【Review】Session Loops「DrumNet」レビュー(無限のサンプル生成を備えた AI 搭載ドラムマシンプラグイン・使い方・他AIドラムサンプルジェネレーター製品との比較、無料版についての補足、セール情報)

【Review】Session Loops「DrumNet」レビュー(無限のサンプル生成を備えた AI 搭載ドラムマシンプラグイン・使い方・他AIドラムサンプルジェネレーター製品との比較、セール情報)


製品情報


無限のサンプル生成を備えた AI 搭載ドラムマシンプラグイン
ドラムネットとは

DrumNet は単なるサンプルベースのドラムマシンではありません。最先端の AI テクノロジーを使用することで、技術的な知識がなくても、あらゆる音楽ジャンルで独自のドラムサンプルを簡単に作成し、自由に変更することができます。

独自のサンプルに基づく無限のバリエーション

革新的なディープ リサンプリング テクノロジーにより、ユニークでカスタマイズされたドラム サンプル バリエーションを作成する無限の可能性が解き放たれ、音楽に独特のエッジを与え、創造性を新たな高みに引き上げることができます。

シンプルでありながら強力な内蔵シーケンサー

複雑なドラムビートを作成したい場合でも、単純なリズムを作成したい場合でも、直感的なインターフェイスによりパターン作成が大幅に簡素化され、手間が最小限に抑えられます。


特徴
  • 13 のインストゥルメント カテゴリを利用できる無限のサンプル生成。
  • 独自のサンプルをインポートして、個人のコレクションの無限のバリエーションを入手します。
  • ピッチ、エンベロープ、フィルターなどのパラメーターを微調整して、理想のドラムサウンドをさらにカスタマイズします。
  • パーソナライズしたドラムサンプルをお気に入りの DAW やサンプラーに簡単にエクスポートできます。
  • ベロシティ、ノートリピート、スイングコントロールを備えた32ステップシーケンサー。
  • ハウス、ディスコ、R&B、ヒップホップなどを含む現代ジャンルの 200 のファクトリー プリセット。

その他詳しい製品内容はこちらを参照してください。

機能紹介

昨日は大変シンプル。パッドごとのサンプルに対し、キック、スネア、クラップ等のAIモデルが用意されており、モデルを選んでGenerateボタンを押すとサンプルが生成されます。そこで生成されたサンプルはゲイン、ベロシティ設定パン、ピッチ、フィルターの設定ができるようになっています。また、Variationパラメータによって、サンプルの類似性の度合いを選択して、Generateを再び押すとそれを反映させたバリエーションのサンプルが生成されます。生成されたサンプルはプラグイン内で履歴として保存されるのでVariation左の巻き戻しボタンで遡ることができるようになっています。


それぞれのドラムキットのプリセットも用意されています。キットのサンプル全てをリジェネレートするボタンも用意されています。

シーケンサーが用意されているのが特徴。Drill、トラップなど様々な最新のスタイルも網羅した、ドラムパターンプリセットが用意されているのでジャンルのドラムパターンを即座に用意出来るのが便利です。


シーケンサーではもちろん楽器ごとにパターンを設定可能。32ステップまで対応。

しっかりとそれぞれのステップのベロシティコントロールにも対応しています。

また、ステップのリピート設定によって、スタッターやトラップハイハットのような高速ヒットも用意することができるようになっています。


他AIドラムサンプルジェネレーター製品との比較

他のAIドラムサンプルジェネレーターとの比較をしたくなります。AudiaLabからリリースされているEmergent Drums 2。一見すると非常に似ています。




どちらもAIモデルを選択してサンプルをジェネレートできるもの。(Emegent DrumsはノイズのAIモデルがあったりと主要なキットの他に若干の違いがあります。)非常に機能が似ていてサンプルインポートにも対応しています。違いとして大きいのはEmergent Drums 2には生成されたサンプル自体のより豊富なアフターパラメーターエディットが可能な点。DrumNetは生成した後フェードやパン、フィルター等が用意されていますが、Emergent Drums 2にはアタックやリリース、そして、クリッパーといったサウンドの音質感にまで踏み込んでアフターエディットできる点が優れています。一方で、DrumNetにはドラムスタイルごとのMIDIプリセットが用意されており、シーケンサーが付いている点が差別化のポイントの一つといえるでしょう。サウンドキットのプリセットだけでなくドラムンベースやダンスミュージックのスタイルのMIDIパターンプリセットが多数用意されているので瞬時にそれらのジャンルのパターンを使用できるというのは非常に便利だと思います。MIDIのエクスポートにも対応。また、シーケンサーのパターンを反映されたドラムループのサンプルをエクスポートできるというのもDrumNetのみに用意された機能です。




評価・まとめ


上述のEmergent Drum 2と比較してみると、Emergent Drum 2はサンプルジェネレートに重きを置いており、カスタマイズを可能とするのに対し、DrumNetはそれだけにとどまらず、実際に楽曲に使用するドラム音源としてみて非常に使いやすいように設計されていることが分かります。また、AIのジェネレートするドラムの傾向や癖を分析すると全体的にEmergent Drum 2が電子音やシンセサイズされたようなサウンドを多く出力し、棘のあるようなサウンドからまでノイズまで出力範囲が幅広いのに対し、DrumNetはドラムサンプルとして一般的に認識されているような洗練されたサンプルが出力されやすいような印象を受けました。(こればかりはAIのプログラムを比較することもできないので使ってみた印象以上のことが述べようがないのですが、Emergent Drum 2の方が雑多なものも出てくることがああり、奇想天外なものが出てきたりする印象。)ドラムマシンとして使用するのであれば、DrumNetの方がシーケンサーも付いている分一定のアドバンテージがあると思います。(ただしサンプルジェネレーターが目玉というところもあるのでそこも総合的に見る必要があります。)現状では一長一短といったところで、また頻繁にアップデートもされているようなので今後の成り行きが楽しみですね。





セール情報

現時点では30%OFFが最安値です。→2023年ブラックフライデーで50%OFFとなりました。リリースされて比較的新しいのでセール頻度等は不明ですので定期的にチェックしてみてください。


また、機能制限版のFree Editionが無料配布されているので使用してみるのも良いかもしれません。(割と制限もゆるく実用的なようです。)
無料版はこちらからダウンロードできます。
session loops