【Review】cableguys「Shaper Box 3 Bundle」レビュー(マルチエフェクトプラグイン、機能と使い方、評価、最安値とセール情報)




【Review】cableguys「Shaper Box 3」レビュー(マルチエフェクトプラグイン、新機能)


数年ぶりにShaper Box 2からShaper Box 3にアップデートしたということで、長く愛用していますのでやはり確認しないわけにはいきませんでした。

メーカー情報 

オーディオ トリガー、VolumeShaper のサイドチェーン ビュー、新しい LiquidShaper フランジャー/フェイザーなどの強力なアップグレードを備えた ShaperBox 3 は、インスピレーション、音楽の動き、ミキシング マジックのための頼りになるプラグインです。ShaperBox の 9 つの強力なマルチバンド エフェクト (Volume、Time、Drive、Filter、Crush Noise、Pan、Width、および新しい Liquid) のそれぞれは、あなたの創造性のための真っ白なキャンバスです。シェイパーを追加し、想像できる任意の波形を描画して効果を制御するだけです。これらはすべてシンプルなビジュアル インターフェイスを使用して、すばやく楽しく制作できます。


Cableguys のこれまでで最も簡単な LFO 編集を使用すると、滑らかなスイープ、角度のある線、または階段状のパターンを直感的に設計できます。数回クリックするだけで、リズミカルな探索と正確な制作の世界を解き放ちます。曲に同期するエフェクト パターンで音楽を動かしたり、MIDI や新しいオーディオ トリガーを使って任意のリズムでトリガーしたりできます。

ShaperBox を使用して、当たり障りのないメロディーをユニークなバリエーションに変えます。最も基本的なサンプルからでも新鮮な耳あめを調理します。ハーフスピードのスローダウン、グリッチ、スタッター、スクラッチで時間の構造を歪めます。3 つの周波数帯域にわたって完全な柔軟性を備えたサイドチェーン。ワープ、ディストーション、ビットクラッシュ、フィルター、パン、フランジ、ワイドニング、ノイズの追加など。モダンなミックスと無限のインスピレーションのための究極のプラグインです。


引用元:Shaper Box 3 

Shaper Box とは

マルチエフェクトプラグイン一口にといっても多様な製品がありピンとこないと思います。
Shaper Box は簡潔に言うと、
①エフェクトモジュールをエフェクトラック形式で並べ替えられる、
②各エフェクトマルチバンド(最大3)の
③各エフェクトのバンドごとにオートメーションカーブを描き周期的にコントロールできるプラグインです。


画面中央左をみるとわかるようにイラストレーターのようにツールが用意されていて幾何学的な形状はもちろん複雑な線の線描も簡単に行えるようになっています。


新機能について

強化されたブラウザ 

巧妙に分類された 600 を超えるプリセットを使用して、数回クリックするだけでサウンドを検索できます。Shaper でフィルタリングし、お気に入りを保存して、カスタム プリセットを見つけます。






プリセットブラウザが大幅に変更されています。エフェクトの種類やスタイル、特徴に合わせてタグ付けがされているので、使いたいエフェクトを即座に探すことができるようになりました。また、プリセットがどののエフェクトを使用しているのかエフェクトの色を表したランプで即座に確認することができるようになっています。(ある程度使っていると色だけで度のエフェクトか判断できるため大変便利です。)ユーザープリセットも同様です。

Shaper Box 2時のプリセットブラウザ。プリセットは半分ほどの300でした。タグもよりざっくりとしています。




つまりこれまで以上にエフェクトを作るだけでなく、純粋なエフェクトプラグインとして使用することも容易になったということです。Noiseエフェクトがあるため、Lofiエフェクトなども用意されているのは流石ですね。Lofiとてもよいものそろってて、これだけで売ってもよさそう。Shaper Box 3はできることが多すぎるため、沼にはまりがち(こだわると)で難解な印象を持ちがちですが、こうした使い方もできるためエフェクトの使い方に少し慣れてきたユーザーも安心して使えます。

LiquidShaper

サウンドデザインを深く掘り下げる!LiquidShaper は、1 つの Shaper でワイルドなジェット プレーン フランジングと深く豊かなフェージングを実現します。カスタムの LFO シェイプは、従来のものをはるかに超えています。センターとフィードバックを 3 つの周波数帯域で個別に変調します。穏やかなステレオ モジュレーションを作成したり、巨大なロボット コム フィルター FX を作成したりできます。


ShaperBox3には9種類のエフェクトが用意されており、それをラックプラグイン形式で並び替えることができます。 


 

LiquidShaperというエフェクトが新たに追加されました。フェーザーやフランジャーのモードが用意されているモジュレーション系のエフェクトプラグインです。LFOカーブを自分で描けるShaper Boxですから相当に強力なことは目に見えてます。ロボット風のサウンドも可能。サウンド素材自体の空気感や質感、音色に手を加えることができるようになったわけです。

