【Review】Robotic Bean「Portatron」レビュー(カセットポータスタジオエミュレーションプラグイン、使い勝手など)

【Review】Robotic Bean「Portatron」レビュー(カセットポータスタジオエミュレーションプラグイン、使い勝手など)


メーカー情報




テープの飽和、ノイズ、ぐらつきのあるインスタントローファイサウンドから、サンプルに新しい息吹を吹き込むまで!DAWのトランスポートに従うか、キーボードからモノフォニックメロトロンのように再生するテープループを再生します。4つのトラックを内蔵のEQ、ディレイ、リバーブとミックスして、完全なサウンドスケープを構築します。テープの飽和、ノイズ、ぐらつきでサンプルに新しいLOFIライフを吹き込みます!内蔵のEQ、ディレイ、リバーブを使用してトラックをミキシングすることにより、サウンドスケープを構築します。テープをループさせるか、キーボードでモノフォニックシンセとして再生します。


Robotic Beanは、カセットサウンドを注意深くモデル化して再作成し、テープスピード、ノイズ、ドロップアウト、ウォブル、開始/停止ラグなどの個々の側面を完全に制御できるようにしました。さまざまなノイズタイプと周波数応答のために、ノーマルテープまたはクロームテープを切り替えます。また、ドライブをトラックにプッシュすると、信号をテープにホットで録音するときに得られる飽和と圧縮が再現されます。

 引用元:Robotic Bean

機能紹介

カセットテープを使ったマルチトラックレコーダー、カセットポータスタジオという70年代に使われたものをDAW上で再現できるプラグイン。要は カセットテープエミュレーション×DAWというプラグイン。プラグイン内に4トラックまで用意されており、カセットテープでそれを再生するということです。それぞれミキサーで独立して処理することができます。内蔵されているサンプル音源やプリセットも用意されており、制作したものはプリセットとして保存することができます。

ここまでだと通常のDAWで作業をする場合とさほど変わらないかと思います。しかし、面白いのが、カセットテープエミュレーション機能。キースイッチで再生はもちろん巻き戻し、早送り、リバースその他テープスピード等をリアルタイムで調整できます。プレイをオートメーションで記録することができるということでもあります。
このあたりの再現は大変リアル。また、1,2,4小節ごとにループするようにスイッチ一つで設定することもできます。
ノイズやドロップアウト等も用意されています。カセットタイプは周波数特性の異なるノーマルテープまたはクロームテープ(tape II)の2種類が用意されています。ここら辺も当時の実機を再現しているのですね。
トラックはこのように用意されています。1トラックに対しサンプルは一つまで。リージョンはFLStudioのようにループしている仕様なので、右端をクリックして伸ばせばサンプルがループしていきます。サンプルをドラッグすれば動きます。このあたりはDAWと同様です。際限なく小節を作っていけるようです。サンプルはブラウズだけでなくドラッグアンドドロップでロードすることができます。ループの位置も設定可能。キューを3ポイント用意できます。リバースボタンでサンプルをリバース可能。

評価

トラックメイカーやヒップホップ系のジャンルを作る人にとっては非常に面白いプラグインだと思います。DJプレイをカセットで行うイメージでしょうか。ソフト上で製作できるという点がとても良いですね。何より、カセットポータスタジオのワークフローを再現できるというのが最も大きい魅力ともいえるでしょう。気になる点があるとすれば、個別ルーティングが見つからなかったところでしょうか。守備範囲としてはループ音楽ですね。これまでカセットテープの挙動をモデリングするプラグインはいくつかありましたが、トラックメイクに直接連動したこのプラグインは制作中にテープスピードを変えてみたり等、直感的なひらめきをすぐ反映させることができるのでとても使えるプラグインだと思いますね。