【Review】Moog「Moogerfooger Effects Plug-in」レビュー(Moog Moogerfoogerアナログエフェクトペダルの公式エミュレーションプラグイン、全製品を網羅したレビュー)

【Review】Moog「Moogerfooger Effects Plug-in」レビュー(Moog Moogerfoogerアナログエフェクトペダルの公式エミュレーションプラグイン、全製品を網羅したレビュー)


メーカー情報



Moogerfooger Effects Plug-ins は、Moog のクラシックなアナログ エフェクト ペダルを再発明したもので、オリジナルのハードウェア エフェクトの伝説的なトーン、音楽性、相互接続性をデジタル音楽制作環境にもたらします。90 年代後半から 00 年代にかけてボブ・モーグと彼のエンジニアリング チームによって設計された Moogerfooger エフェクト ペダルは、オリジナルの Moog モジュラー シンセサイザーの直系の子孫であり、ギター、ボイス、シンセサイザーからあらゆる種類の入力を処理、変調、再生するように適合されています。想像を絶する音源。MF-104 のリッチで温かみのあるアナログ ディレイ回路から、MF-103 の渦巻くフェイザー エフェクト、MF-101 の伝説的なレゾナント ラダー ローパス フィルターまで、Moogerfoogers はそのサウンドとモジュール性で有名になり、世界中のスタジオやパフォーマーに採用されています。世界。




Moogerfooger エフェクト プラグインについて

MoogerfoogerとはMoog社によってリリースされたアナログエフェクトペダルモデルの同社によるエミュレーションプラグイン。8種類のエフェクトペダルがエミュレートされています。


バンドルについて

Moogによる全8製品を収録したMoogerfooger Effects Plugin Bundleが最初に発売されたのですが、後に単品販売や2製品や4製品を好きなものを選んでバンドル購入できるカスタムプラグインバンドル(Moogerfooger Pick 2 Software Bundle/ Moogerfooger Pick 4 Software Bundle)が発売されたことによって、購入の敷居が大幅に下がったといえます。とはいえ、バンドルの方が安く価格設定されていることも多いので、自分のニーズに合わせてバンドル購入するのが安く入手する良い選択肢かと思います。全製品必要ないというケースもあるかと思いますが、一方で1製品だけ必要というケースもそう多くないかと思いますので、単品購入よりは2製品セットの方が割安になるケースがほとんどだと思いますね。


おすすめのプラグイン


より一般的なニーズが見込まれ、どのような楽曲でも頻度の高い汎用性の高い(つまりジャンルを問わず様々なシーンで活躍する、あるいは多くの人にとってなじみのあるエフェクトツール)といった意味で選ぶならば、個人的な見解ですが、Moogerfooger MF-103S 12 Stage Phaser、MF-104 Analog Delay、Moogerfooger MF-109S Saturatorあたりでしょうか。モジュレーション系も多いのでジャンルによってあまり使用されないものもあるかもしれません。ギターエフェクターとしての使用ならば、どのエフェクトもなじみのあるものかもしれません。また、電子音楽に使用しやすいエフェクターがそろっているのも特長。
Moogerfooger はかなり強烈なエフェクトプラグインもあるのでジャンルによってはあまり使わないものもあるかもしれません。ジャンルによっては全部必要とは限らないと思えるような尖ったエフェクトプラグインがあることも確かです。これまではこれらのプラグインシリーズは全製品購入するしか方法がなかったのですが、単品購入と定められた数の製品を自由に組み合わせるカスタムバンドルが登場したのでより、ニーズに沿った導入ができるようになったといえます。

Moogerfooger Effects Plugin Bundle(Moogerfooger Pick 2 Software Bundle/ Moogerfooger Pick 4 Software Bundle)収録製品のレビュー

Moogerfooger MF-101S Lowpass Filterのレビュー

MF-101S ローパス フィルターは、1998 年に導入されたハードウェア MF-101 ローパス フィルターを再現したもの。ハイをカットしていくのでとても簡単にいうと音がこもっていくフィルターです。パラメータもシンプルです。レゾナンスで音のピーキーなニュアンスを調整できます。入力音のボリュームをトリガーにしてフィルターを開くエンベロープ・フォロワーも用意されています。