また、ヴァージョン3には新機能としてLFOカーブの形状をそのまま保ったまま縮めたり、シフトすることもできるので微調整も容易になっています。


Shaper Box 2時の画面。




Time Shaperではタイムストレッチや巻き戻しがUIにリアルタイムでメータ表示されるようになりました。これはとても分かりやすい良アップデートだと思います。前のヴァージョンからそうですが、(英語で)各パラメータの解説が表示されるのはありがたい。


トランジェント検出&トリガー機能

リアクティブタイムツイスト、ディストーションエンベロープ、フィルタープラッキング、トランジェントデザイン、その他想像できるあらゆるトリガー FX に対して、9 つの ShaperBox エフェクトすべてを任意のサウンドでトリガーできるようになりました。

今回のアップデートで最も注目した機能。周波数やスレッショルドを設定してトリガーしたいところだけトランジェント検出に引っかかるようにすることで、パルスごとにエフェクトをかけられるという恐ろしい機能。これメロディに応じて、あるいはドラムやベースの力点となるビートやリズムやにだけ特殊なエフェクトかけられたりできてしまうのです。周波数帯域をかなり絞れば自分のかけたいフレーズのところでかけることもできそうですね。(流石にアタックが少ないところだと難しいかもしれませんが)エフェクトがトリガーされるとき右のトランジェント画面がドゥンドゥンと反応し光ります。トリガーするタイミングの微妙な調整までできてしまうという。サイドチェーンも対応しています。


ベースやキックに適当に(適当ではないですが)CrushやDriveでかけてみたりしてみてもものすごいクールなことができます。(聴かなくても線を見てるだけで伝わってきますよね。)トランジェント検出は3つのモードが用意されています。試してみましたが、波形の特性からパッドではないにしろアタックがゆるやかなものよりもある程度アタックのあるものに対して真価を発揮します。アルペジオとかもよさそう。(どうやらバンドごとの検出ではないようです。)これだけでも十分すぎる魔改造アップデートです。

またマルチバンドコンプも用意されています。もちろんしっかりと波形がリアルタイム表示されます。

 

総評

トランジェント検出によるトリガー機能が追加されたのはかなり大きいアップデート。これにより、これまで時間的な単位でしかエフェクトをかけられなかったところを音楽の内容に合わせてエフェクトをかけられるのでより詳細で手の込んだエフェクトをかけることができるようになりました。ダンスミュージックを作る人には(電子音楽系全般ですが)特にうれしい機能。あまりに強力なので他の代案が見つかりません。

また、ブラウザも強化されたため、純粋なエフェクトプラグインとしての使用するのも便利になりました。今回になって製品に対しミキシングについて言及されていたり、プリセットカテゴリにミキシングカテゴリが用意されていたりすることからも顕著です。
マルチバンドで音に連動して自分の思いのままのかかりかたでエフェクトをかけられて、といった具合に高度なエフェクトラック的な使い方も視野に入ってきたといえます。これまではどちらかというとEDM等の飛び道具的なトリッキーなエフェクトとしての使用が主でしたが、トランジェント検出に対応したことによって柔軟性が格段に上がり、例えば、ドラムにパンチを加えたり、トランジェントに応じてサチュレーション的に潰してみたり、音を整えたり等真面目な(?)ミックス処理プラグインとしての使用もかなりアリになってますね。

エフェクトは今後も増えていきそうな予感がありますね。似たようなマルチエフェクトプラグインだとDevious Machines「Infiltrator 2」等もありますが、Shaper Box 3はエフェクトの種類がよりシンプルである代わりにタイムストレッチエフェクトコントロールの作りこみの可能性といった点でこちらに軍配が上がります。意外にShaper Box 3はヴォリュームやパン、ステレオといったシンプルなエフェクトから構成されていて、こうしたスタンダードなパラメータを自由自在に動かすことで。通常のエフェクト×DAWオートメーションで行うと数十倍はかかる作業を手抜きをすることなく本当に簡単に行えてしまうツールなのです。
そのため、(作りこむ場合は)どちらかというと職人向けの自分で作りこみたい人こそ真価を発揮しおすすめできるプラグインかと思います。もちろん込み入ったものを作る以外にもシンプルなエフェクトを作る際には、圧倒的なスピードでカスタマイズした上で作ることができるのでかなりのアドバンテージです。
要望は今のところ細かい個人的な要望除けば思いつかないですね。かなりの完成度だと思います。強いて言うならば同一のエフェクト複数回ラックに挟めるようにしてほしいですね。あとフィルターはあるものの時間軸に依存しないEQとかあるとミキシングによさそう。
また、Shaper Box 3で最も評価したいのはオートメーションカーブを描くツールの充実度。幾何学的なカーブ(ジグザクや弧等)であれば、瞬間的に形状ツールと2倍ボタンで即座に描けるのは他のプラグインやDAWにはできない芸当。再生しながら、ササッとペンで描くように(ペンよりもスムーズです)カーブを作成できるのは地味ながらも最も評価できるところだと思いますね。


最安値とセール情報

最安値は89ドルになっています。