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【Review】Heavyocity「Punish」レビュー(マルチエフェクトプロセッサー、機能・他のプラグインとの比較等)

2022年11月8日火曜日

DTM製品レビュー

【Review】Heavyocity「Punish」レビュー(マルチエフェクトプロセッサー、機能・他のプラグインとの比較等)

ちらほらと話題に上がるプラグイン。私も実際に導入する前この製品についていろいろ情報を調べてみたのですが、実際どのようなプラグインなのか正直よくわからないことが多かったので内容が分かるように詳しくまとめてみました。


メーカー情報


微妙な暖かさから極端なドライブとコンプレッションまで、PUNISH はあらゆるミックスやインストゥルメント トラックにキャラクターとエッジを注入します。これは、VST/AU/AAX プラグイン フォーマットで、Heavyocity の受賞歴のあるバーチャル インストゥルメントのラインに搭載されている、おなじみの PUNISH エフェクトと同じものです。Heavyocity のカスタム アナログ シグナル チェーンをモデルにした PUNISH は、コンプレッション、サチュレーション、トランジェント、EQ、リミッティングをコントロールできます。モジュールをチェーンして特徴的な PUNISH サウンドを作成したり、モジュールを分離してそれぞれのダイナミック エフェクトを単独で体験したりできます。その中心にあるのは、グローバルな PUNISH Knob です。範囲を設定し、荒廃をダイヤルするだけです。

 

引用元:Heavyocity

概要・機能紹介

Heavyocity「Punish」はコンプレッサー、サチュレーション、トランジェント、イコライザーを備えたマルチエフェクトプロセッサー。「PUNISH は、最高のクラシック ユニットとアナログ ユニットを細心の注意を払ってモデル化したもの」と謳っているように、根底にはアナログユニットをモデルにしているようです。ミックスやマスタリングの際に音を整える用途として使用されることが想定されています。

それぞれのセクションを軽く概観してみます。

コンプレッサー / サチュレーション



3 つの異なるコンプレッション モデルを備えた PUNISH Compressor は、クラシックなアナログの暖かみを備えた広いダイナミック レンジを提供します。このプラグインは、スムーズなクラス A スタイルのバス コンプレッサー (コンソール)、クラシックな「ニー」を備えたアグレッシブでファットなサウンド (モダン)、そして温かみのあるビンテージ リミッティング アンプ スタイル (クラシック) を特徴としています。 
コンプレッサーにはバスコンプ、アグレッシブ系のモダンコンプ、ヴィンテージコンプ、3つのモデルが用意されています。バスコンプはコンプレッションがなだらか滑らかにかかる、モダンコンプは押しつぶされるようにぐっとかかって、ヴィンテージコンプはさりげなくかかる(というのでしょうか?)スタイル。スイッチでサッと切り替えられるのは良いですね。バスコンプは自然で一際よい感じですが、コンプの内容に関しては特筆すべきところというわけでもなさそうです。

サチュレーション

PUNISH Saturation モジュールには 3 つの異なるモデルもあり、すべて独自のブランドの暖かさ、ドライブ、キャラクターを備えています。古典的なブロードキャスト マイクプリ (ビンテージ)、分厚いハーモニック サチュレーション (モダン)、ファット チューブ サチュレーション (チューブ) を備えた PUNISH サチュレーション モジュールは、トラックに少しのグリットを追加したり、全体をオーバーロードさせたりすることができます。

サチュレーションは3つの独自モデルが用意されています。これがなかなか良くできています。音楽的に「良いサチュレーション」といいますか、粒立ちの良さを残したうえでザラザラ感をつけてくれます。(EDMのシンセを使用するトラックにも重宝しそうな印象です)サチュレーションというと他の製品によってはかなり音素材そのもののディテールが失われるタイプもあるかと思うのですが、このサチュレーションは制作工程を踏まえて設計されているようでサウンドメイクの実際を見据えています。
割ときつくかけてもサウンドが破綻しないのはさすがといったところだと思います。スレッショルド、ローパス、ハイパスとノブは結構充実しています。

トランジェント / EQ / リミッター



アタック、サステイン、出力ゲインを制御する PUNISH のトランジエント シェーピング モジュールにより、ユーザーはサウンドを飽和させた後に、より強いトランジェントを信号に戻すことができます。このモジュールには、アタックの長さを決定するためのホールド コントロールも備わっています。

EQ モジュールはベーシックですがパワフルで、高域と低域を持ち上げます。EQ を Pre または Post に設定して、Comp、Sat、および Transient の前または後の高低に影響を与えます。
「EQ モジュールはベーシックですが」と潔く言ってますように内容は普通です。Pre、Postが選択可能。