フィルターは大変滑らかで丸みや暖かみがあります。ピアノの間にフェルトを挟んだような柔らかさ。スイープは大変滑らか。

Moogerfooger MF-103S 12 Stage Phaserのレビュー


Moogerfooger MF-103S 12 Stage Phaserは、Moog Music のクラシックな MF-103 アナログ エフェクト ペダルに基づくフェイザープラグイン。。


1999 年に導入された MF-103 12 ステージ フェイザーには、2 つの完全なモジュラー機能が含まれていました。6 ステージ/12 ステージの電圧制御フェイザーと、電圧制御のワイドレンジ低周波オシレーター (LFO) です。Bob Moog と彼のエンジニアリング チームによって設計された MF-103 は、オリジナルの Moog モジュラー シンセサイザーの直系の子孫であり、ギター、ボイス、シンセサイザーから想像できるあらゆるオーディオ ソースに至るまでの入力を処理、変調、再生するように適合されていました。

通常のフェイザーは空間をゆがませるかの如くせわしなく音が振動するイメージですが、MF-103は音の広がりが至って滑らかで透き通っています。

MF-108S Cluster Fluxのレビュー 

MF-108S Cluster Flux は、Moog Music のクラシックな MF-108 アナログ エフェクト ペダルを再発明したものです。2011 年に最初に導入された MF-108 Cluster Flux には、いくつかの完全なモジュラー シンセ機能が含まれていました。 Chorus、Flanging、Vibrato などのさまざまなエフェクトのディレイ ラインをモジュレートします。オリジナルのモーグ モジュラー シンセサイザーの直系の子孫である MF-108 は、ギター、ボイス、シンセサイザーから想像できるあらゆるオーディオ ソースに至るまでの入力を処理、変調、および再生するように適合されました。MF-108 Cluster Flux は MF-108S として細心の注意を払って再現されており、オリジナルの微妙な渦巻きと強烈なフランジング サウンドだけでなく、パラメーターが相互作用して音楽的な演奏体験を生み出す有機的な方法も捉えています。

コーラスフランジャー、ヴィブラート等のディレイラインをモジュレートするプラグイン。


空間系エフェクトがそろっているわけですが、機能は一般的なモノとほとんど同様。どちらも癖がなく、スムーズかつ自然に透き通るかのように薄く広がるので深くかけても過度にぼやけるように感じません。サチュレーションが加わり、飽和したようなかかり方。

MF-107S Freqboxのレビュー


MF-107S Freqbox は、Moog Music のクラシックな MF-107S アナログ エフェクターを再発明したものです。


2007 年に最初に導入された MF-1057 Freqbox には、いくつかの完全なモジュラー シンセ機能が含まれていました。ハード シンクとオーディオ入力による周波数変調が可能な可変波形を備えた電圧制御オシレーター (VCO)、およびダイナミクスを可能にするエンベロープ フォロワーです。 VCOの周波数を変調するための入力信号の。さらに、VCO の振幅は入力信号のダイナミクスによって制御され、VCO はオーディオ入力と混合することができました。オリジナルの Moog モジュラー シンセサイザーの直系の子孫である MF-107 は、ギター、ボイス、シンセサイザーから想像できるあらゆるオーディオ ソースに至るまでの入力を処理、変調、および再生するように適合されました。

MF-107 Freqbox は MF-107S として細心の注意を払って再現されており、オリジナルのギザギザした奇妙な音だけでなく、パラメーターが相互作用して音楽的な演奏体験を生み出す有機的な方法も捉えています。 
 MF-1057 FreqboxはVCOボックス、簡単に言えば、アナログシンセの音を重ねることができるプラグインです。要はシンセの音をレイヤーしたいときなどに使用するプラグインなので、シンセがエフェクトでついていると考えてみればわかりやすいかもしれません。周波数と波形を得欄でLFOでモジュレートとなっているのですが、こちらもやはり音ですね。実機からでたようなざらざらノイジーな音が特徴で、適度に主張したサウンド。(moog Minimoogの方がさらにバリバリでてる印象があります。)全てのジャンルで使用できるものではないと思われますが、電子音楽やギター等様々なサウンドにシンセの質感を加えるのに役立ちます。


Moogerfooger MF-102S RingModのレビュー



MF-102S Ring Modulator は、Moog Music のクラシックな MF-102 アナログ エフェクト ペダルに基づくリングモジュレーションプラグイン。リングモジュレーションは金属質な響きを加えるのに重宝するエフェクトですが、MF-102S Ring Modulatorには、リング モジュレーター、電圧制御のキャリア オシレーター、電圧制御のデュアル波形低周波オシレーター (LFO) が用意されています。パラメータはLFO、モジュレーターと大変シンプルな作り。この機能が備わっているため、トレモロエフェクト等もできます。



