【Review】Arturia「Pigments 4」レビュー(ハイブリッドシンセサイザー、新機能・比較等)
メーカー情報
Pigments は、ミックスに最適な最新のプリセットからディープなカスタム サウンド デザインまで、あらゆるサウンドを作成するパワーを備えたソフトシンセ VST です。シンセシスのあらゆる色合いを探求し、あなたのスタイルに関係なく、最もワイルドなサウンド ファンタジーをフルカラーの現実にします。
今までにないサウンドの色を確認してください。すべての単一モジュールがアップデートされたPigments 4 は、再定義、最適化、および解き放たれた無限のサウンド スペクトルで独自の波長を発見できる無料のアップデートです。
引用元:Pigments 4
機能紹介
ヴァージョンアップにつき以下の点が改善・追加されました。
プレイモード
一歩下がって、簡素化されたモジュールとハンズオン マクロを使用して、サウンド全体の概要を簡単に確認してください。
セットアップの新しい外観
刷新されたグラフィカル インターフェイスと高コントラストのライト モードにより、Pigments の操作がこれまで以上に簡単になりました。
最高のサウンド デザイン ワークフロー
クイック ドラッグ アンド ドロップによるモジュレーション編集、LFO 波形プリセット、ODDSound MTS-ESP マイクロチューニングの互換性など。
強化されたエンジン
ウェーブテーブル エンジン リング mod と PWM、追加のハーモニック エンジン フェーズ オプション、合理化されたユニゾン コントロール。
新しいエフェクトとフィルター
MS-20 Filter、Shimmer Reverb、Super Unison、および多数の既存のエフェクトとフィルターの改良を紹介します。
新鮮な音の探求
新しいファクトリー プリセット、ウェーブテーブル、サンプル、ノイズ タイプの膨大なセレクションを発見してください。
今回のヴァージョンアップを要約すると、①UI及びパフォーマンス用のシンプルな画面が追加、②クイックモジュレーション機能の実装、③ハーモニクスエンジンやフィルター等のシンセ機能の追加、④プリセットやサンプルの追加となります。白画面のライト モードが追加されたのはうれしい人にはうれしいかもしれませんね。
ヴァージョンアップにより、AAS等のシンセでもおなじみ不可欠なパラメータとマクロが集約され、パフォーマンスに適したシンプルな1画面モードPlayモードが追加されました。音作りを決定するコアとなるパラメータのみが一画面に集約されています。
プリセットのデータベース性は健在です。タグによって管理されているので(検索窓、プリセットのパックによる分類も可能)ストレスフリーでお目当ての方向性のサウンドにアクセスできるようになっています。プリセットを少しでも使う人にとってはシンセサイザーの機能以前にブラウズ機能がある程度充実していないと使うのにある程度支障をきたしますので、これは外せない。
ハーモニクスエンジン。Phase Modが追加されたので音にさらに柔軟性が増しました。こちらも鳴らしている間リアルタイムでイメージが表示されるので、なかなか掴みづらい高調波のイメージがつかみやすく色を塗るかのようにサウンドの質感を思い通りにデザインすることができます。
エフェクトセクション。エフェクトチェーンを自由に並び替えることができます。エフェクトの種類も追加されています。何より波形そのものを上下、左右にドラッグすることで波形が変化しパラメータノブを動かすことができるので、操作性が他のモンスター系シンセサイザーと比較した際に抜群に良いのが特徴。
こちらはアルペジエータ―モード。
他の大御所シンセサイザーと比較した際に、オシレータの波形やモジュレーション波形がリアルタイムで表示され動くのでイメージしやすいのも良いですね。アサインされているモジュレーションがランプで点灯したり、複雑な設定が一目でわかるように工夫されているのでとても分かりやすくなっています。
また、他のシンセと比較した際にサンプルベースの素材が幅広く収録されているため、木琴やピアノ等アコースティックに基づく音作りができるのも特徴。サウンドデザインの傾向としてはもちろんEDM等様々なダンスミュージックをはじめとして、サウンドデザイン、効果音などと幅広いサウンドを作ることができるようになっていますが、とりわけシネマティックや複雑なアンビエントやエレクトロニカのサウンドを作るときに本領発揮しそうなイメージがありますね。ミニアチュール的な繊細で細かい音作りというのでしょうか。定番サウンドだけ作れれば問題ない人よりも何かしら+αで手を加えたい人にピッタリだと思います。
総じて他の大御所シンセと比較した際に操作性が抜群に良いのが特徴です。ロードするサンプルを試聴できたり、LFO設定にシンプルな波形プリセットがボタンとして並べて用意されているため瞬時に設定出来たりとこれあると良いよねという制作側のフローを踏まえて設計されているとでもいうのでしょうか。
音作りがグラフィカルに反映されるので、感覚的に音作りができる方が良い人やアナログシンセに慣れない人はとても恩恵を受けることができることは間違いありません。EQでスペクトラム表示があるとうれしい人等は作業はかどると思います。パラメータやシンセエンジンの選択の幅があるため、できることが多いだけでなく、それらを直感的に操作できるように工夫されているため、作曲家として使用する際には合理的な選択ではないかと思いますね。