【Review】Songwish「Remidi 2」レビュー(Midiサンプラー、ヴァージョンアップによる新機能、使い勝手など)
Songwish「Remidi 2」レビュー。この度アップデートしたので速攻で使ってみました。
Songwish「Remidi 2」は簡単に言うと、Midi版のサンプラーなのですが、業界初のソフトだそうです。
の割にあまり使っている人を意外に見かけないですね。私は絶対使えるソフトだと思ってたのでセール待って導入しました。結論から言いますとかなり便利なソフトです。
メーカー情報
reMIDIには、ファクトリライブラリに1700を超えるロイヤリティフリーのmidiファイルが付属しています。しかし、制限されることはありません。独自のmidiからサンプリングすることで、ライブラリを拡張することもできます。reMIDIをお気に入りの仮想楽器に接続し、MIDIコントローラーのキー/パッドを押すと、次のトラックの構成要素を簡単に見つけることができます。reMIDIが提供するスライスをドラッグすることで、MIDIノートを希望どおりに編集できます。各ループを独自のものにします。これを使用して、最も売れているループ/コードパックを作成することもできます。
reMIDI 2のアップグレードにより、次の新機能でMIDIサンプリングを次のレベルに引き上げることができます。
- 120パッドのグリッドレイアウト、効果的に120のreMIDIを提供
- 各パッドは、MIDIファイルから選択した独自のスライスをパッドにロードするように割り当てることができます。
- 異なるMIDIファイルを組み合わせる(メロディック/ドラムMIDIの場合)
- reMIDIMIDI入力/出力からパッドにMIDIを録音する
- すべてのパッドを個別または結合されたMIDIとしてエクスポートします
- MIDIスライスを最初にフリーズするフリーズボタン(コードをつかむのに最適)
- オリジナル/固定ベロシティのオプションを使用して、入力ノートによってMIDIファイルのノートベロシティをスケーリングするベロシティ設定
- 内蔵楽器をサンプリングされたグランドピアノにアップグレードし、オリジナルのreMIDI正弦波シンセを改良しました。
引用:reMIDI 2
基本的特徴
仕組みとしては、Midiファイルをソフト上で読み込んで、サンプルする範囲の幅を設定し(Shiftで位置を微調整可能)、テンポ変更やトランスポーズをソフト内でできてしまうプラグインです。そして、サンプリングできたMidiファイルはドラッグアンドドロップでDAWにエクスポートできます。Fullデータもエクスポート可能。
といったヴァージョン1の基本的機能仕組みはそのままですが、具体的に何が変わったのか見ていきましょう。
新機能
重要だと思う新機能が3点ほどあります。
①まず、ソフト内でコンピュータ上のディレクトリを探せるようになったので自分のMIDI保存場所にアクセスできるようになりました。そしてフォルダの星マークをクリックすることで、お気に入りのディレクトリとして保存され、すぐにアクセスできるようになりました。
パッドはそれぞれアサインするキーボード上の音程をカスタマイズ設定可能で音程を一括トランスポーズも可能。つまり、パッドのスライスされたMIDIをキースイッチで入力して呼び出しフレーズが演奏できるということ。(DAW上で録音等)パッドとスライスはヴェロシティ対応されているのでMIDIコントローラを強く押せば高いヴェロシティ値で鳴ります。
今回のヴァージョンアップでより一層MIDIキーボード等コントローラがあるとスムーズに作れそうですね。また、パッドは保存できるので強力な武器になります。
パッド上に格納されているMIDIをスライスするためには工具アイコンを押します。エディットモードに切り替わります。
スライスする範囲の箇所(サイズで決めた長さで等分されます)はMidiキーボードを使う場合は鍵盤上に音階順にアサインされています。(Midiキーボードは必須ではないがあると便利)そのため、おおまかにまずループの箇所を探して、始まりと終わりをShiftで微調整してという流れになります。Freezeというスライス冒頭の音を持続させる(白玉にする)機能が追加されました。
これまでと同様reMIDIを外部音源にルーティングして鳴らすことができます。ループ確認用の音源がサイン波だけでなくグランドピアノの音源が追加されました。(きちんとした音になり音の確認がしやすくなりました)。とはいえ他のインストルメントにMidi入力するのが良いと思います。