機能としてはこれ以上いうこともないので、音に関してですが、周波数の設定によってドイツの古典ともいえる電子音楽を思わせるロボット音から、低音に独特な質感を加え立体感を加えたり予想以上に多用途。ヴィンテージサンプラーを思わせる歪みと太さ、立体感を加えることもできます。例えば電子系のドラムにバイブレーションのような動き震えるような質感を加えるのも興味深い。(LFOレートによって、音の周期を調整します。音色をいじる上で大変重宝しそうな汎用性の高いプラグイン。

Moogerfooger MF-109S Saturatorのレビュー


MF-109S Saturator は、Moogerfooger Effects Plug-ins の開発から生まれた新しいソフトウェアのみのエフェクトプラグイン。

MF-109S Saturator は、Moogerfooger エフェクト プラグインの独自のドライブ回路を介してワイドレンジ エンベロープ フォロワーとバイポーラ コントロールを組み合わせることで、タイトでダイナミックなオーバードライブとアナログ サチュレーションからスムーズなコンプレッションとエクスパンションに移行することができます。oog Model D のノイズ・ジェネレーター回路をモデリングしており、ピンクノイズとホワイトノイズを付与することができます。MF-109S Saturator のエンベロープ フォロワーとノイズ CV 出力、および複数の CV 入力により、他のすべての Moogerfooger エフェクト プラグインと対話できます。

サチュレーション量や信号に対して追従するタイムレートを設定できるだけでなく、ノイズを付与することができるようになっています。ノイズ自体の音に関しては大きな感動があるわけでもないのですが、サチュレーション自体の飽和するようなサウンドを相まって非常に汚れたサウンドを作るのに適しています。アブノーマルなダンスミュージックのキックやスネアにかけてみたいプラグインでもあります。

MF-104 Analog Delayのレビュー




Moogerfoogers のオリジナル コレクションは、強力で柔軟なコントロール ボルテージの入力と出力により、パーツの合計以上のものでした。Moogerfooger エフェクト プラグインはその CV の相互接続性を再現し、Moogerfooger の各インスタンスが AUv2、VST3、または AAX プラグインとして任意の DAW 内のプロジェクト全体で他のパラメーターを変調できるようにします。各エフェクトは、すべての CV 入力とサイドチェーン機能にデジタル アッテネーターを追加することで、信号のニュアンスを生き生きと捉え、革新的なサウンド デザインの可能性と、サウンドのあらゆる側面に対する深いコントロールを提供します。

のBBD (Bucket Brigade Device)タイプのオールアナログディレイのエミュレーションプラグイン。機能はUIを見てわかる通りシンプルです。そのため、音の特性が評価の対象となるのですが、ハードアンプを通したような質感が加わるだけでなく、フィードバックは汚れていくものの音のディテールをしっかりと残したままエコーが生まれるのが特徴。



そして、これらのプラグインはプラグイン同士のパラメーターの相互ルーティングによって、モジュレーションをかけることができるのが大変面白いところ。これはオリジナルの使用を再現したものですが、それぞれのエフェクトペダルはシンプルなパラメータ設計なことも多い分、この機能があることで音作りの可能性が広がり、魔改造されたエフェクトを作ることができるようになっています。

まとめ


Moogerfoogerのアナログらしさの追求。Moog社による開発だけあって、デジタルらしさができるだけ感じられないようにエミュレートしているのが分かります。

電子音楽やシンセサウンドをメインに据えた楽曲をメインで制作する人にとっては持っていると強力な武器になる可能性が高いように思われます。特にダブステップ等の強烈なエフェクトが必要となるジャンルではアナログならではの立体感と存在感のあるエフェクトがサウンドに加わるのはかなり重要かと思いますね。エフェクトペダルというとついついギター向けのように錯覚しがちですが、むしろ他のジャンルにこそ真価を発揮するように思います。ギター等に対しての使用ももちろん良いですが、それにとどまっては十分に使いこなせないかと思われ、シンセや電子楽器等に挟むことでさらに突き抜けた使い方ができるのも事実。筆者の個人的見解としては原音のディテールがよりフォーカスされる(メロディ以上に音色の細部までフォーカスされる)電子音楽の方がさらにぴったりなツールだと思いました。