【Review】Cinesamples「Musio 1」レビュー(1,500 を超えるバーチャルインストゥルメントへの永続的なアクセスが可能になる音源ライブラリ・機能と使い方・評価・セール情報)

【Review】Cinesamples「Musio 1」レビュー(1,500 を超えるバーチャルインストゥルメントへの永続的なアクセスが可能になる音源ライブラリ・機能と使い方・評価)



製品情報

すべての人にインスピレーションを与える
Musio は、エレガントで直感的なプラグインでクラス最高のバーチャル インストゥルメントをすべてのクリエイターが利用できるようにするために存在します。つまり、これまでで最高の音楽制作体験を提供するために存在します。すべての Cinesamples タイトルから開発されたインストゥルメント コレクションを含む多様なカタログを備えた Musio は、無限のインスピレーションを提供します。



カタログ

  • Musio には、あらゆるプロジェクト、あらゆるジャンルに対応できる、多用途かつ広範なプレミアム インストゥルメントのカタログが完全に装備されています。
  • 探していたサウンドを見つけたり、絶え間なく続く新しい楽器、ツール、機能を使ってまったく新しい作品を生み出したりできます。
  • 70 を超えるコレクションに含まれる 1,500 以上のシンフォニック、映画、現代、電子、世界の楽器から選択し、毎月新しい楽器が追加され、あなただけのアンサンブルを構築します。
  • リアルタイムで更新される新しい機器や機能にすぐにアクセスできます。
  • Musio の多様でインスピレーションを与える楽器コレクションを使用して、あらゆるジャンルで作曲をしましょう。
  • Musio ですべてのサウンドとアーティキュレーションをプレビューできます。ダウンロードは必要ありません。
  • 求める正確なサウンドを検索し、アーティキュレーション・パッチを参照する時間を節約します。
プラグインとスタンドアロン アプリ

  •  合理化された楽器固有のコントロールでパフォーマンスを洗練させます。
  • 完璧なアンサンブルを作成して保存し、次回のセッションですぐにアクセスできるようにします。
  • クリーンなワークスペースと詳細な編集のためのコントロールを非表示または表示します。
  • 各楽器の MIDI 入力およびオーディオ出力コントロールを使用してミックスを調整します。
キースイッチパッチ

演奏スタイルを瞬時に変更して、感情的で表現力豊かなパフォーマンスを実現
直感的なドラッグ アンド ドロップのキースイッチ割り当てで迅速に作業できます。
キースイッチ パッチの第 1 波には、CineStrings Pro、Voxos、Industry Brass Core、Men of the North、Hollywoodwinds が含まれます。


高度なミキシングコントロール

ステージを指揮する。楽器固有のミキシングパラメータを使用して、微妙な音色を調整します。独立したマイクチャンネルでアコースティック楽器のサウンドを洗練します。


追記:こちら現在のバージョンではまだ搭載されていないようです。(搭載予定)

新しく改良されたエフェクト

 直感的な DSP ツールを使用して、完璧な楽器トーンを作成します。高度なリバーブ コントロールを使用して、音楽にさらなる幅と深みを生み出します。まったく新しいディストーションモジュールで、ザラザラしたハーモニックキャラクターを追加します。



サウンドをプロがコントロール - 学習曲線を除く

Musio のインターフェースは、従来のサンプラーの煩雑さや不一致を取り除き、重要なサウンド形成パラメーターに簡単にアクセスできる、洗練されたモダンなデザインを実現しています。

それぞれの楽器に合わせた直感的なインターフェイスにより、サウンドを素早く調整し、完璧なトーンを簡単に調整できます。

実際に機能するシームレスなコラボレーション

プロジェクトを共有し、共同作業者が適切な楽器、プラグインのバージョン、ファイル パスをすべて備えていることを祈る時代は終わりました。

Musio を使用する共同制作者に、DAW からプロジェクト ファイルを送信すると、相手が別の OS を使用している場合でも、使用したすべてのインストゥルメントがすぐに読み込まれます。

Musio は不足しているサンプルも自動的にダウンロードするため、頭痛やダウンタイムなしで共同作業を行うことができます。

特徴
  • オーケストラ、現代音楽、エレクトロニック、ワールド ミュージック向けの Cinesamples の 70 以上のコレクションにわたる、業界で実証済みの 1,500 を超える仮想インストゥルメントへの永続的なアクセス
  • 業界で評価の高い弦楽器、金管楽器、木管楽器、パーカッション、ボーカル、シンセサイザー、シネマティック、サウンド デザイン、および世界の楽器ライブラリ
  • アプリのアップデートと新機能を永久に無料で提供
  • 2023 年にリリースされるすべての新しい機器への永久アクセス

