【Review】Mastering The Mix「EXPOSE 2」レビュー(オーディオ解析・レファレンス・品質管理アプリケーション・セール情報についての補足等)

【Review】Mastering The Mix「EXPOSE 2」レビュー(オーディオ解析・レファレンス・品質管理アプリケーション)





メーカー情報



EXPOSE 2 は、音楽の問題を特定するのに役立つスタンドアロンのオーディオ品質管理アプリケーションです。非常に多くのトラックが、EQ バランスの悪さ、真のピーク クリッピング、過度の圧縮、位相の問題などを伴って配信されます。ミックスをマスターすることで、手遅れになる前にこれらの問題を把握することができます。EXPOSE 2 を使用すると、最高のリスニング体験を提供し、自信を持って音楽をリリースできます。


特徴
  • Compare EQ は、インポートしたリファレンス トラックと比較して、平均的なトーン バランスを示します。または、商業的に成功したトラックの音響プロファイルを使用して作成された、ジャンル固有のプリセットを選択することもできます。これにより、リリースする前に、あなたの音楽が音の目標に沿っており、あまりにも濁っている、鈍い、薄い、または耳障りでないことを確認できます。
  • Loudness Match は、LUFS アルゴリズムを使用して、EXPOSE のすべてのトラックの再生を正規化します。人間の耳は、音量の大きい音楽ほど、低音が豊かになり、高周波数がより明瞭になると認識します。ラウドネス マッチングは、このバイアスを取り除き、音楽についてより多くの情報に基づいた決定を下せるようにします。
  • 分析フィードバックは、探しているサウンドを得るためにオーディオを調整する方法に関する具体的なガイダンスを提供します。これは、超大音量のクラブ マスターを目指している場合でも、ストリーミング サイトで優れたサウンドが得られるように音楽を最適化しようとしている場合でも、技術的な目標を達成するのに役立ちます。(27 のプリセット、および 5 つのユーザー プリセット スロット)
  • ユーザー エクスペリエンスとワークフローが改善されたユーザー インターフェイス。
  • トラックの技術的な詳細を数秒で取得します。(LUFS 統合、短期、デシベル トゥルーピーク、左右ヒート マップ、フェーズ ヒート マップ、ダイナミック レンジ、ラウドネス レンジ)
  • 問題が検出されると、読み取り値と波形が強調表示され、問題の正確な場所が示されます。
  • 測定には以下が含まれます:
  • 統合された LUFS
  • 短期 LUFS
  • デシベル トゥルー ピーク (16X オーバーサンプリング)
  • サンプルピーク
  • 左/右ヒートマップ
  • 相関ヒートマップ
  • 短期ダイナミックレンジ
  • ラウドネス範囲
引用元:EXPOSE2

機能紹介


Mastering The Mix「EXPOSE 2」はオーディオ品質管理アプリケーション(プラグインではないです)。何をするソフトかというとオーディオを解析してラウドネス等のデータを表示、あるいは比較し、問題のある個所を即座に発見できるソフトです。

操作方法は大変シンプル。
まずオーディオをドラッグアンドドロップします。

次にオーディオの規格を設定します。Sportify、Youtube等の配信はもちろん放送の規格、MIXINGプリセットではLOUD、PUNCHY等音の印象に基づいたプリセットも用意されています。



ちなみに独自規格を設定することもできます。これはクライアント独自の規格があるときに大変役立ちます。(筆者もプリセットとして保存して多用しています。)試しに音声素材を入れてみます。

オーディオを複数解析することも可能。オーディオが長いと(オーディオデータ10分以上等)やや解析に時間がかかります。



メイン画面。LKFS/LUFS値と、True Peak(dBTP)ステレオバランス、位相、ダイナミック・レンジが一覧となって表示されます。規格に基づき、問題のある個所は赤く表示されます。



問題の詳細をみることができます。英語なのがネックになる人がいるかもしれませんが、(翻訳等を使いながら)要点だけ捉えればどうということはありません。



また、各オーディオのEQバランスを比較することも可能。レファレンスしたいオーディオをロードすることができるだけでなくEDM、DnBといったジャンルや名エンジニアリングのプリセットが用意されているのでそれと比較することでオーディオを評価することができます。


また、オーディオの範囲を指定することでその範囲のラウドネス等のデータを再解析できるのはなかなかうれしい機能だと思いますね。(これができるソフトはなかなかないのではないでしょうか。)また各トラックの再生箇所は記憶されているので、他のトラックを聴いた後戻って再生を止めた場所から別のトラックを再生なんてこともできるようになっています。


そしてロードしたオーディオはセッションとして保存可能。そのセッションデータを後でインポートすることもできます。

また、ラウドネスマッチ機能があるので、オーディオを同じ水準にして正しく比較することができるのも良い機能ですね。




評価

複数のオーディオをIntegrated Loudnessで一括比較できるのは規格に沿った制作あるいは納品が必要な人にとってはありがたいですね。一画面で並べて数字はもちろん波形まで比較というのは視認性も良くリリースされている中ではかなりみやすい方かと思いますね。(例えばMeterPlugs「Loudness Penalty」は数字のみ。)
リミッター等でラウドネスを指定する場合部分的にターゲットを指定することもあり、全体通した時の値がしっかり比較できるのは頼りになります。レファレンスに応じてEQマッチあるいはトーンマッチはOzone10やNeutron4等にもありますが、それらは合わせることに焦点があり、大量のオーディオを比較できるわけではありません。Mastering The Mix「EXPOSE 2」は作った後の品質をチェックするソフトなのです。

オーディオを数的に評価をするソフトとして大変優秀です。特に定められた規格に沿って制作する必要のある場面やYoutube等のラウドネス規格にシビアになる必要のある人。また、オーディオ品質を客観的に評価して制作に活かしていきたい人にはあってよいものなはずです。自分のこれまでの作品トータルで解析してみても発見があるかもしれないですね。
特にマスタリングや複数のオーディオのムラをチェックする上でこういったソフトは持っておきたいものです。弱点をあげるとすれば、負荷がかかるのか多くのオーディオレファレンスを立ち上げた状態でオーディオの部分的な再解析を行うと落ちたりします。(保存必須)そこだけは今後の課題でしょうか。そうはいってもこれだけ柔軟性をもってオーディオを比較できるソフトはなかなか貴重かなと思います。




Mastering The Mixのセール情報

そこまで大きな割引をするメーカーではないので40%OFF程度が上限となっていることが多いですが、期間限定のバンドルによるセールが非常に大きな割引となることがあります。これは周期性はなく、これまで登場したバンドルの中ではまだ再登場していない一度限りのセールのことも多いので、狙い目です。