【Review】LANDR「LANDR Mastering Plugin」レビュー(AIによるリアルタイムマスタリングプラグイン・機能と使い方・評価・最安値とセール情報)

【Review】「LANDR Mastering Plugin」レビュー(AIによるリアルタイムマスタリングプラグイン・機能と使い方・評価)


製品情報

10 年にわたる AI イノベーションがあなたの DAW に登場
LANDR マスタリング プラグインを使用すると、DAW で作業しながら、ワークフローを中断することなく修正を加えながら、プロレベルの高速 AI マスターを作成できます。LANDR マスタリング プラグインはミックス バス上でリアルタイムで実行され、ミックスがマスターにどのような影響を与えるかを常に聞くことができます。


LANDR の AI テクノロジーがトラックを分析し、独自に考案された 3 つのプロフェッショナルなマスターを提供します。単純なプリセットを超えて、各マスターは特定のトラックに合わせてスカルプトされます。AI マスターをそのまま使用して曲をリリースすることも、マスターをさらにカスタマイズできる高度なコントロールを使用することもできます。 

EQ、コンプレッション、サチュレーション、ラウドネス、プレゼンス、ディエッサーなどの直感的なコントロールを通じて、AI を活用したマスターを改訂します。

LANDR マスタリング プラグインは、iPhone のスピーカーからヘッドフォン、PA、スタジオ モニターまで、あらゆる環境で適切に再生されるマスターを提供します。

特徴
  • 10年以上にわたるAIマスタリングテクノロジー – 実際のマスタリングエンジニアによる10年間の研究とイノベーションによって洗練されました。
  • どこでも優れたサウンド – あらゆるリスニング環境でも卓越したオーディオ品質を実現
  • パーソナライズドマスタリング – トラックのユニークな特性に適応するオーディオ処理
  • 高速 AI 分析 – より短時間で優れたマスターを作成
  • リアルタイム処理 – マスターに対するオンザフライミックス調整の効果を聞くことができます。 
  • スペクトル表示 – オリジナルトラックとマスター間の周波数変化を視覚化します。
  • マスタリング スタイル – トラックに合わせてウォーム、バランス、またはオープン マスターから選択します
  • EQ – マスターの高、中、低周波エネルギーの量を制御します。
  • COMPRESSION – トラック全体のダイナミックレンジを調整し、低レベルの要素を強調します。
  • STEREO FIELD – 幅を広げてスペースを増やすか、キック、スネア、ボーカルなどの中心要素に焦点を当てます
  • LOUDNESS – 全体的なラウドネスを制御し、LUFS メーターを使用して希望のラウドネスを目標にします
  • SATURATION – 真空管やトランスギアを使用した場合のように、より多くの倍音でトラックに厚みを与えます。
  • プレゼンス – 重要なボーカル範囲でのプレゼンスの量を制御します。
  • DE-ESSER – マスターの問題周波数をさらにターゲットにします
システム要求
マック

macOS 10.15以降
VST3、AU、AAX、64b
ファイルサイズ: 566 MB
LANDR マスタリング プラグインは、AU、AAX、VST3 プラグインをサポートする DAW と互換性があります。
ウィンドウズ

Windows 10以降(64ビット)
VST3、AU、AAX、64b
ファイルサイズ: 247 MB
LANDR マスタリング プラグインは、AU、AAX、VST3 プラグインをサポートする DAW と互換性があります。


その他の内容は製品ページも参照してみてください。

機能と使い方

LANDR Mastering PluginはLANDRによるAIベースのリアルタイムマスタリングプラグイン。まず、Masterをクリックすることでオーディオを解析します。これはミックスに変更を加えた時は再度解析をおこなうことが推奨されています。解析には結構な時間がかかります。環境によって異なるかもしれませんが、おおよそ1分かかります。Ozone 11でトラックの数や状態が影響し、負荷がかかった時のように解析中にDAWが落ちるということはありませんが、結構負荷がかかります。


解析が行われた後は最適化された設定に基づき、パラメータを操作していくことになります。(これは設計の内部に関する話にはなりますがEQの周波数特性を観測するとわかるようにEQパラメータとは別に解析された周波数特性に基づき最適化されたEQカーブが設定されてイコライジングが行われるようです。)パラメータは非常にシンプルといえます。まず楽曲の方向性を決める、Warm Blanced Openパラメータ。文字通りですね。EQはLOW Mid Highとそれぞれ独自のEQが行われるようで、Highの場合単に高域が持ち上がるだけでなく、低域や中音域が連動してEQカーブが変化するようになっています。(単純なTiltとも異なります。)このあたりがAIベースのアルゴリズムの真価といったところなのでしょうね。


ラウドネスは文字通りそのまま。(LUFS表示)ダイナミクスはコンプレッションに関わるパラメータで、コンプレッションのスピードや激しさ等のキャラクターやサチュレーションn、そしてコンプレッション量をコントロールすることができます。ステレオフィールドではステレオイメージャーとして音の幅をコントロールできますが、よくできているように感じます。非常にさりげなく自然に広がるといった印象で、音像が広がり過ぎて、ぼやけたり、ステレオ幅を狭めすぎて迫力が過度に損なわれるといったことがさほど生じないように設計されています。これだけでも使いたくなります。(モジュールがないのが惜しいところ。)ボーカル用のボーカルの存在感をコントロールするPresenceやディエッサーも用意されています。処理前と処理後の周波数アナライザーがリアルタイムで表示されるのでわかりやすさがあります。ゲインマッチも搭載。



リアルタイムということもあり、負荷が非常にかかります。(環境にもよると思いますが、Ozoneのモジュールを大量にロードした時のような負荷になります。一例では10%→50%に変わりました。)これは少し留意する必要があるポイントだと思います。

評価


Ozone 11がマスタリングプラグインとしては良く知られておりますが、それと比較した際にパラメータは非常に少なく、AIによる深層学習ベースのアルゴリズム依存が高い(Ozoneもモジュールによってはかなりアルゴリズム依存です。)プラグインです。コントロールは非常に微細であり、Ozone 11のように大きくキャラクターを変えるといった彫刻機能等、サウンドの性格を外科的に処理するような側面があるわけでもなく、文字通り、正統派のマスタリングツール。アルゴリズムの精度によるところが大きいのかもしれませんが、どのパラメータも微調整に長けており、地味ですが、無駄のない処理ができるように設計されているように感じられ技術力の高さを感じさせるプラグインだと思います。また、少ないパラメータの一つとしてボーカルプロセッサーがあるように歌のマスタリングひとつの大きなターゲットとして想定して設計されているように感じられます。このプラグインの場合、トランジェント等のオリジナルのミックスに大きなウィークポイントがある場合にそれをピンポイントで「修正」するようなプラグインではありません。むしろある程度完成されたミックスの「バランス」をさらに最適なものに整えるプラグインだと考えます。UIの構造にもみられるように周波数帯域によりフォーカスしている可能性もありますね。そのため、Ozone 11の最近の機能拡張で顕著なミクロ指向の処理とは全くコンセプトの方向性が異なるプラグインです。総じてブラックボックスには入っているため、プラグインの挙動に依存することが多いですが、この独自の処理の精度の良さが光るプラグインだと思います。


セール情報

まだセールは行われたことがないようです。2023年のブラックフライデー期間にセールが行われる可能性もありますのでチェックしてみてください。