その他詳しい製品情報は製品ページも確認してみてください。

Cinesamples「Musio 1」とは(サブスクリプションやCinesamplesによるKontaktライブラリ製品との違い)

MusioはCinesamplesによる独自のスタンドアロンアプリケーション及びKontaktではない独自のエンジンによるプラグインバージョンが用意されたバーチャルインストゥルメントコレクション。Musioは元々サブスクリプションとしてその期間の間使用できるバーチャルインストゥルメントとして用意されていたわけですが、新たにMusio 1という2023年までにリリースされる全てのインストゥルメントがパッケージされる買い切り版が用意されるようになりました。2024年の製品は含まれないのでアップグレードをすることによって追加できるとのことです。つまり、ちょうどNative IntrumentsのKompleteのようにバージョンごと(それが今のところ年度ごとということになりますが)にどんどん収録される音源が増えていくということであり、次年度になっていても所有分は通常通り使用できるのがポイント。
プラグインとスタンドアロン アプリ


  • Musio 1: これまでに作成したすべての Musio インストゥルメントに加え、2023 年にリリースするすべてのインストゥルメントに永久にアクセスできます。2024 年から、Musio 1 の所有者が最新のすべての Musio インストゥルメントを入手できるカタログ アップグレードを提供します。
  • Musio サブスクリプション:すべてのMusio インストゥルメントに 毎月または毎年アクセスできます。期間。今年以降も新しいコレクションがリリースされるたびに、購読者はそれらをすぐに読み込んで使用できます。

また、重要なことにMusio 1 とサブスクリプションには、生涯無料の新機能とアプリのアップデートが含まれています。そのため、Musio 1は次年度になると音源は追加されなくてもバーチャルインストゥルメントのエンジン自体の新機能やアップデートがおこなわれるということです。

(また、サブスクリプションは下記ストア表記によるとその都度必要な期間のライセンス買うことができるようで自動引き落としではなく安心して使用できるようです。サブスクリプションについてはこちらを参考にしてみてください。)




機能紹介・使い方

Musio 1ではプラグイン(あるいはアプリケーション)内で音源がインストールできるようになっています。(UJAMのUSynthやピアノシリーズなどと同様)そのため必要な音源だけをセレクトしてインストール(すきなロケーションに)することができます。音源は独立しているため音色ごとにダウンロードできるのでアップデートで追加されたキースイッチ付きのライブラリでも数GBとなっており、一度に大量にインストールしなくて良いというところが非常に小回りが利くといえます。Musio 1に収録されているライブラリは既にリリースされているKONTAKTライブラリと同名の製品だけでなく、Musioオリジナルのライブラリも用意されています。KONTAKTライブラリと同名の製品は同じサンプルを使用しているということです。

次に気になるのがKONTAKTライブラリとの違い。結論をいうとMusio 1とKONTAKTライブラリの同名ライブラリはサンプルは同様ですがエンジンが異なるので操作性や機能が違います。まず基本的なことを言うとKONTAKTライブラリのアーキテクチャそのものの機能(サンプルエディット等)がMusioには別エンジンを使用しているため備わっていないものが多いです。また、UIも異なるので操作できるパラメータも異なります。基本的にMusio 1はDynamicsとExpressionパラメータを中心に操作ができるようになっており、他の発音コントロール等は基本的には内部で処理されることになります。一方Kontaktライブラリの多くはより詳細なパラメータコントロールが設けられていることが多くあります。例えば、
Industry Brass Coreの場合、KONTAKTライブラリに対して、



Musio 1では下のようにこのような画面になっています。UIは全く別物。エフェクトの他はキースイッチとダイナミクス・エクスプレッションとわかりやすいシンプルなエフェクトが用意されています。全ての音源を確認したわけではありませんが、MIDIキーボードでダイナミクスを繊細にコントロールすれば、あとはライブラリ付属のパラメータコントロールによって良い感じの演奏ができるようにその他のサンプルリリースパラメータ等は内蔵でコントロールされるようです。




このようにライブラリを瞬時にロードすることができるのが特徴。

ロードしたライブラリセットを保存ができるというのも良い。


メーカーさんが挙げているポイントを掲載しておきます。
  • 合理化された楽器固有のコントロールでパフォーマンスを洗練させます。
  • 完璧なアンサンブルを作成して保存し、次回のセッションですぐにアクセスできるようにします。
  • クリーンなワークスペースと詳細な編集のためのコントロールを非表示または表示します。
  • 各楽器の MIDI 入力およびオーディオ出力コントロールを使用してミックスを調整します。