クリッピングを防ぐために、PUNISH はチェーンの最後にリミッターも備えています。そのサチュレーションが本当に毛むくじゃらになり始めるとき、ソフトクリップの量とリリースタイムのコントロールが重要です。
リミッターはソフトクリップ量の調整とリリースコントロールが用意されています。
Pre EQ→Comp→Sat→Transien→(Post EQ)の順でエフェクトチェーンが用意されています。

精巧に作られたプリセット





すぐに起動して実行できるように、PUNISH には 6 つのカテゴリにレイアウトされた精巧なプリセットが多数用意されています。これは、PUNISH の汎用性が本当に光る場所です。ベースからドラム、ミキシング/マスタリングまで、PUNISH には幅広い用途があります。それが何であれ、PUNISH にはあなたのための設定があります - 楽器の種類ごとに配置された 90 を超えるプリセットと、HY スタッフのお気に入りのいくつかのボーナス フォルダーがあります。これらは出発点として最適ですが、独自のプリセットを保存するオプションも利用できます。

プリセットは楽器ごとにカテゴリー分けされて用意されています。 EQのプリセットと同じような感覚で用途ごとに使えるということだと思います。

グローバル PUNISH ノブ



プラグインの中心にあるのは、中央の Punish Knob です。Heavyocity は、すべてのパラメーターを直感的にモジュレートする方法を設計し、サウンドに命と動きを素早く簡単にもたらします。「編集」ボタンをクリックしてハロー値を設定するだけで、中央の PUNISH ノブが非常にダイナミックなツールになり、あらゆる程度の PUNISH が可能になります。クリーンで温かみのあるサウンドから始めて、パンチの効いたサウンドにするか、レンジを広げて本当に弾けるようにします。トラックが本格的に動き出したら、中央のノブをひねるだけで、必要なすべての姿勢が得られます。

ここまでは普通のコンソールやラックプラグインと何ら変わらないかと思いますが、このPunish Knobがこの製品を一際ユニークなものにしています。何が起きるかというとシンプルに言えば音がパワフルになるということなのですが、単なる時短機能とは異なり結構細かく微調整できます。
右下のEditスイッチを点灯させることで、モジュレーション量(ハロー値)の範囲(Serum等の様々なシンセでおなじみ、白く範囲が表示されています)を設定できます。そして、Punish ノブを動かすとそれぞれのノブが連動して動くわけですが、各パラメータは設定した範囲量で止まるようになっています。

使い方がやや慣れないかと思いますが、要は極端な値を出さずに良い感じのサウンドになるようにパラメータを一括調整できるということですね。このサウンドで良さそうだけどいまひとつなんだかしっくりこないというときに使いたいこのプラグインの目玉の一つともいえる便利機能。使い方がよくわからない人はとりあえず回すと音が大きくなります()
そして別件ですが目の見える位置に初期化機能あるのは便利すぎます。


評価

コンソール系やミックス系プラグインが多数ある中でこのプラグインを選択するメリットはなにか。

それはまず、サウンドに存在感や太さを追加する上できるだけ工程を省きつつも手抜き感が出るのもアレなのででじっくり作りこみたいというニーズに応えたプラグインであるということでしょうか。ワンノブ系とは異なり、ノブはたくさんありつつもアナログ的な直感性があります。よくよく見ると時短系にみえてブラックボックス化されたエフェクトチェーンのノブほとんどないのですよね。ノブはアナログ系エフェクトの感覚ですね。エンジニアリング工程に最適化され洗練されている印象。操作性がシンプルなノブしかないにもかかわらず満足できるものになっています。(ハロー値設定する操作だけはちょっと使いにくいかもですね)
また、音の質感をミックスの中で思ったものにするためのプラグインとして考えると手間がかからない割に細かく調整・設定できる大変優秀なプラグインだと思いますね。
スペクトルグラム等が用意されていないので、アナログ系を使ったことがなく、視覚的な画面を見ながら作業を進めるのに慣れきってしまっていると、うまく使いこなせない可能性はあるかもしれません。iZotope等の自動で提案してくれるプラグインの勢いで導入するのは少し違うと思います。ミックスのワークフローをより無駄なくエレガントにするというニーズに応えてくれるプラグイン。使っているうちにありがたみが高まっていくタイプです。

総じて挿すだけで音が良くなるプラグインとして考えるのにはもったいないポテンシャルを持ったプラグインではないかと思います。




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