ファンのお気に入りのTrashの一部がNeutron4に追加されました。ゴミ箱モードでサウンドを歪ませて破壊すると、さまざまなテクスチャをブレンドして新しい極限を発見できます。新しいトーンスライダーでキャラクターをキュレートし、奇妙でワイルドな境界線を探索します。破壊するときにダイナミックな表現を維持するために、Tameボタンで責任を持って歪ませます。


ディストーションプラグインであるTrashの機能が追加されました。Trashを使えば済む話かと思えばそうでもなく、ちょっとした処理がすぐにできるのはありがたい。XYパッドで処理できるので、シンプルで使いやすいですね。またエキサイターに搭載されたToneスライダーはどの周波数に適応させるか選択できます。ハイハットをシャリシャリさせたりと音の質感を整えるのにかなり役立ちます。

評価

これまでのNeutronからさらに自動化機能と検出機能が強化され、そしてサウンドキャラクターに対する処理ができるようになりました。音の幅やパンチやディストーション・サチュレーションをNeutron内で完結できるようになったので、これ一つでミックスをほぼ完成まで導くこともできるようになったといえます。アナログ系のエミュレーション機能などは十分に備わっていないですが、デジタルでできるMix処理ははほぼ網羅的に備わってきたのではないでしょうか。
また、マスキングの処理が苦手な人や、マスキングを手早く解消してよいミックスにたどり着きたい人にとってはありがたい機能であると思います。マスキング処理はほかのプラグインでも備わっていますが、総合的なミックス処理を網羅的に処理できるのはやはりこれが唯一のプラグインであると思います。また、既存のサンプルのプロファイルを元にEQを合わせてくれる機能はなかなか便利。Ozoneのレファレンス機能のステム版といったところでしょうか。ある程度ミックスができる人にとっては機能がなくてもミックスはできるかと思いますが、逆にそういったユーザーほど今までの端折ることのできる処理が時短でできるメリットを実感できる製品かなと思いますね。


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