【Review】SoundMorph「DUST」レビュー(バイノーラルグラニュラー シンセサイザー)

Soundmorph「DUST」レビュー(バイノーラルグラニュラー シンセサイザー)


メーカー情報




Apple Silicon (M1/M2) に対応しました! DUST は、これまで考えられなかった音のサウンドスケープを作り出します。これを使って制作を始めると、その機能を探索することに楽しい時間を費やすことが何を意味するのかがわかるでしょう。DUST は、リアルタイムのパーティクル シミュレーションに基づいたシンセサイザー プラグインで、各パーティクルが個別の粒状音源となります。各粒子の動きは、各点で各粒子に加えられる力を決定する流れ場によって決まります。川の流れが川に流れ落ちる木の葉の道を決めるのと同じです。これは、Soundmorph のこれまでで最も野心的なソフトウェア リリースであり、きっと気に入っていただけるでしょう。DUST は中毒性があるだけでなく、これまでに作られた中で最もクールなサウンドを生成します。 

特徴
  • Apple Silicon対応(M1/M2)
  • 新しいUIの再設計 
  • 新しい画面サイズ変更オプション
  • 「すべてのエミッタにコピー」ボタンを追加しました
  • Richard Divine によるプリセット
  • Ivo Ivanov によるプリセット
  • Robert Clouth によるプリセット
  • Yan David によるプリセット
  • 8 個のパーティクル エミッター
  • コンボリューションリバーブ
  • バイノーラルオーディオのパンニング
  • プリセットの保存と呼び出し
  • カスタムの流れ場方程式
  • 60以上のサウンドが含まれています
  • 独自のサウンドサンプルをインポートする
  • パラメーターの 4 つのモジュレーション オプション
  • FXバージョンが追加されました!
  • VST3、AAX、オーディオユニットフォーマット
  • Mac および PC (32 ビットおよび 64 ビット)

引用元:DUST

機能紹介

Soundmorph「DUST」はバイノーラルグラニュラーシンセサイザー。つまり、グラニューラシンセサイザーがバイノーラルになったものと考えるとわかりやすいかと思います。通常の2chのステレオ出力で使用できます。


Soundmorph「DUST」は最大8つのサウンドソースをバイノーラル空間に配置できるようになっています。60を超えるオーガニック、アンビエント含めたサウンドプリセットが用意されているだけでなく、サンプルインポートまで対応しているという徹底ぶり。デフォルトの搭載サンプルはアトーナルな調のないサンプルが多いのでこれは結構重要です。アイコンが小さいので若干気づきにくいですね。つまり、最大8つの音源を使用できるということです。一つの音源を全てのオシレータにコピー&ペーストする機能もあるのはうれしいですが、さりげなくボタンがあるので間違って押しそうなのが少し怖いかもしれません。それぞれのオシレータは一自由な配置で好きな角度に音の粒子を発射することができ、音量だけでなく、バイノーラルオーディオの中心にどれくらい重力でひきつけられるか度合いを決定できます。ADSRやフィルターも完備。また、空間は大気の流れを設定するプリセットが用意されており、東西南北や中心に渦を巻く等様々なプリセットが用意されております。粒子がその流れに乗って流されます。また、IRプリセットも用意されています。インポートも。また、4つのエフェクターという機能が用意されており、画面上にターゲットのように配置できます。これは音の粒子を磁石のようにひきつけたり、ひき離したりする機能。これを配置することによって粒子の流れをコントロールできるわけですね。グラニュラーシンセ機能としてはシンプルですが、長さやポジションといった機能が用意されております。ピッチ機能は音階のプリセットも用意されており、音階のピッチに対応して鳴らすことができるという機能によってこのシンセサイザーをシネマティックや実験的なサウンド以外にも使用できるように幅を広げています。(通常の音階の他、日本音階や民族的な音階も収録されています。)これはエスニックな要素が関わる電子音楽のジャンルで化けそうです。これらの設定によって鳴らされる音はMIDI入力の他シーケンサーでトリガーすることもできます。


ここまでの機能をさらに強力なものにするのが、モジュレーション機能。なんとほとんどのパラメータノブに対してモジュレーション機能が備わっており、ピッチやフィルター等の基本的な機能はもちろん、画面上に配置されたエフェクターやオシレータの位置やアングルまでも変調することが可能。モジュレーションパターンはそこまで多い訳ではないですが、これによってリアルタイムで動き回る非常に複雑でリアルな空間音響が作ることができるようになっています。また、グラニュラーシンセパラメーターに対しても機能するので、音作りの幅は無限に近い可能性があります。


このようにまるでシューティングゲームの画面のようにオシレータが動き回りそれぞれがまさにビームのように音の粒子を発射して3次元的な立体的な音の動きによる音響空間を創り出します。



まとめ


極めて死角の少ない完成度の高いシンセサイザーといえます。立体音響でいうと比較的最近イマーシブオーディオのシンセサイザーであるSound ParticlesによるSkyDust 3Dもリリースされて、大きな注目を浴びました。(参考) Soundmorph「DUST」はサンプルベースのグラニュラーシンセなのとバイノーラルオーディオに特化されているのでだいぶ印象が異なります。Soundmorph「DUST」はなんといっても一画面で完結しながらもあらゆるパラメータにモジュレーション機能が搭載されているなど、モジュレーション機能が充実しているだけでなく、非常に合理的に機能が整理されているため、よく考え抜かれて設計されていると思いますね。音作りと音響配置というワークフローが一つの画面で同時進行できるので、煩雑さはほとんど感じられません。

ただでさえ複雑なサウンドデザインが楽音よりもアトーナルなサウンドを加工する上で非常に映画音楽や実験音楽を作成する上で非常に魅力的ですが、上述のようにピッチをスケール設定できたりもするので、アンビエント系のジャンルや実験音楽以外の電子音楽にも活躍の場が見込めそうです。サステインの長いサウンドやパッドようなサウンドだけでなく素材次第ではSFXのようなサウンドも作れます。ゲーム音楽や効果音作成等にも最適かもしれません。筆者も試しにボイス等を素材をインポートしてグラニュラー加工もしてみましたが、非常に聴覚に訴えかける立体的なサウンドがデザインできますね。若干プリセットのロード画面等がプルダウンなので探すのに苦労しない訳ではないです。ただし、プリセットが非常に良く作りこまれている印象で(タイトルから推測するにアーティストプリセットのようにみえます)、こんなサウンドまで作れるのかと奥深く驚きます。どちらかというと映画音楽のSFXを含めた大掛かりなサウンドデザインや、電子音楽のデザイナー、ゲーム音楽の業界のニーズに応えた製品だと思いますが、ビートメイカーやアンビエントやポストロック、プログレ系を制作する方も目は通しておいた方が良い製品かもしれませんね。