③そして、レコーディングモードが用意されました。InputとOutputの2通りで、InputはReMIDIに(DAW等外部から)送信されてくるMIDI情報をパッドに録音する機能です。録音中はパッドが赤くなります。
OutputはReMIDI内で鳴っている音をパッドに録音する機能で例えば、アサイン済みパッドで演奏したり、あるパッド内のMIDIをMIDIキーボードを使用することでスライスを組み替えてRemixすることができるということです。
クラシックだとショパンのバラード4番などのキャッチーな名曲から外れた本格的な作品も入ってます。Midiによっては伴奏や声部ごとにマルチトラックになっているものがあり、その場合はソフト上で分離(いらない声部を非表示)できます。
その他のジャンルが用意されていないのですが、基本その他のジャンルは鬼のようにMidiパック等で出回っているので特に問題ないでしょう。むしろ、こうした通常出回らないMidiデータを使用できるのは大きな強みといえます。
使い勝手など
それで何に使えるかというとまず、一番想定されているのはEDMやヒップホップその他音楽のループミュージックでしょう。長いフレーズだとクラシックとかだと聴く人が聴けばバスだけでも元の作品がわかってしまうので(私でもわかります)、断片化して使用することがベターだと思います。ジャズその他のジャンルだと作曲法のスタンスの違いもあって、比較的原曲がわからないかもしれません。
パッドが追加されたことで複雑な進行のフレーズ等も作りやすくなりました。
オーディオのサンプラーと違いトランスポーズやテンポ変更で音質劣化がないのと、音色を一から決められるのでループさせるメロディ探しに最適です。ルネサンス聖歌等一見使いどころの難しそうなフレーズもスピードとキーを変えると面白いフレーズができたりします。フレーズの句切れを変えるだけで原曲とは判別不可能なフレーズになってしまいます。そのため、新しいメロディ制作のツールになりそうです。
さらに自前のMidiパックを読み込めるので、サンプルパックと比べて管理が難しく使うことの少ない(?)Midiデータを思う存分にフル活用できる点が素晴らしいです。そのため、持っておくだけで、強力なMidi管理ツールとなることは間違いなしです。
また、私はまだ実践していませんが、自作のMidiデータを読み込めば、すぐに自分の好きなフレーズを引っ張ってこれるのもなかなか便利かと。トランスポーズができるので、すぐに曲のキーに合わせて使用できます。2オクターブまで変更可能。
また、パートごとに分けられたMidiデータならば、ベースや伴奏だけ持ってきてメロディを付けることもできます。
最後に、補足。vstしかないので、ProtoolsユーザーはKomplete Kontrolなどから読み込むことになります。どうやらKontrol経由だと、試したところ、ソフトからのMidi出力送信で他の楽器を鳴らすということはできないみたいです。(要確認)
新機能の評価
好きなディレクトリ内のMIDIに瞬時にアクセスできるのはとても良いですね。これだけでも十分な改善です。パッドの追加もたくさんのフレーズを一度に扱うことができるので、柔軟性が高まったといえます。また、パッドで大量のフレーズをキープできるので、好きなフレーズをスライスしためながら、そして鳴らしながらフレーズを考えてドラッグアンドドロップで出力したり録音したりしやすくなりました。ここまでで十分だと思うのですが、可能性の塊なだけに今後の要望も増えてきますね。
パッドを組み立ててフレーズ作れるソング機能とかもしあるとめちゃくちゃ便利だと思うので今後に期待。
これまで同様、各パッド内のスライスのポイントを鍵盤で探せるのは便利ですが、細かく切った場合スライスのどのポイントなのかわかりにくいので全体でどこに位置するのか表示されていればよかったと思います。MIDIの場合WAVEと異なり大抵小節線に依存していることが大半だと思うので。
スライスサイズを小節単位にする機能とか欲しいですね。
まとめ
使用頻度: ★★★★★
機能の理解のしやすさ :★★★☆☆(最初戸惑う人いそうです)
動作の軽さ :★★★★★
コスパ :★★★★★
プリセットのバラエティー:★★★★☆
汎用性 :★★★★★
特徴:MidiをDAWに一々直接インポート&加工のプロセスを踏まずにソフト上ですべて調整可能、スライスした、あるいはフルのMidiデータをエクスポート可能、
おすすめできる人:ループ音楽を中心としたトラックメーカー、そのままループを使うだけでなくひと手間加えてオリジナリティを出したい人、Midiデータを管理してすぐ呼び出したい人、既存の作品からインスピレーションを受けたり、利用したい人向け