Krotos「Simple Concept」レビュー(感想、使い勝手等)
シンセサイザーKrotos「Simple Concept」を導入してみたので使い勝手などなど紹介していきます。
まず、ディベロッパーの謳い文句から見ていきましょう。
基本情報
Simple Conceptは、KrotosのConceptシンセエンジンを搭載したインタラクティブで使いやすいソフトシンセで、コンパクトなインターフェイスにラップされています。シンプルなワークフローと使いやすいコントロールのセットを備えたシンプルコンセプトでは、音楽に集中できます。 高度に事前調整されたコントロールでサウンドをすばやくダイヤルインし、さまざまなベース、メロディックリード、キー、パッド、FXを演奏します。
モジュレーションとエフェクトをシェイプし、80のプリセットの多様な範囲から選択します。「Tweak It」を使用すると、数回クリックするだけで、すぐに無限のプリセットバリエーションを作成できます。Simple Conceptのオシロスコープは、プラグインのマスター出力に基づいてリアルタイムの視覚的フィードバックを提供します簡単、迅速、かつ制御可能なシンプルコンセプトにより、最も重要なもの、つまり音楽に集中できます。
特徴
- 柔軟なマクロシステム
- シンプルな「Tweak It」カスタマイズシステム
- 80以上のプリセット
- 変調用オーディオ入力(特定のプリセットのみ)
- オシロスコープビジュアライザー
- ADSRエンベロープ
Krotos「Simple Concept」の特徴を一言でいうならば、サウンドを一から作るというよりも、聴きなれたサウンドを微調整して良い感じにはめるのに適したシンセサイザーといえます。プリセットは一般的な音色カテゴリをそれぞれ網羅しています。80以上のプリセットとなっておりますが、音色の量自体はさほど多いとは言えません。
しかし。裏情報ですが、Krotosのメールリストメンバー登録をしておくと定期的にメールでプリセットやサンプルが届くそうです。これは結構うれしい。
使い勝手など
サウンドの特徴としては、聴きなじみのあるサウンドがそろっており、奇をてらったようなサウンドは多くはないので(FXを除く)使いやすいです。EDMなどのジャンルで一度は耳にしたことのあるようなサウンドがそろっています。新しいサウンド開拓の人には向きません。
このシンセの特徴としてプリセットごとにいじることのできるパラメータが若干異なること。ADSRは基本いじることができますが、その他のパラメータは音色ごとに異なります。LFO変調があったり、サブオシレータ、トレモロやノイズパラメータがあったりと。基本パラメータは3つついてきます。
恐らく、ここがひとつの特徴ともいえ、いじりたいだろうなあと想定されるパラメータをあらかじめソフト開発者側がチョイスしているということになりますね。
迷わずすぐ微調整してヴァリエーションを作ることができるので、かなり効率が良くなっております。
そしてすべての音色で共通するパラメータがTweak itと書かれたボタン。これを押すと現在の音色を元にしたバリエーションが生成されます。つまり、少し違う音色に変えられるということです。このパラメータは上部にあるその他のパラメータと完全に独立しており、どのような処理がされているかは完全にブラックボックスです。しかし、この音色だとちょっと物足りない、変えたい、というときに役立ちます。ランダマイズ機能とも言えますが完全に制御されており、破綻のない音色のみが生成されるので無駄な時間は取りません。
私的にはTweak it機能がとっても魅力的で良いなあと思います。これがないと一見地味なシンセのようにも見えてしまうのですが、シンセ自体の音色ごとに決められたパラメータのセンスの良いチョイス自体が、このシンセの隠れた魅力であることは間違いないでしょう。
あと比較的安価なのもうれしいところ。
まとめ
パンチ、音の厚み: ★★★☆☆
サウンドの質感、素材感: ★★★★☆
聴きなれたサウンド : ★★★★★
サウンドメイクの可能性: ★★★☆☆
時短性 :★★★★★
使用頻度: ★★★★☆
機能の理解のしやすさ :★★★★★
動作の軽さ :★★★★★
コスパ :★★★★☆
プリセットのバラエティー:★★☆☆☆
汎用性 :★★★☆☆
特徴:サウンドのヴァリエーション生成機能、音色ごとにカスタマイズされた効果的なパラメータ、音色はキャッチ―
おすすめできる人:複雑なシンセパラメータでいじるよりも単刀直入にサウンドを作っていきたい人、時間のかけるところを割り切って切り詰めたい合理的な制作タイプの人