特に最近のアップデートにより一部音源のキースイッチが用意されたのも大きいです。




このようにライブラリをインストールした後はワンクリックですぐにロードできるのが便利。左側にロードしたインストゥルメントが表示されます。DAWに対して独立したMIDIルーティングも可能。検索窓が用意されているのでほしいライブラリをすぐ検索できるというのが非常に便利です。(タグはないようですがあっても良いかもですね。)



また、KONTAKTライブラリではアコースティック系のインストゥルメントが中心であるのに対し、シンセサイザーやドラムマシン等の音源も多彩に用意されているのが特徴。オーケストラ一式の他、クワイア、ピアノ系、エスニック等まさに膨大です。


Kontaktライブラリバージョンでも人気の高いピアノ音源「Piano in Blue」このようにライブラリによって操作できるパラメータが異なります。

膨大なパーカッションライブラリ。Cinepercももちろん搭載されています。楽器ごとに選択できるというのが非常に便利だと思います。




評価

評価は人によってかなり二分されることが予想され、非常に難しいと感じました。(業界で長年使用されている製品をリリースしているメーカーだけあってやや厳しめに見る必要はあります)まず、評価の基準として挙げたいのが、KONTAKTライブラリ製品との差分。
業界でも多くの作曲家によって愛用されてきたCinesamplesによるKONTAKTライブラリと同じサンプルを使用している製品もあり音質の良さが感じられるということは間違いないでしょう。しかし、やはりここで重要になるのはエンジンの違い。現状Musio 1のライブラリはサンプル再生やコントロールを(最適化され)自動化されているところが多く、KONTAKTライブラリのように細かく微調整するといった機能を持ってはいません。これは必ずしもデメリットというわけでもなく、さほど細かい厳密な調整が必要ない場面ではむしろすぐにエンジンによってコントロールされたもので音が鳴らせるというのはメリットにもなりえます。またエンジン特有の仕様によって通常のKontaktライブラリのような長時間のロードがほとんどなくライブラリのロードが瞬足というは非常に大きいメリットです。
また、ここから先のアップデートによって状況が変わってくる可能性もあるかもしれません。これはインストゥルメントによりけりですが、リアルタイムでの細かいパラメータコントロールが必要な楽器、あるいはコントロールが重要な楽器(弦楽器やブラス等)ではパラメータが簡略化されて自動化になっていることによって吉と出るか凶とでるかわかれると思います。パラメータがオートメーションされていることによってそのまま使えるというというメリットももちろんあります。エクスプレッションとピッチコントロールは用意されているものが多いため、事実、インストゥルメントの中にはお好みでそれらのパラメータをコントロールしながらそのまま使ってもさほど悪くないようなライブラリもあります。一方でソロで使用したい場合はKONTAKTライブラリの方がより追い込みが出来るといった可能性もあります。(ライブラリによってはソロだともっと細かくいじりたいということはあるかと思います。)また、多くのパラメータのリアルタイムコントロールがさほど重要ではないシーンがある鍵盤楽器やパイプオルガン等はそのまま使えるといったメリットが大きくなるかもしれません。パーカッションやハープ等はむしろすぐにロードできるという点もあり、ライブラリによってはKontaktライブラリより使いやすいというのもあるかもしれません。また、個人的にはプラグイン内で即音源をダウンロードできるのは非常に良い設計だと評価しています。

また、Cineperc等膨大なライブラリがある製品に対してはMusioでは楽器ごとにインストールできるので非常に使いやすく大きなメリットといえます。Musioオリジナルのライブラリに関しては、シンセ系に関しては(全てのライブラリをチェックしたわけではありませんが)主要シンセだけに限って述べるならば他の製品でも代替えが効くかもしれません。(軽いというところは評価に値します。あくまでサンプルライブラリです。処理の軽量化というコンセプトがあるので、大御所シンセだけでなく今後競合の少ない珍しいハードの音源を追加していったら面白そうです。)一方でオリジナルのインストゥルメントにはエスニック系や生音系にもライブラリが拡張しており、小物系の楽器がいろいろ揃うという点においてこれらに関しては膨大なライブラリといった特性を十分に発揮しており良いところ。今後期待したいのはキースイッチ対応ライブラリの拡張とエンジンの新機能のさらなる拡張ですね。これが今後のアップデートで整備されると評価はさらに上がると思います。
いずれにしても、Native Intruments KOMPLETEのライブラリとはまた違ったライブラリのラインナップなので今後のアップデートを含め十分に肩を並べるポテンシャルはあると思います。



サブスクリプションについてはこちらを参考にしてみてください。

セール情報

現在年末まで25%OFFセールを実施中です。来年度はMusio 2となるのでしょうか。(不明)いずれにしても来年度ライブラリが増える分製品の価格が上がる可能性もありますので、アップグレードで入手したい人は1のうちに入手するのもありかもしれません。