【Review】Plugin Alliance「Brainworx bx_panEQ」レビュー(ステレオフィールドに上でEQ処理を行う空間イコライザー・使い方・評価)

【Review】Plugin Alliance「bx_panEQ」レビュー(ステレオフィールドに上でEQ処理を行う空間イコライザー・評価)


製品情報


ステレオパノラマでのディスクリートEQ!
ミッド/サイド ミキシング ツールの大手開発者である Brainworx は、再びゲームチェンジャーである bx_panEQ を発表しました。この次のレベルの空間イコライザーは、ステレオ トラックを彫刻して形成する方法を永遠に変えます。

サウンドステージの他の位置にパンされた楽器に影響を与えることなく、事前に録音されたステレオミックスに埋め込まれたクラッシュシンバルをEQすることを想像してみてください。あるいは、より多くの低音のためのスペースを作るために、デッドセンターのリードシンセをサウンドステージの左右に移動してみてはどうでしょうか? bx_panEQ は、コンテンツのステレオ空間化に対する包括的なビューを提供し、ステレオ フィールドを好みに合わせて形成するのに役立つ直感的な視覚コントロールを提供します。これは、ステレオ空間処理にアプローチするまったく新しい方法です。

bx_panEQ の中心となるのは、各フィルターのフォーカス コントロールです。これにより、ステレオ パノラマ内でのフィルターの効果の範囲が調整され、幅広いストロークからミックスの正確な調整まであらゆることが可能になります。フィルターの API スタイルのプロポーショナル Q 設計は、ゲインが 0 dB から増減するにつれて Q 係数を上げることで EQ 微調整を正確に行い、さらに高い外科的精度を可能にします。各バンドのソロボタンは、信号の純粋な違いを試聴することで、周波数応答の正確な変化を洞察します。


何よりも、パノラマ スペクトラル アナライザーは、ステレオ フィールドと周波数スペクトル全体にわたる EQ ブーストとカットの振幅をリアルタイムで表示し、ステレオ幅と周波数応答のブレンドされた組み合わせを正確に示しながら直感的に手を導きます。このディスプレイ内から各バンドのステレオ位置と相対ゲインを直接調整できます。これは、オートメーションの録音やその場での調整を行う際の救世主です。さらに、bx_panEQ は、サイズ変更可能なインターフェイスを備えた最初の Brainworx プラグインであり、アナライザーのサイズを大きくして、より大きなディスプレイでも快適に作業できるようになります。

ミキシングおよびマスタリング アプリケーションにおいて bx_panEQ によって解き放たれる力は計り知れません。パン位置で左から右へ徐々に高い周波数をブーストすることで、ステレオ アコースティック ギター トラックの幅を伸ばします。ライブコンサートのステレオミックスに手を伸ばして、ステレオフィールドの他の部分に影響を与えることなく、ブーミーでハードパンされたギターを飼い慣らします。マスタリング エンジニアは、局所的なスペクトルの不均衡を個別にイコライズして、偏ったミックスを修正します。音楽プロデューサーは、バンドを自動化してスペクトル アナライザー上を飛び回り、ユニークで興味深いステレオ フィルター エフェクトを実現します。bx_panEQ の用途は無限です。

bx_panEQ。指摘してください。EQしてください。終わり。

特徴
  • 3 つのパラメトリック ベル カーブ フィルター (それぞれゲイン、周波数、Q、パン、フォーカス コントロールを備えています) は、ステレオ フィールド内の個別のパン位置で EQ を独立してブーストまたはカットします。
  • 革新的なフォーカス コントロールは、EQ 調整のパノラマ幅を正確に調整します。
  • プロポーショナル Q フィルター設計により、プログレッシブ EQ のブーストとカットが隣接する帯域に波及するのを防ぎます。
  • 色分けされたパノラマ スペクトラル アナライザーは、EQ 調整を行うとリアルタイムでステレオ コンテンツのパン位置、周波数、振幅の変化をプロットします。
  • スペクトル アナライザーの視覚支援により、ミックスの決定が容易になり、各バンドのステレオ位置とゲインを直接制御できます。
  • 各フィルターは独立してバイパスまたはソロにすることができます。ソロの場合、信号の違いが試聴され、処理上の重要なモニタリングが可能になります。
  • サイズ変更可能なインターフェースにより、より大きなディスプレイでの作業が可能
  • パノラマの異なるポイントで同じ周波数でカットとブーストを行い、フルミックス内の楽器を再配置します
  • オートメーションを使用して劇的なパン フィルター効果を作成します。
  • モノラル信号で bx_panEQ を使用すると、周波数がステレオ チャンネルに開かれ、明瞭さと幅が追加されます。
  • 低音から高音、左から右、またはその逆に段階的にブーストすることでサウンドを「ストレッチ」し、ギターやキーボードなどの楽器に実物よりも幅広いサウンドを作成します。
引用元:bx_panEQ 

機能紹介

Plugin Alliance「bx_panEQ」は空間をベースにEQ処理を行うことができるEQプラグイン。最大3バンドのEQポイントを用意することができます。といっても通常のスペクトルグラムではなく、ステレオフィールドのビジュアライザー上にEQのノブを自在に配置するという非常にユニークな設計。グラフの縦軸が周波数帯域・横軸がLRとなっているので、例えば、一般的なハイハットのEQ処理をする場合上部右端あるいは左端にノブを配置することで独立して処理をすることが可能。それぞれのEQポイントを選択して、画面右のパラメータをいじることになります。



このように音像がリアルタイム表示されるようになっているので、EQポイントの配置も非常に直感的です。


ソロモードも用意されているのでその地点だけを聴くことも可能。それぞれのEQポイントでは通常のEQ同様Qを設定し、ゲインを設定してといった点は同様です。
フォーカスはステレオ幅にもかかわるパラメータでフィルタの効果がステレオパノラマでどの程度広がるかを調整することができます。
このように強調したいところ、減衰させたいところをピンポイントでEQすることができます。




まとめ・評価

ステレオフィールド上でEQするという従来の発想の転換が行われた非常に珍しいタイプのプラグインといえます。オーディオを耳で聴いて気になる部分のみをEQできるというのは非常に便利。3バンドの調整ができるので、シンプルなUI以上に手の込んだ処理ができるようになっています。また、効果としてはEQだけでなくステレオフィールドに対しても調整が効くのでステレオイメージャー的な用途としてその延長として使用することも可能。総じて聞いたままの音の位置関係がそのまま画面上に反映されているのでピンポイントで音像の特定の場所に絞ってEQできるため、わかりやすいEQといえるでしょう。操作もビジュアライザーのおかげでどこに配置するべきなのかわかりやすくなっているので、スピーディに的を絞ってEQ処理をすることができます。また、オートメーションも可能なので、フィルターをステレオフィールド上で動かすこともでき、クリエイティブ系の使い方をしても面白いプラグインだと思いますね。